FEAUTURE特 集

小さな驚きカンパニー

"速くて精密"金属の3Dプリンター

17.05.11

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プラスチック樹脂を固めて立体の造形を生み出す3Dプリンター。
この技術を進化させた、金属の3Dプリンターで
国内トップシェアを誇る会社が名古屋にあった。

その会社とは港区にある「J・3D」。

「こんにちは〜」
(岡田愛マリーアナウンサー)

出迎えたのは社長の高関二三男さんだ。

「ここに並んでいるものは、全部3Dプリンターですか?」
(岡田愛マリーアナウンサー)

「そうなんです。」
(J.3D 高関二三男社長)
                     
「その画期的な技術を見せてもらってもいいですか?」
(岡田愛マリーアナウンサー)
    
「はい、わかりました」
(J.3D 高関二三男社長)

機械の中に敷き詰めているのは、チタンの粉末だ。
扉を閉めて準備完了。スイッチオン!すると・・・

「あ〜!すごい!光が!!上から当ててるんですか?」
(岡田愛マリーアナウンサー)
   
「金属の粉末にレーザーを当てています。」
(J.3D 高関二三男社長)
        
「すご〜い!」
(岡田愛マリーアナウンサー)

敷き詰めた粉に約1800度の高熱のレーザーをあて、模様を描く。
さらに上から粉末をかぶせ、再びレーザーをあてる。
この作業を数百回繰り返す。すると・・・
何もなかった粉の中から、部品が現れた。しかし驚くのはまだ早い。

「出来上がったものがこちらです。触れてみてください。」
(J.3D 高関二三男社長)

「触っていいんですか?ここを持って?」
(岡田愛マリーアナウンサー)

「なにこれ!!金属の網みたい!細かい!!」
(岡田愛マリーアナウンサー)

完成したのは一つの固まりではない。
いくつもの小さなパーツが組み合わさっていた!
どんな形も、思いどおりに作り出すことができ、しかも早い。

かつては金属を削ったり、穴をあけたりして加工していたが、
2013年に金属3Dプリンターを導入。
しかしすぐには製品化できなかったという。

「そこには苦労の連続を積み重ねて、
ようやく今に至ったということです。」

この技術は、金属の粉を高熱で溶かして成形する。
ところがレーザーがあたっていないところは急激に冷やされ、
そこから歪みが生じてしまう。

そこで高関社長たちは、その歪んだ部品の上からさらに高熱をあて、
歪みを微調整しながら成形する技術を確立した。

大量生産には向かないが、どんな精密な機械部品も
早く、低コストで作れるのが最大の特徴だ。
国内の自動車メーカー各社から、
新車開発用の試作パーツの注文が殺到。
今やその6割の生産を、この会社が一手に引き受けている。
そんな高関社長が今、新たな挑戦をはじめている。
人工股関節の開発だ。

「悪くなった股関節の部分に、新しい関節としてはめ込む部品なんです。」
(J.3D 高関二三男社長) 

「へえ〜!」
(岡田愛マリーアナウンサー)

人工股関節とは、骨と骨とがこすれて削れた所に金属のカバーを被せ、
関節をスムーズに動かせるようにするための医療器具だ。
これまでは、患者の骨を削って金具を取り付けていたのだが、
3Dプリンターなら一人一人の骨の形に合わせて作り、かぶせるだけ。
手術もかんたん。患者の体への負担も少ない。

4月、試作第一号が完成。
2年後の臨床試験開始を目指している。

「これから医療の分野で金属3Dプリンターは
活かせると思っております。
緊急に手術をしなければいけない患者さんに対しても、
早く金属3Dプリンターで骨が出来上がるものですから、
それを代替え材料としてすぐに対応できるような
そんな仕組みを作っていきたいと思っています。」
(J.3D 高関二三男社長)


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