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<ニュースWhy>なぜ欧米人観光客が少ない?

17.06.09

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イギリス人のアシュリー・ハーヴィーさんは、
アメリカやヨーロッパから観光客をこの中部圏へ
呼び込むプロジェクトのトップに起用されました。

欧米からの観光客の数は 中心都市の名古屋でも、
少ないのですが、なぜなのでしょうか?
ハーヴィーさんに密着取材しました。

「せーの!よいしょー!」
(たるを割っている)

5月26日に発足した「中央日本総合観光機構」。

愛知や岐阜など中部9県の観光を推進する組織で、
その最高執行責任者に就任したのが、
イギリス人のアシュリー・ハーヴィーさんだ。

なぜ、イギリス人なのか?

「当地域の観光産業を成長させていくには、
滞在日数が長く消費額の大きい欧米からの
旅行客が大変重要」
(中央日本総合観光機構 豊田鐵郎CEO)

欧米主要国からの観光客の数は、
中心都市である名古屋でも、
全国平均を大きく下回っている・・・

なぜ、名古屋に欧米からの観光客が来ないのか?

ハーヴィーさんは、
イギリス政府観光庁の日本代表などを務め、
東京の旅行会社で、
日本を訪れるイギリス人観光客向けに、
商品企画などを担当したマーケティングのプロ。

そんな彼に、名古屋はどう映るのか?
名古屋視察に同行した。

まず、やってきたのは、名古屋駅にほど近い西区の円頓寺商店街。

ここは、外国人観光客の誘致に力を入れている。

「英語あるよ!やったー!」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

英語の案内板もしっかりと整備されている。

「hello! holiday? 」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

出会ったのは、フランスからやってきた観光客。

「名古屋は今日来たの?」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

「きょうからだよ」
(フランス人観光客)

「で、これから京都?」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

「京都はいかないよ」
(フランス人観光客)

2人は、三重県の伊勢に観光に来たついでに
名古屋に寄ったという。

「名古屋は初めて来たの?フランスで名古屋は有名?」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

「全然有名じゃない」
(フランス人観光客)

名古屋のことは、伊勢から近くのスポットを
探していて、たまたまみつけたという・・・

つづいて訪れたのは、名古屋の観光地の代表、名古屋城。

まばらな観光客の姿を見て、ハーヴィーさんは・・・

「今入ってくる時に張り紙を見たんですが、
50年前の古い建物だから"地震が来たら壊れる"と。
だからみなさん来ないんじゃないですか?」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

ハーヴィーさんが指摘したのは、1枚の張り紙。

戦後に建てられた現在の天守閣は、
耐震基準を満たしていないため、
名古屋市が掲示したものだ。

市は、現在のコンクリート製の天守閣を
木造で立て替えることを計画しているが、
ハーヴィーさんの考えを聞いた。

「いまの、コンクリートの天守閣も
忠実に再現されていて素晴らしいと思います
(戦争で城は燃えましたが)
戦後の名古屋はお金がなかっただろうに、
1959年にはもう再建したのですから、
名古屋人にとっては大切なものなのですね」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

そんな素晴らしい城があっても、欧米人の観光客は少ない。

なぜなのか?

「アメリカ人の75%の人は、
旅行をする際、トリップアドバイザーなどの
デジタルの口コミサイトを使う。
なのに、この地域は印刷物などの"アナログ手法"。
一番何とかしなくてはいけない問題」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

ハーヴィーさんが指摘したのは、
まず、インターネットの旅行サイトへの露出が少ないこと。

例えば、アメリカ人の7割以上が使うという旅行サイトを検索してみると、
名古屋の情報量は、実に東京の10分の1以下だった・・・

「愛知県やこの地域は、非常に豊かな歴史があるところです。
そんな歴史や現代の日本をどうやって世界に伝えていくかが重要。
それにはデジタル、つまりウェブサイトやSNSのような
デジタルコンテンツマーケティング戦略が必要。」
(中央日本総合観光機構 アシュリー・ハーヴィーCOO)

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