FEAUTURE特 集

小さな驚きカンパニー

流行つくる名古屋の"帽子工場"

17.07.06

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曲線が美しい、
若い女性に人気の
ブランド帽子を作っている
会社が名古屋にあります。

1本のひもから作るという
その職人技に迫ります。

タカシマヤゲートタワーモールにある
「CA4LA(カシラ)」.
帽子を専門に扱うブランドショップだ。

今、人気なのがこの
「ブレードキャスケット」
という夏向けの帽子。

その特徴とは・・・?

「被り方によって雰囲気を
変えることができる帽子なんです」
(店員)

その日の気分で、
形を変えて被れるのが人気の秘密。

そんな帽子を作っていのが熱田区にある森安、
20年前にできた帽子メーカーだ。

早速、
「ブレードキャスケット」を
作るところを見せてもらうことに。

「ここにありますけど、1本のひもなんですよ」
(森安忠義社長)

使用している素材は、
夏物らしく和紙などでできた
"ブレード"と呼ばれる1本の紐。

この紐を職人歴45年の大ベテラン、
土屋節子さんが縫って帽子にする。

はじめに、紐の先端を
ぐるぐると巻きながら少しづつ縫い始めた。

紐がミシンに吸い込まれ、
あっという間に帽子の一部が。
みるみるうちに紐は渦状に縫われていく。

土屋さんの手をよく見てみると、
指の第一関節だけを曲げて紐をおさえ、
下から手を入れて抵抗を加えながら
縫っていることがわかる。

高速で縫っているにもかかわらず、
糸と糸の間はすべて2ミリ間隔という精密さだ。

「まさに職人技ですね!!」
(岡田アナ)

さらに、側面に差し掛かると、
帽子の角度を徐々に立てているのがわかる。

こうすることにより、
帽子の緩やかな曲線を作り出しているのだ。

作業開始から約5分。
「ブレードキャスケット」の原型ができた。

デザインの見本となる木型にはめて、
出来栄えを確かめると、
大きさはぴったり同じ。

土屋さんは設計図を一度見て、
試作品を作ればあとは長年の経験とカンで、
デザイン通りの形を作ることができるという。

仕上がった帽子は、
木型にはめたまま何度もスチームをあて
しっかりした形に仕立てられる。

糊をつけて乾かせば、
曲げ伸ばししても型崩れしない帽子となる。

最後につばを縫い付ければ完成だ。

森安が製造する帽子の約9割はカシラの注文だが、
出荷した帽子が有名デザイナーの目に留まり、
今や芸能人やパリコレのモデルが
かぶる帽子を手がけるまでになったという。

「若い者から感性をもらって、
我々の技術を提供してドッキングすると、
いい帽子ができる。
私もよく言うんだけど生涯現役で
やっていくつもりなので、
ぜひ皆さんにかぶってもらいたいと、
そう思ってます。」
(森安忠義社長)

森安では、
名古屋芸術大学の学生に
製造過程を見てもらうなどして
後継者の育成も進めて
いきたいということです。


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