FEAUTURE特 集

小さな驚きカンパニー

ご先祖様も安心!?

17.08.03

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もうすぐお盆休み。
お墓参りに行く人も多いと思います。

そのお墓を地震による倒壊の被害から
守ってくれる会社がありました。

大きな地震から大切なお墓を守る。

秘密はこの緑色の粘着材、ゲルだ。

作っているのは岡崎市の会社だった。

地震からお墓を守る商品を開発したのは、
岡崎市の会社、安震の杉田規久男社長だ。

「こちらが一番初めに開発したお墓用のゲルです」
(安震 杉田規久男社長)

「こういうふうにくっついて、
粘着力もありますし」 
(岡田アナ)

一見、家具の転倒防止ゲルのようなのだが・・・

「素材自体はそんなに変わらないんですが、
中に鉛の玉とリングを入れてありまして、
これで耐荷重が150キロまで増しています。
入っていないと25キロくらいで
ぐしゃっとなってしまいますので」
(安震 杉田規久男社長)

ゲルだけでは100キロ以上ある
墓石の重さに耐えられない。

そこで思いついたのが、鉛の球で石を支える方法だ。

鉛の球はやわらかいので墓石を傷つけない。

さらにまわりをステンレスのリングで補強することで、
ゲルが潰れないようにしたのだ。

その実力は一体どれほどなのか?

右側は直径5センチの鉄の棒で補強した墓石。
一方左は石の四方にゲルを貼り付けて固定した。
防水のため隙間はシリコンで埋めてある。

「それでは始めます」
(安震 杉田規久男社長)

震度1、震度2まではどちらもかわらない。

震度3を超えると右側の石が動き始めた。

さらに震度5!

「倒れる!!!」
(岡田アナ)

支柱で補強した墓石のほうは
激しく揺れて壊れ始めた。

一方、ゲルを使った墓石はビクともしない。

さらに震度7の揺れに対しても、ご覧の通りだ。

スローで見ると、
石と石とのつなぎ目が地震の揺れを吸収し、
力を分散しているのがわかる。

東日本大震災の被災地を杉田社長が調べたところ、
ゲルで補強した墓石は1基も倒れていなかったという。

「効果が認めていただけた
 というふうに自負しています」
(安震 杉田規久男社長)

さらに・・・
このゲルを工場の耐震に使えないか?
という話が舞い込んだ。

「飲料メーカーのボトリング工程の生産設備とか
そういうものへの固定の製品の開発が始まりました」
(安震 杉田規久男社長)

以前その会社では、
機械をボルトで床に
固定していたのだが効果がなく、
地震から生産ラインを守る
新たな方法を探していたという。

問題は重さだった。

墓石の何倍もの重さの機械を支えるため、
鉛の代わりに特殊な衝撃吸収ゴムを採用したり、
周りをステンレスで補強したりして強度を高めた。

重さ約1トンの冷蔵庫で実験したところ・・・

(ウィーン、ウィーン・・・)

性能はご覧の通り。
2.5トンの重さなら
震度7まで耐えられるという。

そして去年の熊本地震では、
被災した工場の多くが
生産中止に追い込まれた。

これをきっかけに、
免震ゲルに注目が集まり、
現在、大手自動車メーカーを
中心に注文が相次いでいる。

「安震という会社が
考えた製品のおかげで、
本当に被害が減ってよかったよな、
となれば最高ですね」
(安震 杉田規久男社長)

今のところこの商品はコンクリートなど
ツルツルした床にしか使えませんが、
杉田社長は今後、
カーペットなどでも粘着力を発揮する
ゲルを開発したいと話しています。


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