FEAUTURE特 集

小さな驚きカンパニー

業界救う!?オブラートの進化型

17.12.07

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オブラートの生産高
日本一を誇る会社が
新城市にあります。
国内需要の減少に
頭を抱えるこの会社が
打ち出した次の一手とは?

これは一体なんだ?
オブラートだ。

本来は粉薬を包んで
飲みやすくするための
ものなのだが、
今、そのオブラートが、
意外な形に進化していた!

新城市にある瀧川オブラート。
4代目社長の瀧川紀幸さん。
創業は1911年。
オブラート一筋106年の老舗企業だ。
そもそもオブラートは
どうやって作っているのか?
原料は片栗粉と水。
これを100度に熱した
ドラムに塗りつけ乾燥させる。
出来上がったのがこちら。
厚さは100分の1ミリ。1ミクロン。
今にも破れてしまいそうだ。
薬を包みやすい袋型の
オブラートを開発し大ヒット。
国内トップシェアを守り続けている。
ところが今、瀧川社長は、
ある悩みを抱えていた...。

「オブラートを
 知らない世代が増えてきた。
 今後オブラートを知らずに
 使わずに一生を終える人が
 出てくるかもしれない」
(瀧川オブラート 瀧川紀幸社長)

オブラートを知らない!?
本当にそんな人たちがいるのか?
町で聞いてみた。

「え?これすか?
 これは知らないっすよ。
 これすか?
 こんなもの見たことないです」
           (男性)
「油取り紙ですか?」
「薬飲む時に...」
「あー、濾紙!」
「濾紙じゃないよ...」
        (女性二人組)

業界の大ピンチに瀧川社長は、
新たな販路を海外に求めた。
向かった先は...。
シンガポール。
華僑が多く、
漢方薬が普及しているこの国なら、
オブラートを使う人も多いのでは?
そう期待していたのだが...。

「(漢方薬は)煎じて
 飲んじゃうんですね。
 オブラートは使わないし知らない」
(瀧川オブラート 瀧川紀幸社長)

しかし、 社長はあきらめなかった。

瀧川社長の次の一手が...
「オブアート」!

オブアートとは、
食紅などで
オブラートに絵をかいて
食材に彩りを添える、
キャラ弁づくりのテクニック。
ダメ元で、
シンガポールの商談相手に
オブアートを紹介してみた。
すると...

「新しいもの好きの
 シンガポール人は
 そっちの方が面白いねと」
(瀧川オブラート 瀧川紀幸社長)

そこで、
簡単にオブラートに
絵が描けるペンを開発したり...
オブラートに絵を印刷する技術も開発。
パンやおにぎり、
どんな食品にでも手軽に
オブアートができる
新製品を次々と生み出した。

シンガポールで
キャラ弁の料理教室を
開催したところ大盛況。
地元のレストランから
1万7000枚の注文を受けた。
岡田アナウンサーも挑戦!

「普通のお弁当を
 一瞬でキャラ弁に
 変身させます」
    (岡田アナ)

水気を含んだオブラートが
おにぎりにぴたりと張り付き、
イラスト入りのおにぎりの完成だ。

「忙しいお母さんも
 朝の時間を有効に
 活用できますね」
    (岡田アナ)

海外に飛び出して初めて
気づいたことがあると
瀧川社長は話す。

「食べられる薄いフィルムというのは
 ひょっとしたら世界で
 ほぼ作ってないんじゃないか。
 それを逆に強みにして
 いろんなオブラートの
 用途開発が出来れば」
(瀧川オブラート 瀧川紀幸社長)

この会社が開発した
プリントつきオブラートや
手描き用のペンは、
すでに国内でも
東京と大阪の一部で
販売しています。
2018年からは愛知でも
販売を開始する予定です。


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