FEAUTURE特 集

小さな驚きカンパニー

"魔法の塗料"で町をきれいに

18.01.18

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春日井市のメーカーが
新しい塗料を開発しました。

この塗料で、
都市の景観を損なう
あの問題も解決できるかも。

「落書きされてますよ!
これ落とすの大変なのに」
(岡田アナ)

かけているのはただの水道水。
一体なぜ?

春日井市の塗料メーカー「五合」。
社長の小川さんは、
ある特殊な塗料を開発したという。

その商品名はゼロクリア。

無色透明のコーティング剤だ。

塗料にはガラスに似た成分が混ぜてあり、
300度で焼き上げると、
表面に硬い膜ができるのだ。

「ステンレスの板にゼロクリア、
弊社の塗料のゼロクリアが
塗ってあるもの、
こちらは塗ってない面です」
(五合 小川宏二社長)

渡されたのは油性のインク。

このインクを水だけで
落とすというのだが・・・

「水が入った霧吹きで
しゅっとかけてあげてください」
(五合 小川宏二社長)

さらにかけると...

「これぐらいで十分です」
(五合 小川宏二社長)

みるみるインクが流れ落ちた。
この塗料には、大気中の水分を吸い寄せ
表面に薄い水の膜を作る性質がある。

その上に書かれた油性のインクは、
水で簡単に洗い流されてしまうのだ。

こちらのラーメン店は
油料理で飛び散った、
頑固な汚れが悩みの種だった。

ベタつく油に掃除も一苦労。

そこで、新しい店舗で、
厨房のコーティングを五合に依頼した。

するとあのしつこい汚れが、
水ぶきだけであっさり落ちた。

掃除の労力も大幅に減ったという。

比べてみると、その違いがはっきり分かる。

「導入してから、
30分から1時間くらい作業が
短縮できるようになったかなという
ところが非常に大きいかなと思います」
(岐阜タンメン メンテナンス部
             坪井 裕志さん)

その技術が今、ある問題を
解決できるのではと注目されている。

「駅に採用されている柱のカバーです」
(五合 小川宏二社長)

東京メトロの駅の構内。

ここに五合の
コーティング塗料が使われている。

吹きかけたのは油性のスプレー。
これに水を吹き付けると・・・

「ぺろってはがれていきます」
(岡田アナ)

この技術に注目したのが
オリンピックの開催を
控えた東京の企業だ。

JR東日本が渋谷駅の喫煙所で
実験したところ、
一日、雨が降っただけで
落書きは消えている。

落書きが一掃できると
注目が集まっている。

この技術を求める声は
世界中にあると、
小川社長は話す。

「落書きがきれいに
なることによって犯罪が減る。
そういったことが
ニューヨークやドイツの
地下鉄でもですね、
起こっているので、
世界規模で
どんどん広げていきたい。」
(五合 小川宏二社長)

五合では現在、
ガラスにもこの加工を施し、
窓ふきがいらない
高層ビルの窓ガラスの
開発を
進めているとのことです。


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