テレビ愛知

Vol.013 文:相澤伸朗  
「やっぱり猫が好きな私」
2002年6月12日更新

 猫を飼っている。血統書つきだ。スコティッシュホールドという猫をご存知だろうか?猫の中では唯一、耳がくしゃっと折れているのが特徴の猫だ。ところがうちの猫の耳は思いきり立っている。本来、スコティッシュホールドは十数万円するはずなのに、三万五千円で手に入れることが出来た。血統書つきなのに落ちこぼれなのである。

 それでもこいつがなかなかに可愛い。家に帰るといつも玄関のところで待っている。私が鍵を開けようとしてドアの前に立った時から、ニャ-ニャー泣き始め、ドアを開けると、「撫でなさいよー」という感じで腹を見せて寝転ぶのだ。可愛いでっしゃろ?まあ、それ以外は本当に気まぐれで、名前を呼んでもちっとも反応しないし、急に引っかいたり、噛みついて来たりするのもしょっちゅうなのだが、そんなところも悪くないと思うようになった。猫というのはマイペースなようで、実は主人思いだということがわかったからだ。

 私が眠れない夜などは、すっとそばによって来たりする。主人の様子がいつもと違うというのがわかるようなのだ。その点、いつも同じテンションで撫でてくださいとシッポを振る犬と違い、めりはりがきいている。普段あまりよってこないだけに、こちらはキュンとしてしまうのだ。

 さらに、私が39℃以上熱を出して、いくら布団をかけても寒くてたまらず、ガタガタ震えていたら、すっと布団の中に入って来て暖めてくれたこともあった。ウチの猫は普段布団の中に入ってくることがないので本当にびっくりした。熱もみるみる下がりましたとさ。めでたしめでたし。このように、猫には人の気持ちがわかるようなのだ。

 かといってあまり頭がいいわけでもない。以前、旅行に行ったときに、犬を飼っている知人に預けたことがあったのだが、帰ってきたら驚いた。家の中をぐるぐる駆け回ったあと、舌を出して「ハッハッハ」とやったのである。どうやら自分のことを犬だと思いこんだようなのだ。バカ猫である。まあ、そんなところも可愛いのだけれど。
Nobuo Aizawa

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