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2002年8月28日更新 |
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前回まで英語の難しさばかり書いたので、今回は英語を学ぶ楽しさについて書きたいと思う。英語学校では初めのうちかなり苦戦続きだったので、楽しいには程遠かった。最初に英語が話せて楽しいと思ったのは、たまたまレストランで隣り合わせになったおばあさんに話しかけられてからだった。ロンドンは初めて?とか、何しに来たの?とか、そんなたわいもない会話だったが、英語教室で話すのとは全然違うドキドキと、袖擦り合うも多少の縁とは言うけど、相手はイギリス人だもんなあ、というような感動でいっぱいになった。そして最後に「あなたの英語は素晴らしいわ」と言ってくれたのも嬉しかった。もちろんお世辞だろうけれど。
そのあとも街中でいろいろなイギリス人に話しかけられた。イギリス人は「ロンドンに来るからには英語が出来て当たり前」と思っているのだろうか、「この日本人、英語できるのか?」というような躊躇を全く見せずに話し掛けてくる。道で地図を広げれば
「どこへ行きたいんだ?」と聞いてくるし、劇場でも、博物館でも「Did you enjoy?」と感想を求めてくる。私の英語のレベルはたいしたことないので「good」ぐらいしか言えないのだが、そうすると逆に「英語のレッスンの相手になってあげましょう」というようなスタンスで接してくることもあった。そして最後にはレストランでのおばあさんのように「はい、よく出来ました」みたいなことを言ってくれたりするのだ。
中でも「何をお探しかな?ヤングマン」と話し掛けてきた、コヴェント・ガーデンの酒屋のおじいさんとの会話は楽しかった。「どのウイスキーが一番人気あるんですか」と聞くと、カウンターから出てきて、右手を私の肩に置き、左手をぐるぐる回しながら「こういうものには流れというものがあってだな・・」と講釈を始め、いろいろなウイスキーについて身振り手振りを交えて熱弁を振るってくれた。さらに店の奥にあったウイスキーをグラスにそそぎ、「ウイスキー2に水1の割合で飲むと一番芳香が楽しめるんだ。これを飲んでみなさい」とすすめてくれた。これがまた実にうまかった。「verry good」と言うと「いいかい2-1だよ。ツーワン」「ツーワン」「ツーワン」「ツーワン」と復唱させられたりもした。ね、この辺が英会話のレッスンぽいでしょ?
イギリスの人たちは英語を学ぼうとする者にとても優しい。文部科学省は高校生の留学をもっと増やす方針だそうだが、非常にいいことだと思う。私だって高校生のときにあんな経験をしていたら、英語への学習意欲が全然違っただろうと思うのだ。
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