放送内容
2013年12月21日(土)放送分
「健やかな老後のために~自分の健康は自分で守ろう~」
並木病院 院長 山本 纊子(ひろこ) 先生
高齢化が進み、65歳以上の人口は、今や3000万人以上。
全人口の4分の1。
平均寿命は、女性が86歳、男性が79歳。
自分が年をとってくると、どう生きていくかが課題。
しかし、年とともに、病気にかかる可能性が高くなることは仕方がないこと。
病気と付き合いながらも、どう老後を過ごしていけばよいのでしょうか。
健康とは、病気などを持っていても、その時点で、その人その人にふさわしい最良の状態であることと考えましょう。
もし、病気になってしまったら、自分なりに、どんな病気か考え、症状が出る前の生活や、病歴、使用中の薬などを医者に伝えましょう。
また、病気の症状も、手早く伝えられるようにまとめておきましょう。
そして、検査結果や診断名は必ず聞き、納得がいかない場合は別の医者を紹介してもらうことも考えましょう。
健康を維持するには、規則正しい生活を心がけ、自分のことはできるだけ自分ですること。
そして、今日行くところがある。今日用があるなど、積極的に外出や用事を作るように心がけましょう。
さらに、体調の変化に注意し、人間ドックを受けるなど早く病気を見つけるようにしましょう。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年11月30日(土)放送分
「おねしょって病気なの?~夜尿症の原因と治療~」
三菱名古屋病院 小児科 岩間 正文 先生
どんな病気?
夜尿症の子どもは、全国で推定50万人。
そのうち治療に来るのは2割程度
■一般的に言われるおねしょとは
4歳までは、生理的なものであり、5歳を過ぎて、おねしょを繰り返す場合、夜尿症という病気の可能性がある。
■夜尿症の要因
睡眠が深くおしっこがたまっても目覚めないこと。
膀胱の容量が少ない。
夜の尿の量を抑える抗利尿ホルモンの分泌不足などがあげられる。
心理的な原因を指摘する人もいるが、体質が原因である場合がほとんど。
■夜尿症の型
夜、尿が多く出すぎる多尿型。
膀胱に尿をためる容量が少ない膀胱型。
その両方を併せ持った混合型がある。
■夜尿症の治療方法
・多尿型の場合
最近では、抗利尿ホルモンを補う口腔内崩壊錠が主に使われ、夜間の尿がかなり少なくなるといわれている。
・膀胱型の場合
膀胱容量を増やす抗コリン剤を服用する方法と、アラーム療法がある。
アラーム療法は、漏らしたことに気づかせ、おしっこをためることを身につけさせる方法で、1ヵ月半から3ヵ月ほどで、効果が現れるという。
■日常生活で親が気をつけること
夜起こさない。
おねしょをしてもしからない。
冷え性対策をする。
そして、多尿型の場合は、夕方以降水分の摂取を控える。
膀胱型の場合は、おしっこをするのをぎりぎりまで我慢して膀胱容量を増やす訓練をする など。
こうした治療や訓練を行うことで、何もしないより、格段に治る可能性が高くなる。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年10月26日(土)放送分
「知っておきたい帯状疱疹~治療・予防の最新情報~」
愛知医科大学病院 皮膚科 渡辺 大輔 先生
どんな病気?
■帯状疱疹(たいじょうほうしん)にかかる人の数
・アメリカの場合
帯状疱疹の患者の数は、年間80万人から100万人いるといわれ、そのうち約半数は50歳以上の人。
また、10%から20%ぐらいの人が、生涯に一度はかかっていて、85歳以上の人に限ると およそ半数の人が発症しているというデータもある。
・日本の場合
患者の数は、年間およそ60万人。
1000人におよそ4.6人の人が、帯状疱疹にかかっている。
■帯状疱疹とはどんな病気
帯状疱疹は、一度水ぼうそうにかかった人が発症する病気。
「水痘帯状疱疹ウイルス」が原因とされ、初めて、このウイルスに感染したときには、「水ぼうそう」が発症する。
この「水ぼうそう」が治った後も、体内に潜伏していたウイルスが再活性化し発症するのが、「帯状疱疹」。
水ぼうそうが体全体に発疹ができるのに対し、帯状疱疹は体の片側だけに発疹ができ、痛みを伴う。
帯状疱疹が発症する原因としては、高齢や、がんなどの病気になり、ウイルスへの免疫力が低下することによるといわれる。
悪化すると、角膜炎、結膜炎や、顔面神経まひなどの合併症を引き起こすこともあり、症状がひどい場合は、帯状疱疹後神経痛といって、発疹は治まっても、痛みがいつまでも残ることがある。
虫さされやかぶれ、とびひなどと間違えやすく、疑わしい場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
まだ水ぼうそうにかかったことがなくウイルスを持っていない人は帯状疱疹や水ぼうそうの人に近づくと、水ぼうそうを発症してしまう可能性がある。
■帯状疱疹の治療
帯状疱疹の治療には、主に、ウイルスをたたく、皮膚の症状を治す、痛みを止めるという三つがある。
ウイルスをたたく、抗ウイルス薬は、発症から、遅くとも5日以内に使用を開始することが大切。
また、使用後、7日間継続することが 後の重症化や痛みの軽減につながる。
痛みの治療には、痛み止めの薬の服用や神経ブロックを行う。
「帯状疱疹後神経痛」に関しては、最近では、治療薬の向上で、以前に比べ、かなり効果が期待できるようになりました。
予防としては、規則正しい生活を送ることが、大切。
さらに、水ぼうそうに対するワクチンを接種することで、帯状疱疹の予防にもなるといわれています。
帯状疱疹にかかると、水ぼうそうにかかったことのない子どもに、水ぼうそうを発症させてしまうことがあるので、気をつけましょう。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年9月28日(土)放送分
「あなたの脳は大丈夫~脳卒中の治療と予防~」
JA愛知厚生連海南病院 院長 山本 直人 先生
どんな病気?
脳卒中は、1970年代までは、死亡原因の第1位。
現在では、死亡率は、第4位と下がり、第1位のがんの4分の1程度ですが、
平成23年の患者の数では、がんのおよそ142万に対し、脳卒中はおよそ135万人と大きな差はありません。
脳卒中の中でも、最も多いものは脳梗塞で、70%から75%ほどを占め、続いて、脳出血が20%から25%ほど。
そして、くも膜下出血は、数%程度と言われています。
■症状
・脳梗塞・脳出血の場合、片まひや、半身のしびれ、言語障害など。
・くも膜下出血は、ハンマーで殴られたような、激しい頭痛が襲う。
いずれも、突然、発症するもの。
■治療方法
・薬で、詰まった血管を広げる、詰まりを溶かす、出血を抑える。
・開頭手術。
・細い管を血管に入れ、詰まりをとったり、こぶをふさぐカテーテル手術。
・後遺症がある場合、日常動作、言語などの訓練をするリハビリを行う。
最近では、「脳卒中地域連携クリティカルパス」という取り組みを行っている地域が増えている。
■脳卒中の予兆
・ほとんどない場合が多い。
・半身のまひなどが、一時的に起きて、その後すぐに消えてしまうような一過性虚血発作が起こった場合、数か月以内に脳卒中が起きる場合がある。
■予防法
・喫煙、飲酒、運動不足などの改善。
・高血圧、糖尿病などを予防・管理すること。
脳ドックを受けることで、症状が出る前の脳梗塞や脳腫瘍などが見つかることもある。
動脈瘤に関しては、100人に3、4人は見つかる。
50歳になったら、一度、脳ドックの受診を。
日本脳卒中協会から出されている脳卒中予防十カ条。
ご覧のことに気をつけて日々の生活を送りましょう。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年8月31日(土)放送分
「いつか子どもを持ちたいあなたへ~妊娠適齢期~」
名古屋市立大学病院 産婦人科 杉浦 真弓 先生
妊娠・出産には、医学的に見て適齢期というものがあり、20歳代から30歳代前半までをいいます。
その理由として、35歳以上になると、他の年代に比べ、妊産婦の死亡率が高い。
流産、死産、早産、分娩時の多量の出血、分娩時間が長くなる。
不妊症や、不育症になりやすい。などがあります。
こうしたことが起こりやすい理由として、卵子の老化があります。
女性は赤ちゃんのときにおよそ700万個の卵子を持っていて、その後、新たに作り出されることがありません。
そのため、年を取れば、卵子も老化してしまい、染色体異常や、遺伝子異常になる可能性が高くなるといわれています。
年を取ることで、不妊症や不育症になる可能性も高くなります。
不妊症の原因は排卵障害など、はっきりとしている場合もありますが、半分以上の方は原因不明といわれます。
原因不明の方の治療方法は、まず夫婦生活のタイミングの指導。
次に、排卵誘発剤の使用。
それでもうまくいかない場合、体外受精となります。
しかし、成功率は20歳代でおよそ20%、40歳代になると、10%以下に。
費用は、一部補助が出る場合もありますが、一回当たりおよそ30万円とかなりの高額です。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年7月27日(土)放送分
「50代からの足腰の痛み~脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)~」
NTT西日本東海病院 整形外科部長 稻田 充 先生
どんな病気?
腰部脊柱管狭窄症の患者は、日本に推定240万人いると言われ、40歳以上の人の約30人に1人、70歳以上の人の約12人に1人が、患者と言われている。
脊柱管狭窄症とは、背骨の中にある神経を通す管(脊柱管)が狭くなり、神経を圧迫する病気。
■脊柱管狭窄症の原因
・50歳以上の人に多く、加齢・老化により背骨が変形する。
・圧迫骨折
・側彎症(そくわんしょう)
・先天的に脊柱管(せきちゅうかん)が狭い。
■脊柱管狭窄症の症状
・間欠跛行(はこう)といって、歩いていると足がしびれたり、腰が痛くなってくるが、少し休むと楽になる。
・症状が進むと、安静時や、立っているだけでも痛みが出てくる。
■脊柱管狭窄症の治療法
・薬物療法…血管拡張剤、血流改善剤、などの投薬。
・リハビリテーション
・神経ブロック療法…症状が出ている神経に、直接針を刺し、麻酔剤やステロイド剤を混入し、症状を緩和させる。
・コルセットなどの装具を装着
・手術療法…脊柱管の椎弓(ついきゅう)の部分を削り取り、脊柱管を拡げて神経の圧迫を取る。
顕微鏡下手術
・20倍の倍率で見ることができる。
・手術の傷は約2センチ
・出血はわずか
・手術時間は30~40分程度
■脊柱管狭窄症の予防法
・加齢によるものが多いため、予防することは難しい。
・重いものを持たないなど、腰に負担をかけないことで発症率を下げることができる。
脊柱管狭窄症の症状が出た場合、出来るだけ早く治療をすれば改善度は上がる。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年6月29日(土)放送分
「見直そう食生活~脂質異常症の予防と治療~」
平光ハートクリニック 院長 平光 伸也 先生
どんな病気?
3、40年前から日本でも食べ物の欧米化が進み、高カロリー・高コレステロールの物を多く食べるようになった。
それも一因となり、心疾患、脳血管疾患が増えていると考えられている。
心疾患・脳血管疾患を起こす大きな要因の一つとして、脂質異常症がある。
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪などが増えすぎる状態。
悪玉のLDLコレステロールは、血管の中に張り付いて狭くする。
中性脂肪は、多すぎると動脈硬化を引き起こす。
一般的に、悪玉のLDLコレステロールの数値が140mg/dl以上、中性脂肪が150mg/dl以上の場合、脂質異常症と診断される。
■脂質異常症の予防法
・自分の食生活を見直すことが大切。
・高カロリーの物は、早く食べると、血糖値が急速に上がる。
・繊維質の物を先にたくさん食べると抑えることができる。
・魚類は動脈硬化を予防するといわれる。
・日本食は、塩分を減らせば、理想的な食事と言える。
・適度な運動をして、その日に取ったカロリーは、その日のうちに消費するようにする。
■質異常症の治療法
薬物療法
・スタチン…肝臓でのコレステロール生成を抑える
・エゼチミブ…小腸からのコレステロール吸収を抑える
・フィブラート…中性脂肪を減らす
・EPA+DHA製剤…中性脂肪を減らしてHDLコレステロール(善玉)を増やす
薬物療法も、食生活や生活習慣の是正があってこそ。
子どものうちから、予防に取り組むことが、将来的に心疾患・脳血管疾患を減らすことにつながるといいます。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年5月25日(土)放送分
「前立腺がんの早期発見と最新治療」
愛知医科大学病院 泌尿器科 金尾 健人 先生
どんな病気?
■前立腺
男性にだけある臓器で、前立腺液を分泌して、精液の一部を作る。
■前立腺がん
・最近、急速にかかる人が増えている病気。
・予測では、2025年には、男性がかかる「がん」の中で最も多くの人がかかるものになるといわれている。
・50歳以降、年をとるとともに増加。
・人口10万人あたり、かかる人の数は、60歳代で100人以上、70歳代で300人を超えている。
症状
初期にはほとんど自覚症状がない。
進行すると排尿障害や腰痛、骨が痛くなる場合もある。
早期発見するには
・血液を採取してPSA検査を行う。
・血液1mlあたり4nlを超えると前立腺がんの疑いがある。
・最終的な診断を受けるには、前立腺の組織を針で採取し顕微鏡で観察する前立腺針生検。
前立腺がんの治療法
・手術療法、放射線療法、ホルモン療法などがある。
・患者の年齢や、がんの悪性度、進行度などに応じて最適な治療法を選択する。
・手術療法は、前立腺をすべて摘出する。開腹手術、内視鏡手術、ロボット(ダ・ヴィンチ)による内視鏡手術などがある。
・ロボット(ダ・ヴィンチ)による手術は、患者への負担が少なく、より精密に患部だけを摘出することができる。2012年より保険適用になった。
治癒率
・前立腺がんの手術後、5年の非再発率 約80~90%
・前立腺がんの手術後、5年生存率 ほぼ100%
前立腺がんの予防法はまだ確立されていない。
早期発見のために50歳を過ぎたらPSA検査を。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年4月27日(土)放送分
「白内障~治療方法を理解して、正しい見え方を獲得しよう~」
とつか眼科 理事長 戸塚 伸吉 先生
どんな病気?
見える景色が白く濁る、光がまぶしく感じるなどの症状が起きる白内障。
さまざまな要因がありますが、老化現象によるものが多く、40歳代から発生する人が増え、50歳代で約半分、80歳代になるとほとんどの人が白内障にかかっているといいます。
症状
・目がかすむ、物が二重三重に見える。
・車のライトや朝日夕日などの光をまぶしく感じる。
・老眼が治ったように近くが見えやすくなる。
・近視がひどくなり、めがねを何度も作り変える など
・痛みや充血などは起こらない。
治療方法
・点眼剤や内服薬で進行を遅らせる薬物療法。
・水晶体を取り除き眼内レンズを挿入する手術療法。手術は10分から15分程度でできるもの。手術で挿入する眼内レンズには単焦点の物や他焦点の物、乱視を矯正できる物もある。
・片方の目の眼内レンズのピントを遠くにもう片方の目のレンズを近くに合わせて両目で見るとすべてにピントが合っている状態にするモノビジョン法という方法もある。
白内障は手術によってかなり改善されますが、まったく元通りの見え方になるわけではない。緑内障や糖尿病網膜症を併発している場合もある。
白内障を治して、快適な見え方を獲得するには、
・目の状態を正しく診断してもらうこと。
・自分が今困っている状況をきちんと把握しておくこと。
・手術後どのような見え方になるのか医者と相談し、治療方法をよく理解しておくことなどが大切。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年3月30日(土)放送分
「てんかん患者の社会参加について」
すずかけクリニック 院長 福智 寿彦 先生
どんな病気?
日本国内のてんかん患者は150人から200人に1人とも言われていますが、「てんかん」にも、さまざまな症状があり、また治療も進んでいることから、日常生活にほとんど支障のない方も多くいます。
■「てんかん」とは
てんかんとは、慢性の脳の病気で、大脳ニューロンの過剰な放電によって反復性の発作が起こるもの。
てんかんの種類
・体が固くつっぱり、全身がけいれんを起こす全身発作。
・物を凝視したり、意味もなく口をもぐもぐさせたりする複雑部分発作。
・胃がむかついたり、目にまぶしい光が走ったりする単純部分発作。
発病率
てんかんの発病は、20代前半までと65歳以上に多い。
・子どもに多い理由としては、脳が発達途中にあり、傷がつきやすいこと。
・65歳以上に多い理由としては、脳梗塞など脳に疾患がおこりやすいこと。
治療法
・薬物療法・・・てんかんの治療は、適切な薬を飲むことで、70~80%の患者が発作を止めることができる。
・手術療法・・・脳の発作を起こす部位を切除する脳外科手術療法。
・完治しても、薬をやめてしまうと10%から30%の確率で再発することもある。
てんかん患者が社会参加しやすくするには
・みんなが「てんかん」を正しく理解して、一緒に生きていく環境作りが大切です。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年2月23日(土)放送分
「子どもがかかりやすい耳の病気」
愛知医科大学病院 耳鼻咽喉科 植田 広海 先生
どんな病気?
耳の病気について
耳の病気には、痛みを伴わない場合も多く、ただ聞こえが悪いというだけでは、気付かない場合がほとんど。特に小さな子どもたちの場合は、それを伝えることもできません。
また、子どもに多いという耳の病気もあり、特に中耳炎は、三歳までの子どもの80%はかかったことがあるというデータもあります。
子どもが多くかかる耳の病気
・中耳炎の患者は、ほとんどが子どもで、すべての患者のうち90%が子どもといわれている。
・中耳炎の中で、子どもが多くかかるのが、急性中耳炎と、滲出性中耳炎。
■急性中耳炎の症状について
・鼓膜のすぐ内側に膿ができ・鼓膜を圧迫する。
・耳に痛みが出て、発熱があることも。
・ひどくなると、鼓膜が破れて、耳だれがする。
・鼓膜が破れると痛みが消えるが、症状は悪くなっている。
原因は?
・大部分は、鼻かぜが主な原因。鼻の炎症が耳に達する。
・インフルエンザなど、呼吸器系のウイルスによる風邪をひくと、そのうち20~40%が急性中耳炎にもかかる。
・風邪の後、数日後に発症することが多い。
子どもがかかりやすいというのはなぜ?
・子どもは集団保育で、風邪にかかりやすい。
・母乳に予防する効果があると言われ、人工ミルクだけの子どもが増えているから。
・他の薬の乱用によって、耐性菌ができ、中耳炎の内服薬が効きにくくなっている。
■滲出性中耳炎の症状について
・鼓膜の内側に滲出液がたまり、音の聞こえが悪くなる。
・急性のように痛みはない。
・難聴の原因となることも多い。
・就学前に80%以上が少なくとも一回はかかる。
原因は?
・鼻かぜが原因の場合がほとんど。
・アデノイド肥大
・蓄膿症が起きやすくしている場合もある。
中耳炎の予防法は?
・風邪にかからないのと同じように、マスクやうがい手洗いなどする。
・風邪などを長引かせないようにする。
・鼻をすすると、鼓膜がへこむのですすらず、かむようにする。
・また、栄養バランスのとれた健康管理。
・テレビの音が大きい、呼びかけに応じない、小さな子の場合は、しきりに耳に手をやる、首を振る、夜泣きなど、中耳炎の可能性があるので、早めの受診を。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2013年1月26日(土)放送分
「血便が出ました ~原因と検査~」
名古屋掖済会病院 消化器科部長 大橋 暁 先生
どんな病気?
一口に血便といっても、紙に血液が付着した程度のものから、下痢とともに大量の血液が出るものまで、程度は様々です。
血便は、「真っ赤な便」と「イカ墨のような真っ黒な便」の2種類あります。
赤い血便がみられた場合、肛門から近い部位の病気ということで、痔でなければ「大腸憩室(けいしつ)症」「虚血性腸炎」「大腸がん」の3つの病気が考えられます。
中でも、大腸がんは、無症状の検診で発見される場合をのぞくと、血便で発見されることが最も多く、予防するには適度な運動、快食快便、脂肪食を控えることなどがあげられています。
■大腸内視鏡検査
検査の方法としては、苦痛の少なく気軽に受けられる「大腸内視鏡検査」で、病気の早期発見を目指します。
先端にレンズのついた、細長いカメラ(内視鏡)を肛門から挿入して、大腸の最も奥まで挿入した後、引きながら大腸内の粘膜を観察して病気を探します。
粘膜面の変化も鮮明に見えるので、小さなポリープやがんだけでなく、大腸の炎症も診断できます。
「血便」は大腸の病気の重要なサインでもあります。
特に高齢者は治療が遅れると命にかかわるため、早く医療機関を受診することをおすすめします。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。