放送内容
2014年3月29日(土)放送分
「成人の発達障害」
愛知県心身障害者コロニー中央病院 児童精神科 吉川 徹 先生
どんな病気?
■発達障害とは
得意なことはうまくやれるが、飛びぬけて苦手なことがあり日常生活がうまくいかない人のこと。
乳・幼児期~児童期に現れる脳機能の発達の大きな偏り。
・自閉症スペクトラム
・注意欠如・多動性障害(ADHD)
・学習障害(LD)
などがある。
■自閉症スペクトラム
・社会的なコミュニケーションが難しい
・興味や関心に偏りがある
・同じ行動パターンを繰り返す
・感覚が極端に敏感、または鈍感
■注意欠如・多動性障害(ADHD)
・長い間注意することが難しい
・細かく隅々まで注意することが難しい
・思いつくとすぐに行動に移す
・長時間じっとしていられない
■学習障害(LD)
特定の領域の学習が苦手
・読むこと(だけ)が苦手・・・読字障害
・書くこと(だけ)が苦手・・・書字表出障害
・数を扱うこと(だけ)が苦手・・・算数障害
大人になっても引き続き、発達の偏り、発達上の特性が見られる人のことを成人(大人)の発達障害という。
■発達障害への対応
暮らし方を工夫、強みを生かして弱みをカバー。
■発達障害の人の得意なこと
自閉症スペクトラム・・・記憶すること、興味を持ったことを追い求める
注意欠如・多動性障害(ADHD)・・・発想が豊か、社交性がある
学習障害・・・苦手なことが少ない
■発達障害の人との関わり方
発達障害の人たちのものの見方、やる気になるポイントを知る。
それに合わせて環境を調整する。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。
2014年2月22日(土)放送分
「気になる首の腫れ・しこり~甲状腺・唾液腺・リンパ節の病気~」
藤田保健衛生大学病院 耳鼻咽喉科 桜井 一生 先生
どんな病気?
首のまわりに、出来る腫れやしこりは、多くは良性ですが、中には悪性のものもあり、自分では判断できないものがほとんどです。
■首の腫れ・しこりの病気の種類
・甲状腺…甲状腺炎、甲状腺腫瘍。
・唾液腺…唾液腺炎、唾液腺腫瘍。
・リンパ節…リンパ節炎、悪性リンパ腫、悪性腫瘍のリンパ節転移。
■甲状腺の病気の症状
・バセドウ病…眼球突出、動悸。
・慢性の甲状腺炎…皮膚の乾燥、むくみ。
・甲状腺腫瘍…首のしこり以外の症状はほとんどない。
・甲状腺がん…時に声がかれたりリンパ節が腫れることがある。
■唾液腺の病気の症状
・唾液腺炎、唾石症…腫れ、痛み、食事中食後の痛みが強い場合がある。
・唾液腺腫瘍…しこり以外の症状はほとんどない。
・唾液腺がん…顔面神経まひが起こることもある。
■リンパ節の病気の症状
・リンパ節炎…痛みを伴う。発熱などの全身症状を伴うこともある。
・悪性腫瘍のリンパ節転移…腫れ以外の症状がない場合がほとんど。痛くないのが特徴。
■首の腫れの治療方法
・甲状腺機能が高進しているバセドウ病の場合…抗甲状腺薬
・慢性甲状腺炎で甲状腺ホルモンが不足している場合…甲状腺剤
・唾液腺炎・リンパ節炎の場合…抗炎症薬、抗菌薬
■首のしこり(腫瘍)の治療方法
甲状腺・唾液腺・リンパ節、どの場合も原則的に手術を行う
・良性腫瘍の場合…腫瘍を取り除く場合がほとんど
・悪性腫瘍の場合…周囲の組織も一緒に取り除く場合もあり手術後の合併症・後遺症を引き起こすこともある
・悪性リンパ腫の場合…化学療法・抗がん剤での治療
■予防方法
・おたふく風邪はワクチンが効果的
・それ以外は予防方法はない
受診するにはかかりつけ医または耳鼻咽喉科へ。
2014年1月25日(土)放送分
「あなたは大丈夫?万病のもと糖尿病」
栄かとうクリニック 加藤 泰久 先生
どんな病気?
今、糖尿病にかかっている人は、世界で、およそ3億8千万人もいるといい、有効な対策を施すことが急がれている。
日本では、糖尿病の可能性がある人も含めると、2000万人以上。成人のおよそ4人に1人にもなります。そのうち、4割以上の人は、治療を受けていないというデータもある。
■糖尿病は、どんな病気
糖尿病は高血糖が続くことによって 血管や神経を痛める病気。
その結果、老化を進め、動脈硬化を起こしやすくする。
糖尿病には二つの型があり、生活習慣に大きく関係する2型は、肥満・運動不足・食べすぎ・加齢などによって、インスリンの働きが追いつかなくなり発症する。
糖尿病が疑われる症状としては、のどが渇く、尿が多い、疲れやすいなどがありますが、これらの症状も、かなり糖尿病が進んできてから、現れる場合がほとんど。
さらに進行すると、さまざまな合併症を引き起こすことになり、すべての病に通ずる病気ともいえる。
■糖尿病の治療方法
糖尿病の治療方法には、主に食事療法、運動療法、薬物療法の三つがある。
【食事療法】
・一度にたくさん食べない。
・炭水化物の重ね食いをしない。
・よく噛んでゆっくり食べる。
など
【運動療法】
・一日30分程度早足で歩く。
・時間のない人は、通勤時間を利用して歩いたり、階段を使うようにする。
・歩くのがつらい人は、家の中で、ストレッチや体操をするなど、少しでも体を動かすことを心がける。
食事、運動療法は、糖尿病の予防にもつながる。
【薬物療法】
・注射で、インスリンを直接補充する方法。
・飲み薬としては、インスリンを出させる薬や、糖の吸収を抑える薬、糖の合成を抑える薬、インスリンの効きをよくする薬などがある。
■糖尿病チェック表
・親族に糖尿病の人がいる。
・40歳以上である。
・すぐお腹がすいていくらでも食べられる。
・急に甘いものがほしくなる。
・よくのどが渇く。
・おしっこの回数が多い。
・疲れやすい。
・よく足がつる。
これらにひとつでも該当する人は、糖尿病を疑い、早めに検査をしましょう。
※ かかりつけの医師または専門医にご相談下さい。