テレビ愛知

放送内容

第一話 孤臣、再び 前編・後編 5月23日(月)・ 24日(火)放送

ある夜、海産物問屋『岩戸屋』の蔵に何者かが押し入り蔵番人を襲撃する事件が発生。北町奉行所同心・岩切伊十郎は、さっそく現場へ向った。目撃者によると、事件当夜、見張りの蔵番人は座敷で花札に興じる最中、謎の一団の押し入りに遭い殺害されたという。しかし、岩戸屋の主人は、盗みや殺しは無かったと言い張る。さらに、蔵内の品物を調べてみると、木箱の中は、藁が敷き詰められて、他には何もない。伊十郎は、平静を装う主人を不審に思う。

一方で、稼ぎ場を荒らされた徳松は、真相を探るためにも、刑部に『助っ人屋』の仕事を手伝ってほしいと訴えるが、きっぱりと断られてしまう。その夜、刑部は若い侍が襲撃されるのを目撃。すかさず助勢して窮地を救った。侍は、山科右京介と名乗り、襲撃される理由は分からないという…。さらに刑部は、右京介が吉松藩との縁戚と聞いて驚く。なんと吉松藩は、以前、自分が唯一の主と誓った菊姫の藩であったからだ。

第二話 大奥からの刺客 5月25日(水)放送

江戸市中では、“江戸源氏”とあだ名がついた美形の男児を狙う辻斬りが相次ぎ、人々は“源氏斬り”と呼び恐れていた。

ある日、刑部は「助っ人屋」の徳松から用心棒の依頼を持ちかけられる。依頼主は、醤油問屋の主人・鍵屋清右衛門で、“江戸源氏”と評判の息子・清吉の身を案じて用心棒を依頼してきたという。

しかし、いざ清吉に会ってみると、用心棒を断られてしまう…。刑部は事件の真相を探ってゆくと、北町奉行所同心の岩切から源氏斬りがかなりの手練であることと、キツネ面を被っていたことを聞く。刑部は、なぜ美形の男児ばかりを狙うのか、犯人の動機が気になり、さらに詳しく調べてみると…。

第三話 妻の武士道 5月26日(木)放送

刑部に、町医者・小寺良玄の命を狙う、浪人・中沢弥一兵衛を斬る依頼が入る。依頼主の良玄は、貧しい人を無償で診察することで名を売り、今では大名も通う江戸一の名医と称えられていた。ある時、老中・堀図書頭が奉公人を探していたことから、弥一兵衛の妻・琴枝を紹介したところ、堀と琴枝は密通して弥一兵衛はあっさり捨てられる事態に。2人を引き合わせた良玄は、弥一兵衛の恨みを買い、命を狙われているといういきさつだった。さっそく刑部は、弥一兵衛が住む長屋を訪れるが、突然襲撃に遭う…。

第四話 吉原悲恋 前編・後編 5月27日(金)・ 30日(月)放送

『助っ人屋』の徳松に、同時に2件の依頼が入った。ひとつは、金貸し・縁台屋長助の暗殺依頼、もうひとつは、西国有明藩・江戸次席家老山沢甚左衛門の暗殺依頼だった。依頼を不審に思った徳松は、それぞれの依頼人を調べたところ、縁台屋が山沢を、山沢が縁台屋の始末を依頼したことが判明する。

さらに、縁台屋は大名貸し専門で、先代が有明藩に三万両の金を貸していたが、期限が過ぎても返金されていないばかりか、三万両の貸し証文には山沢の裏書があった。徳松は、山沢が借り倒しを目論み依頼をしてきたと推測。一方、目論見を知った縁台屋が身を守るために依頼したと読んでいた。

ところが、依頼人らの素性を調べようとした矢先、縁台屋が黒い一団の襲撃に遭い、住み込みの女中手代が殺害される事件が起こる。幸い、縁台屋はカラクリ部屋に避難して命を落とさずにすんだ。さらに翌日、刑部は、山沢が黒い一団に襲撃されているのを目撃、助太刀して窮地を救った。刑部は、山沢の命の恩人として屋敷に招かれた。

さっそく、刑部は山沢に依頼の真意を問いただすが、依頼した覚えはないときっぱり否定される。そんな中、縁台屋が乗り込んできた。縁台屋は、昨晩の襲撃は山沢が仕組んだことと思い込み、怒り心頭であった。ところが、互いに依頼はしていないと言い張る始末。刑部は2人が嘘をついているとは思えず、疑念を抱く。

その後、縁台屋と山沢を襲撃した黒い一団は、闇法師の一味であることが判明する。さらに、縁台屋と山沢の始末を依頼した本当の人物は、有明藩江戸首席家老肘井四郎兵衛であることを掴む。肘井は、山沢の名前を借りて縁台屋から三万両の金を借りた張本人であったのだ。さらに調べを進めると驚愕の事実が浮上してきて…。

第五話 狙われた軍用金 前編・後編 5月31日(火)・ 6月1日(水)放送

徳松のもとに、献残屋・鳴海屋弥兵衛の始末依頼が舞い込む。依頼人は、弥兵衛の前妻・お依里だった。弥兵衛は、本名を山中半四郎といい、元赤穂浪士で討ち入りの密約にも加わった男だが、吉良上野介の居場所を探る密偵を受け、妻子を残して吉良邸出入りの鳴海屋へ奉公に出た。ところが、鳴海屋のひとり娘に惚れられて婿に納まったという。先日、その娘が病死したことから、お依里は夫の帰りを待っていたが、遂に帰らず依頼に踏み切ったというのだ。刑部は、敢えて斬らずに、半四郎に妻子のもとへ戻るよう、直談判することにした…。

すると半四郎は、無情にもお依里と離縁すると言い出す。刑部は、考え直すよう説得するが、結局追い返されてしまう。

翌日、刑部と徳松はお依里が住む長屋を訪ねた。しかし、家に親子の姿はなく、竹本屋庄之助と名乗る初老の男が居た。庄之助は、大阪の海産問屋の隠居で、赤穂義士の話が好きで義士ゆかりの人々を訪ねまわっているという。数日前からお依里の元へ通い、半四郎について話を聞いていたが、2日前に長屋を訪れたところ、お依里と子どもの姿はなく部屋の状況からさらわれたというのだ。部屋には、鷹の羽の紋所がついた煙草入れが落ちていたという。2人をさらった人物の持ち物に違いなかった。

徳松は、お依里がさらわれた後に依頼が入ったことを不審に思い、庄之助に依頼人の風貌を確認。すると、別人であることが判明する。さらに、庄之助は“赤穂の隠し軍用金”の話を打ち明けてきた。徳松が軍用金に目がくらむ一方、刑部は、お依里たちを救い、半四郎に合わせるための行動を起こすが…。

第六話 闇の正体 6月2日(木)放送

ある夜、越前新村藩御用達の諸国廻船問屋・渡海屋が押し込みに遭い、蔵にあった8千両が盗まれる事件が起きた。ところが、事件の形跡は何一つ残されておらず、寝ずの番をしていた船頭もみな、行方不明なことが判明する。北町奉行所同心の岩切は、以前同じような事件があったことから、闇法師の一味の仕業と睨み、真相を掴もうとしていた。

一方、徳松に依頼が入る。新村藩江戸家老・酒井左京の依頼で、切腹の介錯人を務めてほしいという。切腹を命じられた者が名うての剣豪のため、凄腕の介錯人を頼みたいとのことだった。ところが、刑部は高額な報酬にもかかわらず、きっぱり断ってしまう…。

数日後、刑部が商う『叩かれ屋』の前をある一行が通りかかり、ひとりの武士が勝負を挑んできた。武士の腕前は確かであったが、刑部の腕前を試しただけで決着をつけずにいた。武士は、藤崎長十郎と名前を名乗るとその場を去っていった…。

翌日、長十郎の妹・おしまが刑部を訪ねてきた。おしまは、兄が切腹したことを告げに来たという。なんと、徳松に入った依頼は、長十郎の切腹を介錯することだったのだ。すると、おしまは、長十郎の身に起きた悲劇を話し始めた…。

第七話 抹殺指令 6月3日(金)放送

刑部は、北町奉行所同心の伊十郎に、闇の家業を疑われ始め、執拗に尾行されていた。

そんな折、刑部に新たな依頼が入る。依頼人は、『京呉服太物・烏丸屋』の主人・烏丸屋助清で、武家の隠居・吉岡半蔵を殺害してほしいという。半蔵は、元同心の肩書きを持つ人物だが、昨年京都から日本橋に出店して繁盛店になった烏丸屋に因縁をつけて、ゆすっているという。烏丸屋は町方に訴えるが、元同心の半蔵は上の者にも顔が利くことから、誰もまともに掛け合ってくれないという。刑部は、隠居生活を送る半蔵のもとへ足を運ぶことに。

その矢先、ひょんなことから半蔵本人と接触する。半蔵は、寺にいる身寄りのない幼子と交流を持つ優しい人であった。さらに、伊十郎の義父であることを知り、驚く。半蔵の人柄に触れた刑部は、ゆすりをする人物には思えず、依頼には裏があると読み調べ直すことに…。

すると、烏丸屋は元武士で江戸にいたことを掴む。その過去に、半蔵との因縁があると考えてさらに調べを進めると、伊十郎も巻き込む驚愕の事実を知るところとなり…。

最終話 明るい方へ 6月6日(月)放送

女郎のお染から仇討ちの依頼が入る。20年前、お染の父親で旧日田藩藩士・佐久間忠兵衛は、親友の貴志伝左衛門に殺害されたという。貴志は、忠兵衛殺害後、佐久間家の金を奪って逃走、行方知れずになっていた。家の主と金を奪われた一家は路頭に迷い、お染は女郎に身を落としていた。

ところが最近、江戸で貴志に似た男を目撃したという。驚くことに、その男は木戸番の嘉助だというのだ。貴志本人か見極める方法は、佐久間と斬りあった際にできた、左肩から二の腕にかけて傷があることだった。さっそく、刑部は嘉助を訪ねて真相を確かめることにした。

すると、嘉助はあっさり犯人であることを認め、自分を斬るよう告げる。刑部は、嘉助が親友殺害を後悔して日々供養していることを知り、彼の気持ちをお染に伝えることにした。しかし、目の前で父親を殺害されたお染の気持ちは変わらず、苦しんでいた…。

翌日、お染が何者かに殺害されて遺体で発見される。北町奉行所同心の伊十郎は、お染が血文字で刑部の名を残して死んだことから、真相を聞きにやってきた。一方、お染の死を知った刑部は、嘉助にだけお染の身の上を明かして会いに行くことを告げたことから、殺人は彼の仕業と睨み、行動を起こす…。

第一話 孤臣 前編・後編 5月10日(火)・ 11日(水)放送

浪人・松葉刑部(村上弘明)は、腕自慢の者に叩かせるという大道武芸「叩かれ屋」で生計を立てていた。ある日、刑部の前に、江戸の裏社会で「助っ人屋」を取り仕切る徳松(柄本明)という男が現れる。「助っ人屋」とは誰かが暗殺を企てた際に、腕の立つ“助っ人”を斡旋する業。

徳松は、刑部の腕を見込んで、ぜひ引き受けてほしい仕事があるという。刑部は、尋常な仕事ではないだけに一度は断るが、とりあえず話だけ聞くことに…。暗殺の依頼主は西国の大名家中で、家の跡継ぎに関わっている女(小林涼子)を斬ってほしいというものだった。ある事情から金を必要としていた形部は、あまり気乗りしないまま、とりあえず“刺客請負人”となることに。

夜。刑部が、女が身を潜めているという荒れ家に忍び込むと、ふいに威嚇の声を浴びせられる。振り向くと懐剣に手を掛けた若い女が立っている。対峙する二人。そこへ突然、別の刺客の襲撃が。しかし刑部の咄嗟の反撃で事なきを得る。聞けば、女の護衛は既に死に、今は独りきりだという。成り行きから刑部は、そのまま朝まで彼女を見守ることになる。

翌朝、荒れ家に徳松が訪れる。刑部は自分を信用せず、別の刺客を送ったことを問いただすが、徳松は何も知らないという。そればかりか、今回の依頼人の話は嘘だったと告げる。実は、刑部が斬ろうとしていた女は、吉松藩藩主・直方と正室阿里の娘・菊姫。どうやら今度の依頼は、吉松藩お家乗っ取りを企てた連中が、正統な後継者である菊姫を亡き者にしようと企んだようだった。また昨晩襲ってきたのは、依頼人が送った別の刺客“闇猫のお吉”(若村麻由美)一味。情け容赦ない仕事の“闇猫”は、すぐに次の刺客を送り込むだろうから、菊姫の命は最早、風前の灯にすぎない、ということだった。

そんな中、菊姫のもとに吉松藩江戸家老の安川喜左衛門(寺田農)が訪れる。刑部と対面した安川は、菊姫を守ってくれるよう頭を下げる。徳松はそんな刑部に、菊姫の護衛を引き受けるのは、仕官を望んでのことかと聞く。思わず激高する刑部。そして自らの辛い過去を話し始めた…。二年半前、刑部は出羽国・六郷藩に仕えていた。ところが主君が刑部の妻・ゆい(遠野凪子)を見初め、側室に差し出すよう命じた。上意に逆らえば、刑部や親類縁者に仕打ちがある。ゆいは仕方なく奥に上がった。しかし三日後、そのゆいが亡骸となって戻ってきた。城内で乱心したという。その上、刑部自身は謀反人に仕立てられた。そこで刑部は、武士を捨て、江戸へ出奔したのだった。そんな刑部が、菊姫を護り、“闇猫”の刺客や藩の陰謀に挑む。

第二話 赤穂遺臣 5月12日(木)放送

いつものように刑部(村上弘明)は、大道武芸「叩かれ屋」の商売をしていた。一回十文で腕自慢の相手をして、刑部の体をかすれば一朱、胴か面を取れば一分進ぜるというものだが、客の折助(岩須透)と勝負をしていた刑部は一本とられてしまう。刑部は約束通り一分渡すが面目を保つため、再度勝負することを提案し、勝てば一両進ぜるという。野次馬に乗せられた折助は挑戦を受けることに。いざ勝負をしようとしたその時、女が必死に誰かを呼び止める声が聞こえてきた。声のする方へ目を向けると、町娘のおゆき(柳沢なな)が地廻りの半六(ドヰタイジ)に財布を返して欲しいと訴えていた。半六は身の潔白を証明するため着物を脱ぐが、彼の体から財布は出てこなかった。困惑するおゆきの元に半六の仲間がやってくる。そして、半六が裸になり濡れ衣を晴らした以上、おゆきも裸になって謝罪するように求めてきた。おゆきはにじり寄る男たちに囲まれて困り果ててしまう。すると、様子を見ていた刑部が仲裁に入る。地廻りの輩は刑部を威嚇するが、彼の刀が一閃するや地廻りの帯が落ち財布が出てきた。観念した男たちはその場から逃げるのだった。おゆきは助けてもらった礼をいい名前を訊ねるが、刑部は何も言わず去っていく。その後刑部は、折助の元に戻り勝負を再開しようとするが、地廻りとのやりとりを見ていた折助は、刑部の腕の立つのを目の当たりにしてその場から逃げていってしまう。

商売を終えた刑部が帰宅すると部屋の中に人の気配を感じ、警戒しながら入っていくと、相手は江戸の裏社会で刺客斡旋業を取り仕切る「助っ人屋」の徳松(柄本明)だった。刑部は大道武芸で生計を立てる一方、闇の稼業・刺客請負人の顔も持っていた。徳松は、仕事の依頼が入ったことを伝える。斬る相手は、元赤穂浪士家老で今は浪人の奥野将監(西岡德馬)だという。奥野は町娘を乱暴した挙句、殺害していた。話を聞いた刑部は、かつて武士だった者が罪を犯したことに疑問を感じていた。すると徳松は、大石と決裂して討ち入りに加わらなかった赤穂の残党が、世間から裏切り者や死に損ないと呼ばれていることを告げ、あてを失った浪人が惨めなことを伝える。刑部は依頼の手付けが5両、奥野を討った暁には50両の報酬を聞き入れ、依頼を受けることにする。

その夜刑部は、奥野家の様子を伺っていた。すると奥野家に覆面した数人の男が入っていくのを目撃する。家の中では、奥野と男たちが対峙しており、奥野に斬りかかろうとしていた。すると刑部は、助太刀して奥野を助け、覆面の男たちを追いやるのだった。一同が去るのを見届けた刑部は、女に呼び止められる。女は刑部が以前地廻りから助けた娘・おゆきで、奥野の娘だった。奥野は2度も窮地を救ってくれた礼を言う。そして覆面の男たちの正体を「天人教が遣わした刺客」だと言う。刑部は天人教に狙われている理由を聞き出そうとするが、奥野は話そうとはしなかった。するとおゆきは、父親を助けてほしいと訴えてくるのだが…。

第三話 かけ落ち指南 5月13日(金)放送

浪人・松葉刑部(村上弘明)が大道武芸『叩かれ屋』を商っていると、近くで喧嘩が始まった。野次馬に混じり刑部が様子を伺っていると、飴曲吹きの飴が通りかかった侍の袴にかかったという。侍は激昂しており、今にも斬りかかろうとしていた。すると2人の間に若い艶やかな女が仲裁に入ってきた。

女は、飴をかけられただけで人を斬ろうとする侍に皮肉たっぷりな言葉をぶつける。野次馬もやじを飛ばす中、居たたまれなくなった侍はその場から逃げていってしまう。女の行動を見ていた刑部は感心していた。そして、見物人の話から女が柳橋の芸者・初花(雛形あきこ)と知るのだった。刑部は商売を再開しようと踵を返す。すると、初花の後に眼光鋭い浪人が付いていることに気づき、奇妙な関係を不思議に感じていた。そんな刑部のもとに江戸の裏家業「助っ人屋」のお六(小沢真珠)が、刺客の仕事が入ったことを伝えにきた。

刑部は徳松(柄本明)のもとを訪れる。すると徳松は、南茅場町の木材問屋・形屋の九兵衛(平泉成)の依頼で柳橋の芸者・初花を斬って欲しいことを告げる。刑部は初花の名を聞いて驚く。初花は、先ほどの喧嘩の仲裁に入った女だった。

徳松に依頼してきた形屋の九兵衛には、一人息子の市太郎(大柴隼人)がいるという。その市太郎が芸者の初花を見初めて結婚したいと言い出した。ところが九兵衛は、市太郎と駿河の山持ち・山川屋惣兵衛(古橋皓二郎)の一人娘との縁談を進めていたのだ。形屋が一代で江戸有数の材木問屋にのし上がれたのは、山持ちの山川が切り出す材木を江戸で一手に任されたおかげだという。九兵衛は山川に恩義があり、商売を続けていくにはなんとしても縁談を破談にするわけにはいかなかった。そのためには、息子が惚れている初花を始末して諦めてもらうしかないという。しかし刑部は、初花に浪人が付いていたことが気になっていた。裏事情があると睨んだ刑部は、徳松に事情を探るように促す。武士の魂が捨てきれない刑部は、一度請け負った依頼でも、依頼先に「義」がないと判明すれば相手に寝返る男だった。それを知る徳松は、刺客としての刑部を甘いと見る一方で、面白く感じていた。徳松が事情を探るかわり、刑部は依頼を受けることに。

翌日、刑部は仕舞屋を訪れていた。すると二階の窓から三味線の音色が聞こえてくる。さらに、窓に向かって手鏡で合図を送る市太郎の姿を目撃する。ところが相変わらず三味線の音色はやまない。すると仕舞屋から浪人が現れ、市太郎のもとへやって来た。浪人は問答無用とばかりに市太郎に斬りかかる。

第四話 武士と人間の間 5月16日(月)放送

浪人・松葉刑部(村上弘明)が大道武芸『叩かれ屋』の商売をしていると、野次馬に混じり刑部の様子を探る六郷藩士・田宮彦九郎(正城慎太郎)と浪人たちの姿があった。彼らの存在を察知した刑部は、早々に店じまいをする。すると案の定、浪人たちが刑部のあとをつけてきた。刑部は彼らと斬りあいになるが、浪人を斬り捨てその場をあとにする。かつて六郷藩に仕えていた刑部は、忠誠を誓う主君に妻を側室として奪われた挙句、謀反人に仕立て上げられ命を狙われていたのだった…。

帰宅した刑部は、家に賭博札が一枚置かれていることに気づく。その札は裏家業「助っ人屋」の仕事が入ったことを告げるものだった。刑部は「助っ人屋」を取り仕切る徳松(柄本明)のもとへ向う。徳松は、急きょ厄介な依頼が入ったことを告げる。依頼主は公儀直参旗本・渋江武左衛門(布施博)で、妻のおこの(大河内奈々子)を護衛してほしいという。おこのは、ある大身の屋敷で女中として奉公していたが殿の手がついて側室となっていた。ところが正室を迎えた殿は、彼女を家来筋の旗本・渋江へ下げ渡したという。しかし殿はおこのの事が忘れられず、渋江に下げ渡した後もたびたび彼の自宅を訪れては逢瀬を繰り返し、仕舞いには子どもができたというのだった。

徳松の話を聞いた「助っ人屋」の一同は、部下の妻になった今も夫のいる家で逢瀬を繰り返す殿に絶句してしまう。さらに、殿にはもうひとり側室がおり子どもがいるが、おこのを寵愛するあまり彼女が産んだ子どもが男子であれば世継ぎに考えているという。その事を知った側室側がおこのと子どもを始末しようとしているというのだ。世継ぎ問題に巻き込まれたせいで渋江は何度も刺客に襲われており、もはや自分の力では妻子を守りきれないため、護衛の依頼を入れてきたというのだった。すると、お六(小沢真珠)は生まれてくる子どもは殿か渋江のどちらの子どもか分からないのではと問う。すると徳松は、渋江がおこのに指一本触れていない事実を告げるのだった。話を聞いた刑部は、手付け3両を受け取り、さっそく渋江邸を訪れるのだが…。

第五話 死神の町 5月17日(火)放送

刑部(村上弘明)は越中島を訪れていた。「助っ人屋」の徳松(柄本明)から、越中島の名主「佃煮・平野屋」主人・平野屋権右衛門(鶴田忍)の用心棒の依頼を受けたのだ。徳松の話によると、かつて渡りの火消し人足が仕事にあぶれ、行き場を失くした若い無頼集団の一部が越中島に流れ込んでいるという。彼らは臥煙崩れと呼ばれ、その数は五百人とも千人とも言われており、数を強みにたかりや殺人を犯していた。そんな臥煙崩れの悪行に耐えかねた権右衛門が用心棒を回してほしいと依頼してきたのだった。ところが、そんな状況下では依頼主の商売は上手くいかず5両しか出せないという。徳松は、命知らずの臥煙崩れ相手にしては算盤が合わないため、依頼を断ってもいいと刑部に話していた。

とりあえず刑部は、事情を伺うため「佃煮・平野屋」を訪れる。彼を迎えた主人の権右衛門は、臥煙崩れで溢れた町を救って欲しいと訴える。ところが刑部は、依頼を受けるのは事情を聞いてからと告げる。すると権右衛門は臥煙崩れの事を語り始めた…。越中島に流れ込んだ臥煙崩れは、自分たちを“死神”と呼び、死神は臥煙崩れの中でも一大勢力で彼らを率いる頭は一突き吉蔵(海東健)という匕首の達人であった。さらに、彼らの目的は住人を追い出して町を乗っ取ることだと話す。すでに彼らの脅しや嫌がらせが原因で町を出る者があとを絶たずにいた。

2人が話をしていると「平野屋」手代の与茂七(正名僕蔵)が慌ててやってくる。死神たちが権右衛門のひとり娘・お蝶(木内晶子)をさらったというのだ。権右衛門は、以前からお蝶が死神から町を守ろうと人々の説得に当たっていたことを話す。そんな説得をするため、長屋の連中を訪ねた帰りにさらわれてしまったのだった。話を聞いた刑部は、用心棒を引き受けると言い残しお蝶の行方を追って飛び出していく。

一方、お蝶をさらった死神たちは空き家で酒盛りをしていた。そこへ刑部と権右衛門、与茂七が乗り込んでいく。すると死神たちは、待っていたとばかりに刑部たちを襲撃。刑部は彼らの若さに躊躇するものの、次々に倒していく。すると、襲撃を制する声が聞こえてきた。その声の主は、死神の頭・一突き吉蔵だった。すると吉蔵は「このツケをきっちり払ってもらう」と言い残しその場を去ってしまう…。

第六話 嫉妬の果て 5月18日(水)放送

刑部(村上弘明)に西国大名新名藩家老、江戸留守居役・遠山内膳(隆大介)に奉公していた腰元・のえ(星野真里)を斬る依頼が入る。 『助っ人屋』の徳松(柄本明)の話によると、のえは内膳と恋仲になっており、そのことが内膳の妻・さき(桐川嘉奈子)に知られて仲を引き裂かれたという。すると、逆恨みをしたのえは、遠山が留守の夜にさきを殺害して屋敷から逐電したというのだった。万が一、このことが国許の殿の耳に入れば、内膳は切腹をすることになり、家は取り潰しにあうという。表沙汰にできない状況にある内膳は、のえ暗殺を企てているといういきさつだった。

ところが、話を聞いた刑部は女は斬らないことから依頼を断ってしまう。すると徳松は、のえには、天下無双と評判を得た凄腕の剣客・和久半大夫(山崎銀之丞)が付いていることを告げる。そのため、遠山が放った刺客はことごとく返り討ちにあっているという。のえは、和久半大夫の妹だったのだ。徳松は、半大夫と互角に立ち合える者は刑部以外にいないとおだて、手付けに10両、のえを討った暁には20両を差し出すといい、依頼を受けるように促す。

しかし刑部は、のえが最初から家老と腰元の身分違いの恋だと分かっているにもかかわらず、妻を逆恨みして殺害したことが腑に落ちずにいた。すると、徳松配下で働く『目浚え屋』のお六(小沢真珠)は「本気で男に惚れたら身分の違いは見えなくなる。それが女だ」と言い放つ。徳松と刑部は、いつにも増して凄みのあるお六の言葉に圧倒されるのだった。翌日、お六からのえの居場所を聞いた刑部は、彼女が身を隠す徳右衛門町にある長屋を訪れ様子を伺うのだが…。

第七話 密命 刑部抹殺 5月19日(木)放送

刑部(村上弘明)は、大道武芸『叩かれ屋』を開く場所を求めて両国広小路へやってきた。すると、既に店を構えていた『目浚え屋』のお六(小沢真珠)が少女と一緒にいるのを目撃する。お六に少女の事を問うと、彼女と同じ長屋に住んでいるおみつ(西本利久)だという。おみつはお六を師匠と慕い、こより作りに励んでいた。刑部はそんな二人を微笑ましく見守るのだった。

そんな中、瓦版売りが昨夜発生した辻斬りの口上を始めた。最近江戸では、辻斬りが多発しており、被害に遭うのは浪人者や地廻り、凶状待ちに夜鷹で、堅気や商人には目もくれないという。金は取られておらず、辻斬りの目的が掴めずにいた。刑部は『助っ人屋』の徳松(柄本明)のもとを訪れていた。刑部に辻斬りを始末する依頼が入ったのだ。依頼を受ければ、手付100両、仕事を果たした暁にはさらに100両の大仕事だという。刑部は、辻斬り始末に200両もの大金を出す依頼主を問う。すると徳松は、出羽国・六郷藩が刑部を名指しで依頼してきたことを告げる。話を聞いた刑部は、怒りを露にする。かつて六郷藩に仕えていた刑部は、主君に妻を側室として奪われた挙句、謀反人に仕立てられて脱藩していたのだ。そんな刑部の事情を知る徳松も、嫌な予感がするため気乗りしないのなら依頼を断るという。ところが刑部は、自分を名指しならば受けると言い放つのだった。

翌日、刑部は辻斬りにあったものの、一命を取り留めた浪人・妹尾主馬(ベンガル)の家を訪れた。妹尾は辻斬りで重傷を負った体をかばいながら刑部を迎え入れる。そして妹尾は、襲われた時の様子を語り始めた。辻斬りの太刀筋は、家康と秀忠の剣術指南を勤めたという小野派一刀流だと話す。まず覆面した凄腕の3人が一斉に斬りかかり、抵抗できなくなると4人目がとどめを刺す方法だったという。さらに3人は、4人目の者を「若君」と呼んでいたことから、武家の者が辻斬りをしていると悟っていた。刑部は、武家が辻斬りする真意が分からずにいた。すると妹尾は、ただ人を斬りたいだけに感じたという。刑部は、夜毎市中を徘徊して様子を見ることに。ところがある日、またもや辻斬りが発生してしまう。なんと犠牲になったのは夜鷹で生計を立てていたおみつの母親だった。

最終話 死闘 最後の刺客 5月20日(金)放送

ある夜、浪人・松葉形部(村上弘明)は、六郷藩藩士・田宮彦九郎(正城慎太郎)に追われていた。六郷藩を脱藩した刑部は、謀反人に仕立てられ命を狙われていたのだ。つい最近、刑部の竹馬の友であった葛又五郎(永島敏行)も暗殺の密命を請けて彼と斬りあいになり命を落としていた。そんな又五郎の役目を引き継いだ田宮もまた、刑部の命を狙っていたのだ。しかし刑部は、無駄な殺生はせず追っ手の田宮を撒いてその場をやり過ごす。

後日、刑部は寺の山門で雨宿りをしていた。するとそこへ『目浚い屋』のお六(小沢真珠)がやってきて、ここへ来る途中、殺害された侍を目撃したことを話す。お六の話から、侍は刑部暗殺の密命を請けていた田宮と知るのだった…。

その頃、六郷藩上屋敷では六郷藩江戸家老・阿部頼母(小野寺昭)が、六郷藩組目付・片桐源左衛門(勝部演之)を呼び出していた。阿部は、立て続けに死亡した又五郎と田宮が下屋敷に長逗留していた事を問う。すると源佐衛門は、二年前に藩を脱藩した刑部を討つ密命を帯びていたと話す。ところが阿部は、たった一人の脱藩者を討つのに密命があったうえ、江戸表に連絡がなかったことが腑に落ちずにいた。すると阿部は、国家老と江戸表では藩政で時折意見の相違があることを明かし、その件で藩士たちが江戸藩邸の動きを探りに来たとにらんでいたのだった。

そんな中、刑部のもとに子どもがやってきて、自分についてきて欲しいという。しかし商売中の刑部は、その場から離れられないことを伝えるが、刑部を呼んでいる者がいるというのだ。刑部は不審に思いながらも子どもの後をついていくことに。すると、川に連れてこられた刑部は、係留されていた屋根舟の中から名前を呼ばれ舟に乗るように促される。刑部が相手の素性を問うと、声の主は六郷藩江戸家老・阿部頼母だと名乗るのだった。六郷藩と聞いた刑部は、思わず身構えるが阿部は捕らえるために呼び出したのではないという。

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