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2016.08

映画「君の名は。」インタビュー③

――映画の中でこだわったところはどんなところですか?
【新海監督】
個々の部分はそれぞれ、神木くんは瀧にこだわって頂いてるし、
萌音ちゃんには三葉にこだわってもらっているし、
それぞれのスタッフアニメーターは芝居にこだわっているし、
背景美術は背景にこだわっていて、RADWIMPSさんは音楽じゃないですか。
僕は、その全体を見ることにこだわったんですよね。
107分間という時間軸があるんですけど、
その中でどうやってお客さんの感情を乗せてもらえるか。
今は悲しんでもらいたい、今はすこし混乱してもらいたい、
今理解が追いついた、わかったって思ってもらいたい、
107分間を飽きさせずに楽しい!って思い続けてもらうために
皆さんにいただいたものをどうやって配置していこうか、
そういった「全体」をコントロールするのが僕の仕事なんだと思います。

 

――今まででもそういった総監督をしてこられたと思いますが、特にこの作品ならではのこだわった部分というのは?

【新海監督】
一番大きな違いは、やっぱりRADWIMPSの音楽との関わり方だと思います。
出来上がった映像に曲をつけていただくのではなくて、
まず書きあがった最初の脚本を読んでいただいて、
フロントマンの洋次郎さんに頂いた曲を聴いて。
この曲があるんだったらこういう風にしたい、
こういう風にしたいんだったら音楽をもう少しこうしてほしい、
それはできる、いやこの方がいい、みたいなやりとりを、
ひたすら1年半続けて、ときにはこう、喧嘩したりしながらずっと続けてきたので、
こういう作り方をしたアニメーションは初めてで、
アニメーションを音楽との新しい関わり方が
今回の映画でできたんじゃないかなと思います。
そこは多分、すごく新しい挑戦でしたね。

 

続く☆

 

映画「君の名は。」インタビュー①

映画「君の名は。」インタビュー②

宇野 名都美 @ 2016年8月30日 16:11

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