FEAUTURE特 集

小さな驚きカンパニー

魚群探知の超音波を医療に

17.05.18

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超音波を使った
魚群探知機のメーカーが今、
その技術を医療の分野に
役立てようと開発を進めています。

田原市の沖合で今、
最盛期を迎えているのがシラス漁です。

そのシラスの群れを探すのに
活躍するのがこちら。

魚群探知機。

小さなシラスの群れだけを探せる優れもので、
その名もシラスセレクター。

開発したのは、豊橋市の会社でした。

その会社とは豊橋市の機械メーカー「本多電子」。

「こんにちは。」
(岡田アナウンサー)

社長の本多洋介さんは、
超音波技術の研究者でもあります。

魚群探知機は、
船底に取り付けた発信機から超音波を出し、
海中の魚の群れを探す装置です。

ではなぜ魚のなかでシラスだけを
見つけられるのでしょうか?

「超音波というのは周波数があるんです、
波ですね。その周波数によって
映る魚と映りにくい魚があるんです」
(本多電子 本多洋介社長)

周波数が低いと波長の幅が広くて、
小さな魚を感知しづらいのですが
波長が狭い高周波なら、
小さな魚も感知できるんです。

2つの波長の超音波を
組み合わせることで
感知した魚をふるいにかけ、
小さなシラスの群れを
特定することができるんです。

本当にシラスの群れを見つけられるのか?
漁に同行しました。

漁師が覗いているのはシラスセレクター。

しばらくすると、モニターに変化がありました。

「これがシラスの群れ」
(漁師)

一番左が低周波、右が高周波の超音波画像。

右の画面の海面すれすれのところに固まりが!
シラスの群れでしょうか?

さらに船を走らせると・・・

モニターが真っ赤に!

いました。シラスの群れです。

この日も大漁!
シラスセレクターを開発した本多電子は、
小型の魚群探知機で世界一のシェアを誇っています。

「やっぱりシラス漁では
魚群探知機なしでは
とても商売にはならない
なくてはならないです」
(漁師)

「シラスセレクターを使った
漁師さんの水揚げが急に多くなって、
評判になったと聞いています」。
(本多電子 本多洋介社長)

超音波を利用した製品は魚群探知機にとどまりません。

現在、特に力を入れているのが医療分野。

こちらもそのうちの1つ。

付属のスキャナーを肌にあてると、
体内の血管の位置が正確にわかるのですが・・・

驚きCG

「脈打ってますよ」
(岡田アナウンサー)

横からの断面だけでなく、
前から見た輪切りの映像も
同時に映し出せるのが最大の特徴です。

この装置、
もともとは看護士の注射や採血の
訓練用に開発されました。

実験用のダミーで試してみました。
 
前からも横からも同時に位置が確認できるので、
血管の真ん中に針がさせるというのですが...

はいった!

本多社長によりますと、
動脈に管を通すカテーテルを使った手術や、
血栓の確認などにも活用されているということです。

「医療の最先端につながるような技術を、
これからも積極的に進めていきたい。
超音波技術に関しては本多電子だと、
世界ブランド確立を目指しています」
(本多電子 本多洋介社長)

現在開発中の製品のひとつに
超音波顕微鏡があります。

こちらがその画像で、
細胞の固さの違いを
色の違いで示しています。

超音波は反射の仕方で
対象の固さがわかるので
動脈硬化などの診断に
応用できればと
本多社長は話しています。


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