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ニュースWHY?

ニュースWhy?カワウ被害増加のワケ

17.06.02

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まずは気になるニュースの
なぜに迫る「ニュースWHY?」からです。

増加するカワウ被害、
そのなぜ?を取材しました。

シーズンが始まった鵜飼で、愛嬌たっぷりに観光客を
楽しませる"ウ"はウミウという種類。

一方、同じウの仲間でも、
"カワウ"という鳥が、
今、岐阜県でとんでもない
お尋ね者になっています。

なぜ、カワウ被害は増えているのでしょうか。

カワウは、その名の通り、川にすむ「ウ」の仲間。
体長は約80センチ。

ついた異名は黒いギャング。

岐阜県内で去年7月に確認されたカワウの数は、
2000羽を超えた。
5年前に比べると実に2倍だ。

特に、この時期、最も多くやってくる。

この時期、岐阜県では、定期的にアユを放流している。
放流するのは、7、8センチほどに育った稚アユ。

栽培漁業の一環として、毎年行っている。

現れたのはカワウ。アユはカワウの大好物なのだ。

岐阜県によると、カワウによる漁業被害の9割がアユで、
その被害金額はカワウの増加とともに年々拡大、
3550万円に達した。

「本当に(アユが)減っちゃうので、
なんとかしてほしいなと思うのが本音。」
(長良川漁協 上田一二さん)

大人のアユに比べ動きが鈍い稚アユは狙われやすく、
放流した300キロがほぼすべて
カワウに食べつくされたこともあるという。

なぜ、被害は減らないのか。

長良川漁協は、ロケット花火などを使って
カワウを追い払おうとしているが・・・

「イタチごっこや。次から次へと難しい。
ウを減らすというのは。本当に追い払うだけで」
(長良川漁協 安藤淳二さん)

カワウの集団繁殖地、"コロニー"は、
数年前から海津市の千本松原にも広がっている。

国の史跡にも指定された名所だ。

貴重な松の枝には、白いカワウの糞が・・・
糞には、リン酸が多く含まれ、
松が枯れてしまうことが心配されている。

岐阜県は、長年、"害鳥"カワウを減らすため、
猟銃を使った駆除を行ってきた。

使われてきたのは散弾銃。
音が大きいため、外すと、
音に驚いたカワウが拡散してしまい、
かえって、生息場所を広げてしまったのだという。

「現状の駆除ではなかなか
有効に減っていかない」
(岐阜県鳥獣害対策室 石田章一係長)

どうしたら、カワウ被害を食い止められるのか。

岐阜県は今年度、前の年の約3倍となる2930万円の
予算をカワウ対策に計上。

新たな作戦を実行に移した。

シャープシューティングという、
高性能のエアライフルを使った駆除作戦だ。

発砲音が小さく、カワウを拡散させることなく、
しとめることができるという。

委託されたのは、全国でカワウ駆除を行うプロ集団
この日は7時間で約100羽を撃退。

胃の内容物などを調べ、今後の駆除計画に役立てるそうだ。

「カワウはきちんと計画的に、
取るべきものを取って、
取る必要のある数を取っていけば
だんだん減ってくる。」
(シャープシューティングを委託された 須藤明子さん)

シャープシューティングは、
禁猟区でも使えるということで、
岐阜県は、
2023年までにカワウを半減させる方針です。


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