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特集 WHY?なぜ金の密輸は防げないのか?

17.06.16

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気になるニュースに迫る
「ニュースWHY?」

このところ、世間を賑わす金の密輸事件は
なぜ防げないのでしょうか?

先日、初の逮捕者が出た
中部国際空港の入国審査に密着しました。

「大量の金地密輸事件の摘発について発表させていただきます」
(税関)

6月、中部国際空港で金を密輸入した容疑で初めての逮捕者が出た。

韓国人の主婦5人が、金の延べ棒30キロ、
約1億3000万円相当を無許可で持ちこみ、
1000万円余りの消費税を免れようとした疑いだ。

国内で発覚し処分された金の密輸事件は、
2014年度から急増、
2015年度は294件に達し、脱税額は6億円を超えた。

激増したのは、2014年4月に消費税が8%に上がった事が背景にある。

なぜ、金の密輸は防げないのか?

税関によると、2015年度の1年間で、
最も多かったのが、香港から持ち込まれたケースだ。

香港は、金を購入するときに税金がかからない。

例えば、香港で100万円の金を購入し日本で売った場合、
日本の貴金属店は消費税8%分を上乗せした価格で買い取るため、
8%分の8万円が儲けとなる。

しかし、お隣・韓国での消費税率は日本より高い10%だ。

なのに、今、日本が狙われているのはなぜなのか?

「(日本の場合)罰金を払っていただいて、
金塊にかかる消費税を払っていただければ、
実際に(密輸しようとした)物は所有者に還付する」
(名古屋税関 中部国際空港税関支署 谷本勇王統括監視官)

韓国では、見つかった時点で金は没収されるため
没収されない日本は密輸犯にとって
「リスクが少ない」のだという。

金の密輸が増えるとその分、日本から消費税が消えることにつながる。

密輸を阻むには、税関の入国審査で見つけ出すしかない。

今回我々は、
初めて逮捕者がでた中部国際空港の入国審査を点検してみた。

ポイントとなるのは2箇所、まずは、手荷物の受け取り場だ。

目に飛び込んできたのは、犬。麻薬探知犬だ。

麻薬や日本に持ち込めない植物などの検査をしていた。

しかし、金の有無を調べる金属探知機は見当たらない。

金を持ちこむこと自体は違法ではないため、不審者を監視するだけだ。

「もの(金塊)が我々見えているわけではないので、
お客さんの表情であったりスーツケースであったり、
外見上でしか見て取れない。その辺がなかなか難しい」
(名古屋税関 中部国際空港税関支署 谷本勇王統括監視官)

もうひとつのポイントが、税関審査。

入国者は全員、必ず通過しなければならない場所だ。

15人ほどの税関職員が並び、パスポートを確認。

持ち込んではいけないものがないか、最終チェックをする。

「今回は仕事で?」
「はい。そうですね。」
「どれくらい滞在されましたか?」
「2泊3日です。」
「荷物は全部そろっていますか?」
「はいそろっています。」

声かけも重要だという。

不審と判断した場合、手荷物検査や身体検査を行う。

今回逮捕された韓国人の主婦も、ここで見つかった。

「かなり顔が細い女性だったが、体の腹まわりが少し
着膨れしている状況が確認できた。
そこを不審に思って重点に検査したところ
金塊の摘発に至った。」
(名古屋税関 中部国際空港税関支署 谷本勇王統括監視官)

取材をしてみて、金に絞った取り締まりは
特段行われていないことが分かった。

本来、持ちこむことは違法ではないため
体制が手薄だったところを狙った悪質な犯罪なのだ。

今回の逮捕を受け、税関は取り締まりを強化している。

「旅客の氏名、国籍、渡航(経路)、出発国の情報は
便が到着する前にエアラインから報告いただいています。
そういった情報を分析しながら、検査対象を
絞り込むことをしています。」

税関によると、検挙されたのは氷山の一角で、
2015年度の実際の脱税額は、60億円は下らないといいます。

消費税が10%になると
密輸はさらに増えることが予想され、
早急な対策が求められています。