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29連勝 藤井四段の強さの秘密

17.06.30

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地元・瀬戸市出身の
中学生棋士・藤井四段が
先日、前人未到の
29連勝を成し遂げました。

なぜ、これほどまで強いのでしょうか?

将棋の史上最年少棋士、
藤井聡太四段、14歳。

2016年12月のデビューから
負けなしの快進撃を続け、
ついに、新記録となる
「公式戦29連勝」を達成した。

30年ぶりに成し遂げられた、
まさに偉業だ。

「29連勝は想像もできなかったことで、
喜びと共に非常に驚いております。」
(藤井聡太四段)

藤井四段の活躍に、日本中から祝福の声が・・・

「若い力が新しい歴史を作りましたね。
日本人に夢や希望を
与えてくれる勝利だったと思います。」
(安倍晋三内閣総理大臣)

号外~、号外~

「頭の中がどうなってるんだろうと。
非常に彼の将来が楽しみですね。」
(街頭IV)

将棋界では、5月、
AI=人工知能が名人を
破ったことも話題になったが、
藤井四段は"そのAIにも勝てるのでは"と
期待の声が上がるほどだ。

「(藤井四段は)デジタルネイティブ世代」
(同志社大学 村上正俊講師)

【WHY】最年少棋士・藤井四段は、なぜ強いのか?

藤井四段の地元・瀬戸市では、
この日、ファンの集いが開かれた。

集まった人の中には、
藤井四段が子どものころに通っていた
将棋教室の文本力雄(ふみもとりきお)氏の姿も。

愛弟子の強さの秘密を聞いてみた。

「ものすごい負けず嫌い。中にマグマを、
 燃えるもの、マグマを持っていましたね。
 将棋で負けると必ず泣きました。」
(ふみもと子供将棋教室 主宰 文本力雄氏)

一方、藤井四段が通っていた
瀬戸市立效範(こうはん)小学校。

小学5年生時代の担任・坂田教諭は、
藤井四段のこんなエピソードを披露した。

「自分はこういうやり方が
いいと思いますというだけではなくて、
"資料のここに、こんな風に書いてあるので、
これが証拠で、これを元に考えると
こっちの方が良い"という
論理付けのある意見がしっかり言えていた」
(小学5年生の時の担任 坂田実教諭)

数学が得意だったという藤井四段。
しかし、負けずぎらいで
論理的な思考を持つ若者は他にもいる。

将棋が強くなったのは、なぜなのか?
最近の将棋事情に詳しい
同志社大学の講師、村上政俊さんは、
藤井四段の将棋の特長は、
「仕掛けの早さ」だと指摘する。

「藤井四段は、最初に先に
非常に早い段階で戦端を開いて、
しかも攻めを継続させる。
AIの影響っていうか、
AIの哲学、主導権を握る。
桂馬の使い方に特徴がある。」
(同志社大学 村上正俊講師)

藤井四段には、AIを搭載した
「将棋ソフト」の影響がみられると
村上さんは分析する。

三手で相手の陣内に
飛び込める「桂馬」という駒を
序盤から積極的に繰り出し、
勝ちきる将棋だ。

「人間は王将を攻撃されることに
心理的な圧迫がある。
まずは王将をしっかり囲いましょうと。
そうしないと王将が取られますよ、
取られたら大変ですよねと教えられて、
お互いに王将をしっかり囲った上で
歩兵がぶつかって戦いが始まる」
(同志社大学 村上正俊講師)

"王将を取られたら終わり"
という将棋で、これまでは、まず、
王将をしっかり囲って守った上で
攻めに転じるのが定跡(じょうせき)だった。

しかし、AIは、恐怖心がないため、
守りは最小限で攻めるのが特徴で、
藤井四段はこれをうまく自分の中に吸収し、
昇華させているという。

「(藤井四段が)なぜできたかというと、
AIに対する偏見がなくて、
生まれた時からスマホもあって、
ネットもあってパソコンもある
という世代の人なので、
自然とAIの良いところは取り入れた上で
自分の将棋というのを作れる」
(同志社大学 村上正俊講師)

藤井四段は、7月2日に、
30連勝のかかった対極に臨みます。


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