FEAUTURE特 集
旬撮24時
忘れ物取扱所に訪れる人たちの事情とは...
17.07.27
名古屋・栄の地下街にあるのが「忘れ物取扱所」。
倉庫の中には、びっくりするものも・・
持ち主のもとへもどるのか、取扱所をウオッチング!
朝9時。
忘れ物取扱所の一日が始まります。
この日、シャッターが開くのを
待っていたかのように現れたこの男性。
一体何を忘れたんでしょう?
「車の鍵です。
問い合わせしたらあったので引き取りに来た」(男性)
身分証を提示し、無事受け取りました。
鍵を地下鉄の車内に落としたのは二日前。
前日は、車の鍵がなくて不便な思いをしたので、
朝一番に駆けつけました。
昼前になると、前日の忘れ物が届きます。
この日新たに届けられたのは、
子供用サンダルやタオル、金属バットなど。
全路線の地下鉄や駅、市バスで忘れたもの全てが
ここに集約されるんです。
路線や利用者数の増加に伴い、忘れ物の件数も
大幅に増えていて、その数、17万9千件。
倉庫の中には衣服など日用品が多く保管されていました。
この季節は扇子も多いみたい。
「入れ歯や受験票があります。どうされたんでしょうね。
封書とか、結構大切なものがたくさん届いております」
(名古屋市交通局お忘れ物取扱所・佐藤ひふみさん)
中でも傘は1日で600本届く日もあるそうです。
この日一番の笑顔をみせたのは、こちらの男性...
「これ思い出があるの。
15年くらい前にね買ってもらって...ある人に...」(男性)
手には傘がもう1本。どっちを使うのかな...
昼過ぎ。
こちらの女性は一週間前の忘れ物を
探しにきたそうです。見つかりますかねー?
「たぶんないだろうと思いつつ
念のため確認にきたんですが、
お買い物したものを荷物が多かったので網棚にのせた」(女性)
買った商品を網棚にのせたまま
電車を下りてしまったとか。
その日のうちに駅に問い合わせても見つからず、
半ば諦めの気持ちで訪れた、そのとき!
「ありました!ウソみたい」(女性)
買った商品は袋に入ったまま、
すべて手元に戻ってきました。
一方、こちらの学生さん。何を忘れたの?
「財布です」(高校生)
財布が戻ってきてうれしそう。
ただ、中身が抜き取られていないか
心配だったそうですが・・
「全額戻ってきました」(高校生)
その金額は...
「全財産11円。よかったです」(高校生)
この取扱所は、5年前に市役所西庁舎から栄に移転し、
営業時間を拡大。
年々返却率が伸びているそうです。
「栄駅というのがお客さまにとって利便性が高いのと、
1箇所に集約することで、届いているもの全てから
現物確認がすることが可能なので、
より多くの返還につながっていると思います」
(名古屋市交通局営業課 安江嗣郎主事)
この取扱所での忘れ物の保管期限は3カ月。
持ち主が現れなかった物は
売却、または廃棄処分になるそうです。