FEAUTURE特 集
小さな驚きカンパニー
超精密!日本一の"削り技"
17.08.17
プラスチックなどの精密加工で
3年連続日本一に輝く会社が
小牧市にありました。
ミクロの世界の「削りの技」をご覧ください。
この折鶴の正体とは?
実は鉛筆の芯。
こうした精密加工の技術で3年連続日本一に
輝いている会社が小牧市にあった。
小牧市にある「野田プラスチック精工」
「こんにちは!」
(岡田愛マリーアナウンサー)
出迎えたのは、野田浩輝(のだひろき)社長だ。
工場の中を覗くと...
機械で何やら削っている様子。
「今ここで削っているのは
アクリルのブロック材。」
(野田プラスチック精工 野田浩輝社長)
「はい」
(岡田愛マリーアナウンサー)
作るのは自動車部品などの試作品。
設計上問題がないか見るために、
透明でないといけないのだが...
「普通の刃物(工具)で削ってしまうと、
アクリルは白くなってしまうんです。」
(野田プラスチック精工 野田浩輝社長)
「確かに」
(岡田愛マリーアナウンサー)
ところがこの工場で削ったアクリルを見ると...
「わぁ~キレイ!」
(岡田愛マリーアナウンサー)
まるでガラスの様な透明度。
この違いはどこにあるのか?
断面を顕微鏡で見てみると・・・
通常の加工では、表面に凸凹が。
工具が高速回転することによって生まれる摩擦熱が原因だ。
一方、この会社で加工したアクリルには凹凸がない。
「うちが一番気にしているのは刃物(工具)なんです。
通常は、スパイラルになっている刃物(工具)を使うんですが、
これじゃなくて、独自で開発している刃物(工具)です。
ダイヤモンドになります。」
(野田プラスチック精工 野田浩輝社長)
工具の先端に付いているのは、工業用のダイヤモンド。
ダイヤモンドは熱伝導率が高く、工具自体が熱を帯びにくい。
このため、工具の刃をダイヤモンドにすることで
熱によるダメージが小さくなり、
アクリルの透明度を維持することが出来るのだ。
この会社が特注している工具の中には、こんなものもある。
刃がついている部分の直径は、なんと0.025ミリ。
この工具を使うと、例えばこんな加工が可能になる。
直径2ミリの鉛筆の芯を削って作った折鶴だ。
こうした技術が認められ、野田プラスチック精工は、
全国の町工場が集まって加工技術を競い合う
コンテストで3年連続日本一に輝いた。
そして、4連覇を狙う作品がこちら!
「うすいし細かい!!」
(岡田愛マリーアナウンサー)
作っているのは植物の葉脈をかたどった作品。
葉脈の太さは0.15ミリ。
これを厚さ1センチのアクリル板から削りだすというのだ。
こうした難しい加工への挑戦が
若い技術者のスキルアップにつながっている。
「自分が作りたい物を作らせてもらえる。
この会社のすごくよい所。」
(野田プラスチック精工社員 中島正幸さん)
会社では今、新工場の建設を進めている。
まるでショウルームのような建物の入り口には
「チャレンジスピリット」の文字。
若い技術者のアイデアや技術を磨くことが
会社の成長につながると野田社長は考えている。
「若い人たちのアイデアというのが
今までの成長の根源だったと思うんです
若い人をいかにうちの会社に来てもらうか、
というところが一番重要かと思ってます。」
(野田プラスチック精工 野田浩輝社長)
精密な加工を
手作業で行う職人はいますが、
これを大きな工作機械で量産できる
という技術には驚きました。
今後は硬いものから軟らかいものまで
何でも加工できる会社を目指すそうです。