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緊迫 北朝鮮 ミサイル発射情報 周知に課題も
17.09.08
8月29日、北朝鮮によるミサイル発射を受け、
政府はJアラートを作動させました。
しかし、対象地域の一部では
その情報が住民に届かず
不安の声が上がっています。
いざというときの
情報伝達に問題は?
愛知県の現状を取材しました。
何の予告もなく突然、弾道ミサイルを発射した北朝鮮。
ミサイルは北海道を飛び越え、太平洋に落下した。
ミサイルが日本に飛来する恐れがある場合、
政府はJアラートを作動させ、
その情報を国民に伝える。
しかし・・・
「Jアラートの内容を伝える
同報系の無線については、整備をしていない」
(小牧市危機管理課)
ミサイル発射を視察する金正恩(キムジョンウン)委員長。
そばにあるパソコンには、日本の地図が・・・
金委員長からはこんな発言もあったという。
「今後も太平洋を目標にして発射訓練を多く行う」
緊張は高まる一方。
ミサイルが日本に飛来する恐れがある場合、
その情報はどうやって国民に伝わるのか?
政府は、Jアラートシステムを作動させて、
自治体や携帯電話会社に情報を送る。
それを受けた自治体は防災行政無線を自動的に起動させ、
地域に設置したスピーカーなどで、
住民に情報を伝えることとなる。
ところが、北海道では防災行政無線がない地域もあり、
携帯電話を持っているか、
テレビやラジオがついていないと情報を
得られなかったことに不安の声が上がっているという。
愛知県の場合はどうか?
消防庁によると、今年5月の時点で、県内16の市と町で、
防災行政無線が整備されていないという。
台風や地震でも活用される情報インフラだが、
なぜ、整備が進まないのか?
「最近の住宅事情、気密性の高い住宅もありますし
その情報が十分伝わらないことも考えられる。
費用対効果的な部分もありまして、
高額な費用を要する。
今後必要に応じて導入を検討していきたい」
(小牧市危機管理課)
小牧市では、
緊急情報を配信するメールサービスへの登録を
市民に呼びかけている他、
いざというときは広報車で情報を伝えるという。
一方でこんな自治体も。
大口町では地域にスピーカーを設置しているだけでなく
無線の受信機を無料で希望者に配布している。
「全世帯無料配布
(希望者は)インターネットとか使わない
高齢者の方が割合的に多い
本当に聞くだけ、選択しなくてもいい」
(大口町)
自治体によって違いがある情報の伝達方法。
いざというときの情報伝達はどうあるべきなのか?専門家は?
「基本的にはやはり防災行政無線を
整備していくということが、重要
それが難しい場合には、エリアメールの整備とか、
Jアラートの情報伝達をする仕組みの構築が必要」
(日本大学危機管理学部・福田充教授)
福田教授は様々な災害に備えて、
複数の情報伝達方法を整備すべきだという。
「大震災が発生した場合には、
携帯電話の基地局が壊れることもありますし、
インターネット、携帯電話のような通信メディアがダウンする。
生き残ったメディアを使い、
より多くの人に情報が伝達されるよう
マルチメディアアプローチが重要」
(日本大学危機管理学部・福田充教授)
自治体の中にはJアラートと連動して
自動でスイッチが入る「防災ラジオ」を
販売しているところもあります。
福田教授は、市民の側も
日頃から住民同士で
コミュニケーションを取り合うなど
複数の情報源を持っておくことも
重要だと指摘しています。