FEAUTURE特 集
小さな驚きカンパニー
ご当地ボディソープを全国に
17.09.21
名古屋の老舗石鹸メーカーが
「ご当地ボディーソープ」
という新たな商品で
全国各地の温泉旅館を回り
販路を開拓しています。
ある企業の研究室。
机の上に並んでいるのは...
「酒粕、お酒、ハチミツ、
杏子の種、梅の種、お茶っ葉」
(フタバ化学 志水大輔副社長)
「これは全部ボディソープの原料になります」
(フタバ化学 志水大輔副社長)
実はこの会社、全国各地の温泉旅館に
「ご当地ボディソープ」を
作っている会社なのだ。
その会社とは中村区のフタバ化学だ。
並んでいるのは
ボディソープやシャンプーなど
500種類以上。
社長は2代目、
志水双葉(しみずふたば)さんだ。
1946年、
石鹸の製造販売から始まったフタバ化学は
家庭一軒一軒に商品を直接届ける
販売スタイルで業績を拡大。
35年前、ヒット商品を生み出した。
この商品をもって全国の温泉地を回り、
業務用ボディーソープという市場を開拓した。
ポンプ式容器を日本で
初めて開発したのもこの会社だ。
「温泉旅館を回って営業したら
営業なんてしなくていいくらい(売れた)」
(フタバ化学 志水双葉社長)
ところが...
業務用ボディーソープの市場に
大手が次々と参入。
売り上げも激減した。
「大手も中小も参入して
非常につらい状態になっていたので」
(フタバ化学 志水双葉社長)
そこで志水社長が考えたのが...
「お客さまが欲しいボディソープを作ればいい」
(フタバ化学 志水双葉社長)
それが、「ご当地ボディーソープ」だ。
フタバ化学は改めて
全国各地の温泉旅館などをまわって企画を提案。
約100か所で商品化した。
例えば岐阜県、飛騨高山。
ここの旅館と開発したのは地酒のソープ。
独特な香りに仕上がった。
三重県、湯の山で作ったのは、お茶のソープだ。
「ベトナムでとれたお茶を使っている」
(フタバ化学 志水大輔副社長)
さらに新潟県、佐渡では、島特産の柿を使った。
商品の企画開発から容器のデザインまで
一貫生産できるノウハウを生かし、
少量生産の受注にも対応可能。
少ないコストで独自の商品が作れるとあって、
旅館からの評判も上々だ。
「旅館のオリジナルボディソープを作ると
お女将さんはうちのボディソープって言ってくれる」
(フタバ化学 志水双葉社長)
今やその販路は、温泉地以外にも広がっている。
弥富市では、地元の米農家と共同で、
全国初の米ぬかソープを開発。
売れ行きも好調という。
「米ぬかで作ったボディソープと
ハンドソープ、ハンドクリームです」
(鍋八農産 八木淳子取締役)
「自然のもの、食べることにもこだわっている
お客さまにすごく好評です」
(鍋八農産 八木淳子取締役)
現在は、バスソルトとアロエソープを
組み合わせた商品を
ドバイやタイなどの見本市に出品。
海外の風呂文化に対応した商品も開発している。
「国内はもとより外国のお客さまに
どんどん出ていきたい」
(フタバ化学 志水双葉社長)
フタバ化学では今も
あわせて10か所の温泉旅館などの
ご当地ボディーソープを開発中で、
今期は前の期の120%の
売り上げを見込んでいます。