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なぜ納豆が"伸び~て"いるのか?
17.11.17
今年、納豆の消費額が
過去最高を更新する勢いで
伸びています。
私たちの食卓に
昔からある納豆ですが、
なぜ今、その人気が
高まっているのでしょうか。
今、全国的に納豆の消費が伸びている。
全国納豆協同組合連合会によると、
去年の市場規模は、
過去最高の2184億円で、
この5年間で3割近く拡大。
今年は、それをさらに上回る勢いだという。
名古屋でも1世帯あたりの納豆購入額は、
この3年間、伸び続けているのだ。
名古屋市熱田区のこちらのスーパーでも、
納豆の売り上げが、
去年より5パーセント伸びたという。
「どんな方が買っていかれるんですか?」
(記者)
「やはり、あの高齢の客。
そちらの方が、納豆を好まれて
買って行かれます。」
(パレマルシェ 奥村清店長)
この店の常連客という松田葉子さん。
納豆は、毎回、必ず買っていくという。
「昔からではないけど、
最近本を読んで(毎日食べるように)
だから冷蔵庫に最低3つは必ず入っとる。」
(松田葉子さん)
現在86歳の松田さん、
夫を亡くし、今は1人暮らしだ。
納豆連によると、
松田さんのように
高齢者の1人暮らしが増えていることも、
納豆の消費が増えている理由だという。
「粘りがいいんでしょ
練って練って練って、
暇だから、自分の健康のために
まあ、歳がいったら、自分の面倒は自分でね」
(松田葉子さん)
タンパク質やカルシウムなど栄養が
豊富なのに価格は手頃。
食品の優等生といわれる納豆―
取材したスーパーの売り場には、
実に20種類以上の納豆が並ぶ。
容器のふたを割って、
手を汚さずタレを入れられるものに、
ウズラ卵とネギがついた高級納豆。
充実した品揃えには、この地方ならではの理由が。
「それぞれ客の
いろんなニーズがありますので、
価格でしたり産地でしたり」
(パレマルシェ 奥村清店長)
実は、愛知など、東海3県は、
納豆の購入額で見ると、全国的に決して多くはない。
そんなところでも購入額が伸びているのは
厳しい消費者に食べてもらえる納豆を
開発したメーカーの努力もあった。
三重県・桑名市の納豆メーカー「小杉食品」。
名古屋市内のスーパーなどに、
日々20万パックの納豆を生産。
原料の大豆は、アメリカ産や北海道産、
地元・三重産などおよそ20種類を使用し、
豆ごとに異なる味やタレを突き詰め、
商品をおよそ50種類まで広げてきた。
「中部の方は、関東と比べると、
なかなか納豆は、10人いたら10人食べるわけではないので、
その中で食べてもらうには
どういう風に味をつけたらいいのか、
どんな形にしたらいいのか
いろいろ広げてますね」
(小杉食品 小杉龍弘常務)
北海道産の黒豆を使った「日本の黒豆」は、
今年2月の納豆コンクールで日本一に輝いた。
人気の国産大豆を積極的に使い、
売り上げを去年より5%伸ばしている。
「頑張ってます」
(小杉食品 小杉龍弘常務)
納豆の消費が伸びている理由を尋ねると、
意外な答えが...
「野菜が高くなると、納豆が伸びる」
(小杉食品 小杉龍弘常務)
たしかに、納豆の消費が伸びたこの5年、
名古屋市中央卸売市場の野菜の卸値は、
上がり続けてきた。
一方の納豆の価格は、
年間を通し、安定している。
「食物繊維とか取りたいなと思うと、
納豆で補おうかなということかな。
もう本当に7年とか8年ぐらいは
(価格は)全然上げてない。」
(小杉食品 小杉龍弘常務)
安定した価格と
高い栄養価をあわせ持つ納豆。
今の時代に改めてその存在が
見直されているようです。