FEAUTURE特 集
ザ・追跡!
双子のチンパンジー3ヵ月
18.01.25
2017年10月に東山動物園に
双子のチンパンジーが生まれました。
誕生から3カ月。
順調に育つ双子の姿を取材しました。
2017年11月、
東山動物園のチンパンジー舎の前は
大勢の見物客であふれていました。
お目当てはこちら...
チンパンジーの双子の赤ちゃんです。
双子が生れたのは2017年10月21日。
母親のカズミにとっては4回目の出産でした。
チンパンジーの双子は国内で9例目。
しかし、1頭が病弱だったり、
母親が2頭分の栄養を蓄えられなかったりで、
2頭とも育っているのは自然保育で
育てた高知県の動物園の1例だけです。
東山動物園は、難しいといわれる、
群れの中での自然保育にあえて取り組んでいます。
そこにはある理由がありました。
「チンパンジーのルールを
覚えなくてはいけない この群れの中で
人工保育することで人間べったりに
なるとそれができない
チンパンジーの本来の姿を見せる
東山動物園の趣旨からも
あっていると思うので
このまま群れの中で成長して
もらいたいと思っています」
(東山動物園 飼育係 近藤裕治さん)
東山動物園のチンパンジーは
双子を合わせて9頭になりました。
10年前から野生に近い群れ作りに取り組んでいて、
ボスを中心とした3世代のオスが同居しています。
双子の父親はボスのリュウで、
赤ちゃんの誕生は群れ作りの成果です。
エサの時間です。
飼育係が屋上からエサを投げます。
チンパンジーの群れはオスが優先で、
双子を抱えたカズミはなかなかエサを取ることができません。
そこで、飼育係がカズミのために
特別メニューを用意しました。
「これはカズミ用のエサです。
母乳が出るように特に
栄養のあるものを選んでいます。
芋団子です」
作った団子は手渡しでカズミへ。
これならカズミも安心してお腹いっぱい食べられます。
この日、名古屋は雪が降りました。
寒さが苦手のチンパンジー、
双子はどうしているのでしょうか。
生後2カ月が過ぎ、双子にある変化が...
「お尻に白い毛が生えてきて
順調だと思います
(生後)1~2ヵ月で生え始める
赤ちゃんの立場からいうと多少の
悪さをしても"許してね"というサイン
大人たちからすれば"みんなで守ろう"
というサインになると思う」
(東山動物園 飼育係 近藤裕治さん)
生後3カ月となった1月21日、
双子はつかまり立ちでがきるようになりました。
体も大きくなり順調に成長しているようです。
「多くの動物園では飼育下でも
野生に近い状態で飼うと話している
我々はそういうことを目指している
チンパンジーとしてのルールを覚えながら
成長してもらいたいと思う」
(東山動物園 飼育係 近藤裕治さん)
群れの中で成長する双子のチンパンジー、
私たちに野生の生態を教えてくれます。