FEAUTURE特 集
小さな驚きカンパニー
女性に人気"超丈夫"なバッグ
18.02.08
柔道着などに使われる
刺子織りという伝統技法を
バッグに活用し、
注目されている
会社があります。
「とにかく丈夫」という
そのバッグの実力とは?
そのバッグを作ったのは
豊川市のタネイ。
女性向けの
トートバッグを中心に、
およそ30種類の
布製バッグを製造している。
最大の特徴は・・・
「いいですか引っ張っても。
しっかりしてますね。」
(岡田アナウンサー)
とにかく丈夫なのだ。
秘密はその布地にある。
刺子織りと呼ばれている。
いったいどれほどの
強度があるのか、
実験してみた。
トートバッグに
よく使われる帆布の場合は・・・
153キロで破れた。
続いては刺子織り。
150キロを超えても、
まだ耐えている。
さらに力を加え...
破れる。
記録は244キロ。
帆布のおよそ1.6倍だ。
なぜ、
これほど丈夫なのか?
実はタネイの本業は・・・
柔道など道着のメーカー。
丈夫な道着を作るために
守り続けてきた伝統の技が、
この刺子織りなのだ。
その編み方は独特だ。
刺子織りは、
2本の縦糸で
横糸を挟み込むように
編んでいき、
生地の強度を増している。
白と黒の二本の縦糸が
横糸をがっちり
挟みこんでいる。
編み上げると、
表面にデコボコができる。
空気の層ができるため、
肌触りや保温性も
優れているという。
そんな刺子織りには、
もうひとつ、
こんな特徴がある。
バッグには7kgの水が!
「重いですね。
でも肩に食い込む感じがしないので、
不可能ではないです。持ち歩くのに。」
(岡田アナウンサー)
「刺子織りのクッション性が
重さを分散してくれるんです。」
(タネイ広報担当 中神友香さん)
こうした特徴から
若い女性の間で
人気に火が付き、
月に3000個を販売する
ヒット商品になった。
しかしなぜ、
柔道着からバッグを
作ることになったのか?
「武道の人口がどんどん
減っていきました。」
(タネイ 種井美文社長)
全日本柔道連盟によると、
国内の柔道人口は、
減少の一途をたどっている。
多くの学校で体育の授業から
柔道がなくなったことが理由の一つ。
タネイの売り上げも、
今や最盛期の半分ほどに。
軽くて丈夫な
タネイのバッグは、
伝統の刺子織りを
守るために生まれたのだ。
「刺子織り自体が
メジャーではありませんし、
その刺子織り自体を
皆さんに知っていただくためには
販路を拡大して
皆さまが本当に期待できる商品、
皆さまが本当に喜ばれる商品として
世の中に出させていただきたい。」
(タネイ 種井美文社長)
このバッグには
地元の三河地方特産の
三河木綿が使われていて、
こうした地場産業の
活性化にもつながればと
タネイでは話しています。