FEAUTURE特 集
小さな驚きカンパニー
"食べ物"が"染め物"に!?
18.02.15
捨てられてしまう食べ物を
染め物に再利用している会社があります。
どんな色に染まるのでしょうか?
岐阜県大垣市の染め物工場。
そこで岡田アナウンサーが
見つけたものとは?
「小さな驚きカンパニー」
岐阜県大垣市の艶金化学繊維は
老舗の染め物工場だ。
社長の墨さんは4代目。
創業は明治22年。
洋服などの生地を様々な色に染めてきた。
工場の一角に置かれていたのは...
「なんでこんなところに冷蔵庫が!寒い」
中にあったのは・・・
冷凍保存されたブルーベリーの皮だった。
ほかにもタマネギや...コーヒー。
ヒノキの皮など。
これらはすべて、
染め物に使うものだという。
「これから色を出して
その色素で布を染める
仕事をしています」
(艶金化学繊維 墨 勇志 社長)
「これは何で染めたんですか?」
(岡田アナウンサー)
「これはパセリで染めています」
(艶金化学繊維 墨 勇志 社長)
「こんなきれいなレモン色になるんですか!」
(岡田アナウンサー)
パセリでそめた布は、
緑色ではなく、
きれいな黄緑色になる。
「のこり染め」という。
この会社独自の技術だ。
「色に楽しみのある商品を作って
ブランド化して商品として築き上げれば、
それに共感をしてくれる人はいるだろう、
そういう思いからスタートしました」
(艶金化学繊維 墨 勇志 社長)
しかし食品で染料を作るのは
簡単ではなかった。
例えばこのトマト。
これならさぞ鮮やかな赤色が
取り出せそうだと思いきや...
加熱処理して40分。
実際に染めてみたところご覧のとおり。
布地にはムラばかり。
色もところどころ黄色になっている。
「温度を上げたときに
赤い色の成分がとんでしまう
こういう色にはなかなかね、
布地が染まらないんですね」
(艶金化学繊維 墨 勇志 社長)
そこで100以上の食材で実験を繰り返し、
そのうちの11種類で染料を作ることに成功した。
例えばブルーベリーで染めたものがこちら。
鮮やかな紫色だが、
どこか自然の温かみも感じられる
独特な色合いで染めあがった。
しかし染料を作るには、
大量の食材が必要だった。
そこで墨社長が目を付けたのは...
「色の出そうな食品メーカーや菓子屋に
飛び込みで電話をして、
少し試験用に分けてもらえないでしょうかと、
そこから全部スタートしましたね」
(艶金化学繊維 墨 勇志 社長)
例えば、
名古屋に本社がある
こちらの和菓子メーカー。
饅頭で使われるのは...こしあん。
そのこしあんを作る時に、
要らなくなるのが小豆の皮だ。
この工場では毎日1トンの小豆の皮を
産業廃棄物として処理していた。
墨社長が目をつけたのは、この皮だった。
「(小豆の皮は)産業廃棄物なので、
人に役立つようなものに
使っていただけるなら、
大変喜ばしいと思います」
(両口屋是清小牧工場 藤田 優一 工場長)
小豆の皮で染めた布地は、
きれいなピンク色になる。
廃棄食材の再利用という考え方がうけ、
企業からノベルティグッズの
製作に取り入れたいという
注文などが相次いでいるという。
「捨ててしまう物から色を出すという
ストーリーに感動してくれる客が多く、
やりがいがある」
(艶金化学繊維 墨 勇志 社長)
最近は資源保護に関心が高い
欧米の企業からも
問い合わせが相次いでいるそうです。