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なぜ愛知に高級ホテルが少ない?
18.03.09
"五つ星"の高級ホテルが、
三大都市にどれだけあるかというと―、
東京に39件、
大阪に13件ですが
愛知は、5件と見劣りします。
このことが、
世界の首脳が集まる
G20の誘致合戦で大阪に敗れた
理由でもありました。
愛知に高級ホテルが少ないのは
なぜなんでしょうか?
G20は、
先進国に新興国を加えた
主要20か国で、
その首脳会議などが
2019年初めて、
日本で開催される。
愛知県は、
2019年秋に空港島に完成する
真新しい国際展示場を引っさげ、
G20の誘致に手を挙げていた。
しかし・・・。
「宿泊施設の数などを
総合的に勘案して大阪に決定した。」
(菅官房長官)
愛知は宿泊施設の数が
足りないなどとして、
大阪に負けたのだ。
外務省によると、
G20はメンバー国以外に
招待国など35の国と機関が参加するため
スイートルームだけで、
70室以上が必要になるという。
しかし、
愛知側がかき集めたスイートルームは、
67室がやっとだった。
なぜ、愛知に高級ホテルが少ないのか?
世界最大の宿泊予約サイト
『ブッキングドットコム』によれば、
愛知の"五つ星ホテル"は、
名古屋市中心部に密集している。
ホテルナゴヤキャッスル、
名古屋マリオットアソシアホテル、
ヒルトン名古屋、
そして、
名古屋観光ホテル。
このうち、
名古屋マリオットアソシアホテルは、
東海地方最多の774という客室数を誇る。
中でも、
「こちらが最高級の
インペリアルスイートです。」
(名古屋マリオットアソシアホテル
杉本篤史副総支配人)
「インペリアル」という名の通り、
広さは標準タイプのなんと5倍!
1泊、約40万円だ。
バスルームを覗いてみると、
置かれているアメニティグッズは・・・
あの有名ブランドだ。
「さまざまな国の要人が宿泊しました。」
(名古屋マリオットアソシアホテル
杉本篤史副総支配人)
愛知にもこんな部屋があるにはあるが、
海外から多くの要人を呼ぶには
数が少ないのだ。
愛知に高級ホテルが少ない理由について、
専門家は・・・。
「(名古屋の)マリオットの
インパクトは大きい。
人気も一番ですし、
サービスレベル、客室、
サービスタイプの多さ、
(マリオットの)一人勝ち。」
(ホテル評論家 瀧澤信秋さん)
名古屋駅の真上に陣取る
マリオットが圧倒的な強さを誇り、
ライバルの進出を阻んでいるという。
マリオットの売り上げは、
東京・大阪にもひけをとらない。
さらに・・・
「名古屋市内の4つの高級ホテルが、
盤石なホテルの体制を築いている。
盤石なご当地愛のホテルがあるから、
(外から)入り込めない。」
(ホテル評論家 瀧澤信秋さん)
一方、こんなデータも。
愛知にやってくる 外国人の数が年々増えている中、
高級ホテルを含めた
愛知のシティホテルの稼働率は
逆に減少しているのだ。
高級ホテルは果たして少ないのか?
この人は―
「今まで観光ということには、
力を入れてこなかった。
(これからは)ビジネスだけでなくて、
観光面、国際会議とか、
いわゆるMICE(マイス)ですよね。
MICEでももっと来ていただきたい。」
(愛知県 大村秀章知事)
そのMICEで
人を呼び込むためにも、
新たなホテルが必要になると
専門家は指摘する。
「ホテルは観光のベース。
そこを拠点にして人が行き交う。
いろいろな人が集まる、
ホテルによって。」
(ホテル評論家 瀧澤信秋さん)
しかし、
ホテル同士、
うまくバランスをとっている愛知に、
新たな高級ホテルを誘致するには、
政治力が必要のようだ。
「ビジネスホテルから
グレードの高いホテルまで、
宿泊施設をもっともっと
誘致していきたい。」
(愛知県 大村秀章知事)
愛知の高級ホテルに、
変化の波は押し寄せるのだろうか。