FEAUTURE特 集

ザ特集

兄が連れ去り!双子に危機が!?

18.04.26

11.jpg

25日に続いて、
主役は、
2017年、
東山動物園で生まれた
双子のメスの
チンパンジーです。
母親に守られて順調に
成長してきましたが
ある日思わぬ騒動がおきます。
双子の運命は!

3月25日。
双子のチンパンジーの命名式が
東山動物園で行われました。
カランとコエ。
国内では成功例が
一件しかない
群れの中で
育てられている双子です。
2017年10月に誕生した
双子のチンパンジー。
順調に成長し、
白い歯もはえました。
つかまり立ちが
できるようになり、
母親の元を離れることも。
その矢先...
母親カズミが目を離したすきに、
思わぬ騒動が起こりました。
連れ去りです。

赤ちゃんを
連れ回しているのは
6歳のオス・リキ。
双子の兄です。
リキは頻繁に妹たちを
連れ去るようになりました。
心配そうなカズミ...
リキはなぜ母親から
妹を奪ったのでしょうか。

妹が泣き出しました。
大丈夫でしょうか。
手に負えなくなったリキ。
慌てて妹を母親の元に返しました。
騒動はいつもこうして終わります。
リキの行動は、
チンパンジーらしい生態の現れだと
飼育係の近藤さんはいいます。

「リキは大好きなお母さんに
 ひっついている赤ちゃんだから
 気になるのかもしれない」
(東山動物園飼育係
       近藤裕治さん)

チンパンジーのオスは
母親に強い愛情を持ってます。
母親が大切にしているものには
興味津々で、それが
連れ去りという行動につながったと
考えられるというのです。
でもリキが双子に危害を
加えることはありません。

東山動物園のチンパンジーは
双子を合わせて9頭になりました。
ボスはリュウ...双子の父親です。
チャーリーはおじいさん。
リキは兄。
大人のメスは
母親のカズミの他に
3頭がいます。
3月下旬のある日。
飼育係も驚く光景が見られました。
双子を抱いているのは、
血の繋がりのないアキコ。
出産の経験はありません。
チンパンジーは
母親が子育てするのが定説。
血縁のないメスが
子育てを手伝うことは
非常に珍しいことです。

「それだけ良好な関係だから
 アキコとカズミが。
 やっぱりきらいな人には
 渡したくない。
 あとは
 群れが安定しているから
 放任主義ができる。
 不安があれば絶対
 離さないと思う」
(東山動物園飼育係
      近藤裕治さん)

飼育係の近藤さんたちの
新たな課題は、
チンパンジーたちの
引越しのトレーニングです。
東山動物園では4月、
チンパンジーの新しい
飼育施設が完成し、
近いうちに群れごと
引越しします。
引越しの時は
麻酔注射をして眠らせてから
移動することも検討しているため、
今は注射器を怖がらないようにする
トレーニングをしています。 

双子の自然保育だけでなく、
繊細なチンパンジーたちの引越しは、
東山動物園にとっての
大きな挑戦となります。


ページトップへページトップへ