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FEAUTURE特 集

ザ特集

若年性認知症でも諦めない生き方

18.05.16

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認知症の中でも、
65歳未満で発症する場合を
「若年性認知症」と呼びます。
この病気と向き合い、
諦めない生き方を貫く
名古屋の女性を取材しました。

鈴鹿市で開かれた講演会。

「最初におかしいなと思ったのは
 漢字が書きづらくなってきた」
      (山田 真由美さん)

山田真由美さん、58歳。
51歳の時、
アルツハイマー型認知症と
診断されました。
症状は空間を認識する能力の低下。
袖に腕を通すのさえ大変な作業です。
一方、過去の事ははっきり覚えています。

Q.アルツハイマー病っていうのは、
 すぐ言われた?
「すぐにはいわれなくて、
 最初は"うつ"ですねって言われた」
         (山田 真由美さん)

Q.講演をするのはドキドキしませんでしたか?
「すごくあがり症で、小さい時からね」
         (山田 真由美さん)

認知症といっても、
人によって症状はさまざま。
できることもあれば、
できないこともあるのです。

「いろんな症状も違うし、困りごとも違う
 そういうことを知らない人がいっぱいいる。」
            (山田 真由美さん)

「若年性認知症」の
平均発症年齢は51.3歳。
働き盛りの時に突然病気が襲うため、
問題も多いと専門家は言います。

「軽い障害でも仕事ができなくなる。
 経済的な損失が大きいだけではなく
 居場所(がなくなる)
 高齢者の場合はいろいろな社会的支援や
 福祉サービスを利用することができるが
 若い方はなかなか福祉や
 社会的支援に結びつきづらい
 結局家にいるしかない」
(長野赤十字病院・矢彦沢 裕之医師)

山田さんもそうでした。

「これからどうしたらいいんだろう
 子どものこともいずれは忘れちゃって
 わからなくなっちゃうのかな
 不安ばっかりでずっと泣いてました」
         (山田 真由美さん)

そんな山田さんを変えたのが、
若年性認知症患者の集いでした。
悩みや苦労を分かち合えたことで、
病気と向き合えるようになりました。

「私だけじゃないんだ
 その人も頑張っているから、
 私も頑張らなくちゃって」
    (山田 真由美さん)

病気のことを隠さず外に出たことで、
気づいたことがありました。
できないことはある。
しかし、ちょっとした助けがあれば
「できること」に変わるのです。

「これは、ヘルプマーク。
 できないことがありますので、
 助けて下さい(と書いてある)。
 バスに乗る時でも見せて」
    (山田 真由美さん)

助けがあれば、外出も苦になりません。

「鍵でこんなに時間がかかるなんて
 みんな分からないと思う。
 ちょっとやってもらえると助かる」
        (山田 真由美さん)

山田さんが見つけた「できること」
その1つが「講演会」でした。

「認知症になって
 なにもかもできなくなるわけではなく
 できることもたくさんある。
 気を長くして見てもらいたいし、
 できないことは助けてもらいたい」
        (山田 真由美さん)

山田さんの言葉は、
患者本人にしかわからない生の声です。
「認知症でも人生をあきらめたくない」
そんな思いが、
遂には行政を動かしました。

行政を動かした
山田さんの取り組みとは?
続きは、17日放送します。


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