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FEAUTURE特 集

ザ特集

認知症でも諦めない生き方 後編

18.05.17

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「ザ・特集」後編です。

一般に高齢者の病気と思われがちな
「認知症」と、
51歳のときに診断された
名古屋市の山田真由美さん、
その取り組みは、
ついに行政を動かしました。

名古屋市西区に住む山田真由美さんは、
51歳の時、アルツハイマー型認知症と診断されました。

空間認識能力が衰え、
鍵穴に鍵をさすのも苦労します。

しかし、その一方で、
記憶力に衰えはありません。

ちょっとした助けがあれば、
「できないこと」が「できること」に変わる。

講演会で、患者自身の生の声を届けています。

そんな山田さんの行動は西区の行政を動かしました。

この日、西区役所に山田さんの姿がありました。

自らが相談員となって
同じ病気の人の悩みや考えを聞くためです。

2017年6月から始まった「おれんじドア」。

家族と患者はそれぞれ分かれてテーブルを囲みます。

本音が聞きたいからです。

「(認知症で)やっぱり恥ずかしいと思っている、
 隠したいと思っている人がまだいっぱいいるんですよね。
 私も隠したかったから、その人たちの気持ちは分かる。
 だからこそ、出てきても大丈夫ということを伝えたい。」
       (山田真由美さん)

「まさかですよね。診断されて。」
       (山田真由美さん)

「なんかこう"何やっても"というのがあって。」
       (参加者)
「私も『何かおかしいな』という感じ。」
       (山田真由美さん)

「本当に悔しくて泣いてました。」
       (参加者)

「何かこれからやりたいことはあります?」
       (山田真由美さん)

「私は囲碁がやりたい。」
       (参加者)

「囲碁ができる所を探してもられば。」
       (山田真由美さん)

「1ヵ所だけある。」
       (参加者) 

「続けないとダメですよ。
 楽しいのはどんどん続けて。」
       (山田真由美さん)

「そうですね。」
       (参加者)


時には自分の事もおりまぜ、会話を引き出す山田さん。

参加者の多くが、前に進む勇気をもらえます。

中には、山田さんに背中を押され、
地元で同じような、「患者による相談窓口」を
立ち上げたいと考える人も現れました。

「自分なりに「何ができるか」「何がしたいか」を見つけて、
 どんなことでもいいから、動いてほしい。」
       (山田真由美さん)

市の福祉担当者も、
山田さんには、かなわないと話します。

「僕たち(専門職員)の前で見せる顔と、
 同じ当事者に見せる顔は全然違う。
 自分とこの人同じかもと思える人の言葉は
 素直に入ってくるというか、すっと腹に落ちていくというか。」
  (名古屋市認知症相談支援センター
              鬼頭史樹さん)

山田さんの活動を受け、西区は2018年3月に、
「おもいやりのまち宣言」を発表しました。

当事者の声を生かし、
認知症の人が安心して暮らせる街づくりを目指します。

先頭に立って活動を続ける山田さんですが、不安もあります。

自らの病気が進行しているのです。

インタビュー中にも... 

「認知症の進行も...
 (言葉つまる)言葉が出なくなっている。」
       (山田真由美さん)

半年前から言葉が出てこなくなりました。

それでも山田さんは、しっかりと前を向いています。

「『これから大丈夫かな』と思いますね。
 だけど、そうなったらそうなった時で、
 潮時かなと思えばいいし、でもやれる限りは、やろう。
 だって、絶対すぐに社会が良くなるわけではない。
 出てきて大丈夫ということを伝えたい。」
       (山田真由美さん)


山田さんの認知症相談窓口「おれんじドア」は、
毎月第3土曜日に西区役所で開かれていて、
5月は19日です。


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