FEAUTURE特 集
金スぺ
ご当地サーモンは絹姫から
18.05.18
全国各地で今、
サーモンの養殖が盛んです。
これまでは海外からの
輸入がほとんどでしたが、
新鮮さをアピールし
各地に広まっています。
その"ご当地サーモン"、
実は愛知が先駆けでもありました。
「絹姫サーモン丼入ります!」
名古屋・笹島地区の
「グローバルゲート」に店舗を構える
魚料理専門店「下の一色」。
ここでは、「絹姫サーモン」と呼ばれる
ご当地サーモンを提供している。
ご当地の名の通り、
水揚げの翌日には店に届く鮮度の良さがウリ。
刺身は脂がのり、歯ごたえも十分。
臭みがないのが特徴で、すしのネタにもなるという。
下の一色グループでは、
およそ4年前からこの絹姫サーモンを取り扱っている。
「絹姫サーモン丼です。」
(店員)
今月から販売を始めたサーモン丼は
通常より2~3割高めの値段設定だが
限定数の10食はあっという間に完売してしまうほどの人気ぶりだ。
「もっちりしていておいしいです。」
(利用客)
グループの取扱量も
4年前に比べておよそ10倍に伸びたという。
「ご当地サーモンが皆さんに認知されて、生産量も増えてこれば
もっと身近なお魚になってくるのですごく期待したい。」
(寿商店<下の一色> 森朝奈常務)
1980年代以降、手軽な価格で人気なのが回転寿司。
よく食べるネタランキングでの1番人気はサーモンで、
国内での消費量は年間およそ10万トンともいわれているが、その9割が輸入品だ。
この人気を受け、今、日本でサーモンの養殖が過熱。
愛知の絹姫サーモンなどいわゆる"ご当地サーモン"は、
全国で100種類以上にものぼるほどだ。
愛知の絹姫サーモンは、
三河の山間地の中央に位置する設楽町で生産されている。
愛知県淡水養殖漁協などが開発した絹姫サーモンは、
ニジマスの中でも斑点のない美しい姿の「ホウライマス」に、
「アマゴ」を掛け合わせた魚で、
1992年に当時の知事が絹姫サーモンと命名した。
「奥三河という所ででオンリーワンの魚を作りたかった。
(全国の)養殖されているサーモンの中では
我々の絹姫サーモンはご当地サーモン第一号。」
(県淡水養殖漁協 米花晃雄さん)
開発に携わった淡水養殖漁協の米花さんによると、
絹姫サーモン養殖とは"産卵しないメス"を作りだすこと。
産卵しないと栄養を身にため込むためおいしくなるのだ。
ただ、養殖が難しく、受精する割合はおよそ30%。
さらに、
成魚に育つのはわずか7%前後しかない奇跡の魚でもあるのだ。
「世の中にいない魚を売るのに遺伝子組み換えとか誤解がないように
細かに説明しながら販売するのに時間がかかった。」
(県淡水養殖漁協 米花晃雄さん)
1999年に出荷を始めた頃はなかなか販売数が伸びなかったが、
今では地元のレストランやスーパーをはじめ
首都圏の有名ホテルからも引き合いがあり、
年間およそ30トンを出荷している。
この人気の魚を全国に発信しようとこの人も動きだした。
6月から、大村知事の名刺の裏には
絹姫サーモンがプリントされることになったのだ。
「ご当地サーモンとしてさきがけなんですね!愛知は。
遥か前から平成7年から登録していますから、
ハシリとしてやって全国のご当地サーモンが流行っているのはうれしい。
奥三河の地元振興としてしっかりと盛り上げていきたい。」
(愛知県 大村秀章知事)
全国各地で"ご当地化"の動きが加速するサーモン。
愛知の絹姫に期待だ。