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FEAUTURE特 集

ザ特集

海を渡る"極甘"トマト

18.06.20

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「甘さ」にこだわって栽培したトマトを
海外に売り込もうとしている
農家が中川区にあります。

しかし、海外進出は簡単ではありません。
農家の挑戦を追いました。

「目標は20トン」

中川区内のビニールハウスの中で、大きな商談が進んでいた。
相手は香港から来たバイヤーだ。


「全部って言った 20トン全部や 20トン考えてはんで」

思いもしなかった大きな取引に笑みがこぼれる。

中川区のトマト農家、飯田実さんは
子供の病気をきっかけに食の安全に目覚め、9年前、
それまで勤めていた食品メーカーを辞め、農家になった。

「農家になって子どものために
 安心安全なものを子どもに食べさせてあげて
 その子が元気になってくれればうれしい」
(飯田農園 飯田実さん)

飯田さんのトマトは、化学肥料を一切使わず、
カツオと昆布で育てている。

市販のトマトの倍にあたる平均糖度10という
独特の甘みが評判を呼び、
今やデパートで限定販売されるまでになった。

しかし栽培コストがかかるため、
価格を上げられない国内販売では利益が出せない。

より高い評価を求めて打って出たのが海外の市場だった。

「世界に通用するここにしかないトマト
 そういったトマトを作って世界に羽ばたかせたい」
(飯田農園 飯田実さん)

初めて飯田さんを取材した2年前は、
トマトを加工して作ったジュースやビネガーを
アメリカに輸出しようと考えていた。

ところがトランプ政権の誕生でアメリカがTPPから脱退。

目標をアジアに変えた。

「トマト味見いかがですか?」
(販売員)

2017年3月には、国際的な食品見本市にも出店したのだが、
そこで立ちはだかったのは言葉の壁。

試食した外国人は、みな飯田さんのトマトは
すばらしいと賞賛するが、
そこから先の交渉にたどり着けない。

販路拡大は難しかった。

「結局 展示会出たはいいけど
 あれ何だったんだろうとなることが多かった」
(飯田農園 飯田実さん)

6月1日、飯田農園に香港からのバイヤーがやってきた。
連れてきたのは山本雄彦さん。

日本貿易振興機構、JETROが
海外輸出の手助けに派遣したアドバイザーだ。
JETROから依頼を受け、
農家などの海外進出をサポートしている。

「日本のいろんな輸出に向くであろう優秀な農産物や
 食品を探して海外に紹介するのが私の役割です」
(山本雄彦さん)

大阪で商社を経営する山本さん、
流暢な英語と広東語で、飯田さんのトマトを売り込んだ。

「空輸か船便(どちらで運ぶか)」
(山本雄彦さん)

「空輸で」
(バイヤー)

「飛行機で送っても、値段が合うから大丈夫やって」
(山本雄彦さん)

海外のバイヤー相手に、こうしたやりとりができなければ、
自慢のトマトを世界に売り込むことはできない。
山本さんとの契約は2年だが、
日本の農家が学ぶべきことは多いと飯田さんは話す。

「2年の間にいろんな支援を受けて教えていただいて
 2年後には自分で全てできるようにする事業です」
(飯田農園 飯田実さん)

交渉も順調に進み、がっちり握手。
しかし日本の農家が海外進出を果たすには、
ほかにも越えなければならない壁があった。

海外進出に立ちはだかる問題とは?
続きは21日お伝えします。

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