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FEAUTURE特 集

ザ特集

海を渡る"極甘"トマト<後編>

18.06.21

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特殊な栽培方法で育てた
「あま~いトマト」で
世界進出を目指す
中川区の飯田農園。

その行く手を阻むのは、
「言葉の壁」だけでは
ありませんでした。


中川区のトマト農家、飯田実さん。
カツオと昆布を肥料に使って育てたトマトは、
平均糖度10という独特の甘みが特徴だ。

しかし栽培コストがかかるため、
より高く評価してくれる買い手を探そうと、
海外に販路を求めた。

だが海外進出を考える農家についてまわるのは言葉の壁だ。
販売ルートの開拓や価格交渉などに頭を抱えていた飯田さん。

助けを求めたのは、
JETROの「輸出有望案件支援サービス」だった。


JETROから派遣された商社マン、
山本さんのサポートで、
香港バイヤーとの商談を順調に進めていた飯田さん。

しかし契約獲得のためには、
言葉の問題以外にも、越えなければならない壁があった。


「いま、年に何回収穫してますか?」
          (バイヤー)

彼らが心配しているのは
年間を通じて安定供給ができるのかどうかだった。

「日本の農家は1年に1作で
 夏場はトマトがない。」
          (飯田農園 飯田実さん)

「一般的なトマト農家は1年に1回だけしか作らない。
 夏場はないです、
 飯田さんは年3回作ることができます。」 
          (JETRO農林水産食品部 山本武彦さん)

「夏はエアコンで冷房をかけて。
 冬は暖房で暖かい。」
        (飯田農園 飯田実さん)

「1年間、(気温変化の)心配がない。いつでも安定しています。」
          (JETRO農林水産食品部 山本武彦さん)

海外への農作物の輸出には、
様々なルールがある。

「いま1番問題になっているのは
 海外の規制の問題です。
 日本の物がいいのはみんな分かっている。
 輸出、あるいは輸入する際の各国の規制があるんです。
 これをどう乗り越えるかが課題なんです」
        (JETRO農林水産食品部 山本武彦さん)

そのひとつが"グローバルGAP"。

農作物が安全であることを示す国際認証規格で、
取得するには、詳細な栽培記録のデータや高額な審査費用が必要だが、
これがなければ取引しないという海外の商社も多い。

実は飯田さんのトマトも、
グローバルGAPは取得していなかったのだが、
年間を通して安定した収穫量や品質を維持できると直接訴えたことで、
香港のバイヤーにも、ひとまず納得してもらえたようだ。


「日本のよさがきちんと分かって、
 作っている方が自ら出かけて行って、
 自分の商品の良さを分かってもらって、
 作り方や食べ方を分かってもらえたら、
 大きなマーケットがある。」
        (JETRO農林水産食品部 山本武彦さん)

JETROは今、年間約100件の農家や水産業者を選び、
海外進出をサポートしている。

人口減少で国内消費の先細りが懸念されるなか、
農林水産業の国際競争力強化が課題となっているからだ。

「2019年までに(目標輸出額)1兆円、
 2017年で8,000億円を超えた、
 2年間で1兆円というのも
 そんな簡単な数字じゃありませんけれども、
 不可能な数字ではない。」
        (JETRO農林水産食品部 高橋和宏部長)

6月12日に、飯田さんは香港に直接出向き、
貿易会社との本交渉に臨んだ。

この会社とは、
トマトやジュースなどあわせて1,000万円近い
年間契約を結ぶことができた。

帰国後、家族にも良い報告ができたようだ。

「いつもはお菓子ばっかりだったけど、
 お仕事がちょっとだけ決まったから。
 ネックレス買ってきたから。」
        (飯田農園 飯田実さん)

「日本国内だけじゃなくて、
 僕のトマトが世界に通用する。
 少しでも支援できればと考えているところです。」
        (飯田農園 飯田実さん)


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