FEAUTURE特 集
ザ特集
中高生が伝える"戦争"とは!?
18.07.18
豊田市の高校生と中学生が
戦争の悲惨さを訴える
「朗読劇」にとりくんでいます。
母親も加わって
熱が入る練習の様子を取材しました。
「母ちゃん、母ちゃん」
「弟は黙ってそのまま死んでいった」
「たった1発で20数万の人の命を奪う原子爆弾が
完成しているとは知らなかったのです」
豊田市にある南山国際高校と中学校。
この学校では、毎年、生徒たちが、
戦争の悲惨さを伝える朗読劇に取り組んでいます。
「父を返せ 母を返せ」
演じるのは演劇部に所属する生徒たち7人です。
「人間の人間の世のある限り」
「崩れぬ平和を 平和を返せ」
「今現在も他に続いている戦争が世界各地にあって
人ごとじゃないって思う」
(生徒)
「昔の戦争の残っている文章を通して
それをみんなに聞いてもらって少しでも
こういう争いがなくなればいいかなと思う」
(生徒)
「いろんな人に私から伝えることが
できればやりたいと思った」
(生徒)
指導しているのは、馬場豊先生です。
「ちょっと早口かな。
一生懸命読んでるというのはいいんだけど。
ちょっと焦ってどんどん行っちゃうところがあるから」
教員生活は40年を超えました。
国語を教える一方、
演劇部の顧問として15年ほど前に
この朗読劇を始めました。
「(自分自身)高校時代から演劇部で
沖縄のひめゆり部隊をテーマに扱った作品を上演したり、
そのあたりが戦争(に関心を持った)きっかけだった」
(馬場豊先生)
馬場先生は戦争体験の本や資料をもとに
戦争の悲惨さを訴える戯曲などを自ら書いてきました。
朗読劇は、戦争について書かれた詩や
体験談などをつなぎ合わせて、
自ら作り上げました。
「特に原爆という問題だけに限らず
空襲や出征する話とかヨーロッパで起こっている
例えばボスニアなどの内戦とかそういう悲劇も取り上げたい
戦争の悲しみを見つめるような なるべく網羅できるような
台本が作れないかというのが朗読劇を構成した狙いだった」
(馬場豊先生)
「かけがえのない地球を残すため
地雷ではなく花をください
地雷ではなく花をください」
この朗読劇に参加するのは、
生徒たちばかりではありません。
母親たちも参加しています。
週に1回練習を重ねてきました。
「今度はお母さんたちが登場です。はい登場してください。」
自分の子供が在学中の時に参加し、
卒業した後も続けている人がほとんどです。
「ミルクが1缶、
それがヒロユキの大切な大切な食べ物でした。」
朗読劇には、4年前に亡くなった俳優の米倉斉加年さんが
書いた絵本の一節も盛り込まれています。
栄養失調で亡くなった弟についての実話が
描かれています。
「母と僕に見守られて弟は死にました。
病名はありません。栄養失調です。
家では祖母と妹が泣いて待ってました。」
「最初台本いただいた時は泣いてしまって
感情がこもりすぎるて読めませんと断った」
(参加している母親)
「少しでも私たちが読むことによって
何も知らない子どもたちが肌で
分かってくれるという活動にお手伝いできる」
(参加している母親)
「自分自身が深く考えるきっかけをもらっている」
(参加している母親)
本番まであと1週間。
熱のこもった練習が続きます。
19日もお楽しみに!