FEAUTURE特 集

ザ特集

害獣と猟師の戦いに迫る(前編)

18.07.25

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三河地方の
山間部で深刻な被害を
もたらしているのが
イノシシやシカなどによる獣害です。

その駆除を請け負うのが猟友会ですが、
今、猟師の高齢化が問題となっています。



一面に広がる田園地帯。

緑深い山々に囲まれた、新城市作手地区。

この地域は今、深刻な問題を抱えている。

「トウモロコシとかカボチャとか全滅」
            (女性)

「まだ2つしかなってなかったんですけど
 その2つとも食べられてしまって悔しい」
            (男性)

食べられたのはスイカ。

獣害だ。

イノシシやシカによる獣害の被害額は
全国で年間170億円以上。

新城市では、害獣から農作物を守るため、
地区のいたるところに防護柵を設置している。

その距離は約350キロ。

設置費用は3年間で5億円を超えているのだが、
被害は後を絶たない。


鈴木康弘さん65歳。

新城市猟友会の会員だ。

鈴木さんが案内してくれたのは...

「イノシシが掘った跡です。
 タケノコがここに生えています。
 そのタケノコの下を掘るんで
 土が落ちてくる」
    (新城市猟友会 鈴木康弘さん)

イノシシやシカが堀った斜面の穴に雨水が入り込み、
土砂崩れが起きやすくなっているという。


「あそこの下の家が見えますかね?
 人命の危険にさらされる土砂災害に。」
    (新城市猟友会 鈴木康弘さん)

さらに...

「この区間がシカとかイノシシが飛び出してくる可能性が高くて」
    (新城市猟友会 鈴木康弘さん)

愛知県警によると、新城市内では、
2018年にはいり、すでに34件の事故が起きている。

人命に関わるケースもあるという。

「シカを避けて対向車とぶつかって
 対向車の方が死んでしまう事故も報告されています。」
    (新城市猟友会 鈴木康弘さん)


7月16日。

鈴木さんたち猟友会が猟を行った。

狙うのは、このあたりの畑を食い荒らす野生のシカだ。

作手地区で活動する猟友会のメンバーは39人。

平均年齢は65歳と高齢化が進んでいる。

中には87歳で現役のハンターも。

「(ケモノを)殺す人がいなくなっちゃう。"鉄砲撃ち"が」
            (87歳の現役猟師)

「今みんなここで相談している。8人おるもんで。」
             (親方)

「シカを追う配置をやっとるところです。作戦会議。」
      (新城市猟友会 鈴木康弘さん)

その作戦とは、
山頂から猟犬を放ってケモノを追い込み、
猟師が待ち伏せする「囲み猟」と呼ばれる方法で、
チームワークが重要だ。

この日は山の西側から犬を放し、
鈴木さんたちが8ヵ所に分かれ、シカを待ち伏せすることにした。

猟銃をかついで斜面を登る鈴木さん。

木立に体をあずけてじっと待機する。

「鈴木現着です。」
   (新城市猟友会 鈴木康弘さん)

猟犬が放たれ、狩りが始まった。

果たして、獲物をとらえる事はできるのか?



果たして猟は
成功するのでしょうか?

続きは7月26日です。


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