テレビ愛知

FEAUTURE特 集

ザ特集

封印していた"極秘任務"

18.08.16

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戦争体験を語り継ぐ男性は
父から戦時中、
細菌兵器を開発するため、
人体実験に関与していたと
打ち明けられました。
男性は父の告白から
何を伝えたかったのでしょうか?


毎年夏休みにピースあいちが企画している
戦争体験者による語り部の会。
2018年から、
戦争体験者から聞いた話を語り継ぐ、
「語り継ぎ手」も参加しました。

名古屋市緑区の神谷則明さんが語り継ぐのは、
父、実さんの戦争体験でした。
それは、旧日本軍の731部隊で
人体実験に関与していたという内容でした。

731部隊は旧満州に設置され、
毒ガスなどの化学兵器や細菌兵器などの
開発をしていたとされています。
しかし敗戦直前に施設を破壊し撤退。
戦後もその実態が秘匿されてきた謎の部隊です。

実さんは、この731部隊で、
捕虜にペスト菌を感染させる、
人体実験に関与していたと告白しました。

聞かされたのは残酷な話ばかりでした。

「中国人のお母さんとおばあさん、
 傍らに女の子がいて、3、4歳の女の子がいて
 この子だけは助けてほしいと言ったそうです。
(どう答えたのかと聞いたら)
 よしわかった。上の者に頼んでやるといったそうです。」
                 (神谷則明さん)

当時実さんは、長女の美恵子さんを
生後まもなく病気で亡くしたばかりでした。
捕虜の子供を救いたいとは思いましたが、
実さんには、どうすることもできませんでした。

「安易に頼んでやると言ったけど頼めるはずもないし。
 404人が最後に生き残っていたが、
 全て毒ガスで殺して焼却せよ
 というのが大本営の命令だった
 最後に燃やすところまで父はやった。」
           (神谷則明さん)

命令は絶対服従でした。
我が子には、まるで自分に言い聞かせるように、
「仕方がなかった」と、繰り返したといいます。

「だけどやむを得なかったという言葉が先に出た。
 ペスト菌を接種することもいけないことだし
 それでもやらないと自分が殺される。」
           (神谷則明さん)

731部隊が人体実験をしていたかどうか
政府も公式には認めていません。
しかし父の告白から得られる教訓は、
今の社会にも通じるのではないかと
神谷さんは話します。

「日大のアメフトの問題がそうだが、
 やってはいけないと思っても
 やらざるを得ない状況に追い込まれる。
 国会自体がそう、忖度するという状況。
 これはおかしいということを
 おかしいと言えるような状況を作り出して、
 保っていくことが大事だと思って今伝えている。」
                (神谷則明さん)


ピースあいちでは
今後も戦争体験者の証言を掘り起し、
神谷さんのような「語り継ぎ手」を
増やたいと話しています。