FEAUTURE特 集
ザ特集
ブランド品買い取り密着<後編>
18.08.23
大須商店街にある
コメ兵の買い取りセンターに密着です。
高級腕時計を持ち込んだ男性、
奥さんとの相談の末、
査定額に納得したのでしょうか。
「こちらで47万円」
中古買い取りの現場に密着した「モノを売る人々」。
子連で来店したお父さん。
7年前に80万円で買った高級ブランドの腕時計。
その査定額は?
「20万円」
(鑑定士)
「これって今、嫁さんに電話してもいいですか?」
(男性)
奥さんと携帯電話で緊急会議。
「時計だけど、20万円だって
どうする?俺はいいよ全然 どうするか決めてよ」
(男性)
奥さんの反応は...
「"もうちょっと"らしいです
"気持ち"お願いします」
(男性)
奥さんの要望を受け、鑑定士に食い下がるのだが...。
「僕としてももう目いっぱいお出しできるところまでは
がんばらせていただいてのお値段になりますので」
このあとは子どもと買い物の約束を控えているお父さん。
「はい わかりました いいです はい」
(男性)
結局、値段はかわらないままだったが、交渉は成立。
「時計は若干安かったかなと思いますね
他で売るとか、いろいろ考えたんですけど
きょうここに来るのも時間使いますし
他に売ろうと思うとまた時間かかりますし
その時間を計算したときに今売った方が得だなと思って」
(男性)
このあと釣具店とカードショップへ行く予定があり、
交渉にかける時間はあまりないようだ。
足早に店を後にした。
今度はたくさんの袋を抱えた50代の女性が来店。
持ってきたのは、着物だ。
「亡くなった母の着物なんですけれど
遺品整理というか、そういうことをしてまして
(タンス)の奥の方からぞろぞろと出てきたものですから」
(女性)
亡くなったお母さんのタンスで
眠っていたというこちらの着物。
「お母さまは着物を着られる方だったんですか?」
(鑑定士)
「(子どもの)入学式とか卒業式は必ず」
(女性)
遺品から懐かしい記憶がよみがえる。
手放してしまうのは名残おしい気もするが...
「着物は私たちも家族も着ませんし
着るのではなくリサイクルで
何かできるんじゃないかなと思って」
(女性)
捨ててしまうくらいなら、誰かに使ってほしい。
母親の遺品を無駄にしたくないという思いで、
この日は店に足を運んだようだ。
着物3着と付属品を合わせた合計の査定額は1200円だ。
「満足しております
引き取っていただけるだけでも
捨ててしまえばごみになってしまう
誰かに使っていただけるものがあれば」
(女性)
亡き母の遺品整理もこれでひと段落。
女性は晴れやかな表情で店を後にした。
新しく買い換えるためにモノを売る人もいれば
大切に想うがゆえにそれを手放す人も。
きょうも中古品の買取カウンターには
「モノを売る人々」が訪れている。