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FEAUTURE特 集

ザ特集

水害から父子で守った美容院

18.08.29

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岐阜県関市の上之保地区で、
7月に豪雨ため川が氾濫し、
多くの家屋や店舗が
床上浸水などの大きな被害を受けました。

この水害を乗り越え、
再開にこぎつけた美容院の親子に密着しました。

岐阜県関市上之保にある「しらゆり美容室」。

経営者の長谷部清二さん63歳と、息子の文哉さん、28歳。

この夏に上之保地区を襲った水害で、店は全面改装を余儀なくされました。

7月に発生した、西日本豪雨。

関市では、7日の深夜から8日未明にかけて津保川が氾濫し、濁流が町を襲いました。

「水が入って来た時は表のウインドーガラスが割れて、バーンという勢いだった」
                (しらゆり美容室 長谷部清二さん)

水は1階と2階をつなぐ階段の途中まで来ていました。

1階の店舗から命からがら逃げ出した清二さん。

離れて暮らす息子の文哉さんが異変に気づいたのは、7月8日未明のことでした。

朝5時、実家に向かおうとしたものの、橋が冠水し、なかなかたどり着けません。

上之保に到着したのはこの日の午後。

そこで目にしたのは、変わり果てたふるさとの姿でした。

文哉さんが被害の現状をブログで発信すると
それを見た仲間たちが次々と駆けつけ、復旧作業が始まりました。

ところが・・・。

「水害はただ水が来るだけだと思っていたが、
 水害の一番の被害は泥だというのを今回初めて知って。
 泥が酸っぱい匂いがする。
 父親が『店を再開してもお客さん来るかな』と言ってすごい弱音を吐いた」
                 (長谷部 文哉さん)

「すぐに再開するつもりだったが、店の状態を自分でしっかり把握したら、
 もうできる状態じゃない。テンション下がった」
           (しらゆり美容室 長谷部清二さん)

悪臭を放つ壁や床は全面的に張り替えが必要。

心折れる清二さんの背中を押したのは、文哉さんでした。

父と同じ、美容師の道を歩み、関市内の別の場所で、店を構えている文哉さん。

災害から9日目のブログには
開店当初の「しらゆり美容室」や幼いころの写真とともに、こんな言葉を綴っていました。

『お客様のおかげで、ご飯が食べられているから、お客様に感謝するんだぞ』
『父親の背中を見て育ち......父親を超えられる美容師になりたい』
                       ~ブログより~

そんな文哉さんの思いもあって、営業再開を目指すことになった「しらゆり美容室」。

「息子がいろいろと考えてくれて、
 息子の店と同じような雰囲気を出したいということで、やってくれました。
 ほんとにうれしいです」
      (しらゆり美容室 長谷部清二さん)


清二さんが再び、はさみを握ったのは、
災害から18日目、7月25日のことでした。


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