FEAUTURE特 集
ザ特集
外国人の進学阻む"壁"
18.12.20
高校に進学できない外国人の子供たち。
立ちはだかっているのは
"言葉の壁"だけではありませんでした。
森本謙くんは14歳 中学2年生
母親はフィリピン人 父親は日本人です。
小学6年生までフィリピンで生活していた謙くん。
父親を病気で亡くし、母と弟の3人で日本にきました。
2019年春からは中学3年生の謙くん。
その先の進路を考える年齢です。
「高校に行きたい」
(森本謙くん)
来日して約2年
友達もでき、日常会話の日本語は
分かるようになりました。
でも授業で使われる日本語は、
まだまだ分からないことも多いようです。
「学習言語は生活の言語と違うのですごく難しく感じる
言語(の習得)が追いつかないと進学まで至らない」
(愛知県国際交流協会
交流共生課荒井彰子さん)
統計によると、県内で暮らす15歳から17歳の外国人のうち、
高校に通っているのは、3割にも満たない数字です。
言葉以外の理由で、学校に行けない外国人の子供もいます。
フィリピン人のワブ・カールくんは16歳。
平日は江南市内のねじ工場で働いています。
学校には行っていません。
週末、こうした日本語教室に参加して
日本語の勉強をしています。
難しい日本語は分からないので、
高校入試は受けることができませんでした。
中学校は年齢超過、
いわゆるオーバーエイジのために入れません。
どこにも、行ける学校がないのです。
「日本の中学校の年齢(15歳)を
超えてしまっていると中学校には入れない
高校には受験資格がなかったり進学できる
日本語能力がなかったりして進学できない人もいる」
(愛知県国際交流協会
交流共生課荒井彰子さん)
高校入試に臨めるほどの日本語力を
身につけるには時間がかかります。
進学を諦めてしまう子供も少なくありません。
愛知県国際交流協会は、日本語教室やボランティアなど
地域のサポートもあるので進学の道を
諦めないで欲しいと話しています。
「やる気があれば中学校の卒業年齢ではなくても
20歳や21歳受験する人も中にはいます」
(愛知県国際交流協会
交流共生課荒井彰子さん)
平日は朝から工場で仕事をしているカールくん。
日本語の授業を受けられるのは週末だけですが、
時間をかけて学んでいきたいと考えています。