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ザ特集

女性鬼師 伝統受け継ぎ"招き猫"商品化

19.01.24

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高浜市で伝統文化を継承する
女性が「招き猫」をつくって
話題を集めています。


「うまく焼けた かわいい」

この招き猫、
実は"瓦"でできている。

これを作ったのは、
高浜市の鬼瓦職人・岩月久美さん。

全国でも珍しい"女性鬼師"だ。

"鬼師"とは、神社や寺などの屋根に取り付けられている
飾り付きの瓦『鬼瓦』を専門で作る職人のこと。

岩月さんが鬼瓦作りを始めたのは、今から18年前。
同じ鬼師で夫の秀之さんが鬼瓦を作る姿を、
間近でみているうちに、興味がわいたのだ。

「粘土で手作りするところに
 とっても興味が湧いて
 最初は見てたんですけど
 もしかしたら私も作れるかなと思って」
(鬼瓦職人 岩月久美さん)

鬼瓦作りは、粘土を盛り付け、形を整えたあと、
約1カ月間、棚でじっくり乾燥させ、
その後、窯で数日かけて焼き上げる。

1つの鬼瓦ができるまでに、2カ月もの期間がかかる。

ただ、最近は瓦業界も苦戦を強いられているという。

「瓦が重たいというイメージが強くて
(震災の)映像を見て 瓦が屋根から落ちてきたり
(瓦が)バラバラになった映像を見ると
 新しく家を建てたい方は瓦を使いたくない」
(岩月鬼瓦・鬼石 岩月秀之さん)

高浜市など西三河地方で生産される瓦は
「三州瓦」と呼ばれ、
出荷量は全国の約7割を占めている。

しかし、和風建築の減少に加え、
地震の際に屋根から落ちやすいなどの
悪いイメージも重なり、業界全体が冷え込み、
出荷量は20年前に比べ3分の1程度まで落ち込んでいるという。

そんな中、伝統の技術を何とかいかしたいと、
岩月さんが活路を見出したのが...

「お寺の鬼瓦を作る合間をぬって、一つずつ」
(鬼瓦職人・岩月久美さん)

鬼瓦づくりの手法で作られた招き猫。
鬼瓦になじみのない人たちを取り込むのが狙いだ。
名前は「き」を「鬼」に変えた『招鬼猫』。

2018年、東京ビッグサイトで行われた展示会に出展したところ、
これまでない色合いなどが来場者の興味をひき、
問い合わせが相次いだ。

ホームページと一部の土産物店でしか扱っていないが、
売り上げは前年比で6倍以上になったという。

「触るといぶし瓦の特徴で黒くなるんですね」
(鬼瓦職人・岩月久美さん)

はじめは渋い銀色だが、
経年劣化や人が触ることで
黒くなっていく特徴を持つ「いぶし瓦」。

この招鬼猫は、なでると手の脂で黒く変色する。


黒い招き猫は「邪気を払い福を呼び込む」と言われ
店先に置くと商売繁盛するとの言い伝えもあるため、
触れば触るほど福と客を呼ぶとあって人気急上昇中だ。

「2018年は小さいサイズだけだった
 2019年は中と大を作ったんです」
(鬼瓦職人・岩月久美さん)

2019年は、要望の多かった
大きめのサイズも加えて展示会に出展し、
さらに「招鬼猫」をキャラクター化し、
様々なグッズも売っていきたい考えだ。

「インテリアとして飾ってもらって
 身近に変化した形で(鬼瓦が)残っていければいい」
(鬼瓦職人・岩月久美さん)

この瓦製のまねき猫。
業界の救世主になるかもしれない。