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FEAUTURE特 集

ザ特集

天守閣"先行解体"で大丈夫? 後編

19.02.14

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木造復元を目指している名古屋城について、
河村市長は、解体を先行して行うことで、
2022年の完成を目指す方針を示していますが、
計画は順調に進むのでしょうか?


河村市長が目指す名古屋城天守閣の木造復元。

しかし・・・

「こちら(石垣部会)側が指摘している
 専門的見地からの意見が計画に反映されていない」
           (佐賀大学・宮武正登教授)


名古屋市の有識者会議「石垣部会」は、
石垣の保全方法が不十分と指摘。
このため木造化に必要な、
文化庁に対する申請ができず、計画は難航している。

そんな中・・・

「解体だけ出します。解体だけ」
(名古屋市・河村たかし市長)

河村市長は、天守閣の「解体」と「復元」を分けて、
「解体」だけを先に申請する意向を文化庁に直接伝えた。

「解体を先にやれば、
 当然のことながら、石垣も調査しやすい」
           (河村たかし市長)

「2022年の木造天守閣の完成」
その目標を死守するのが、方針転換の狙いだ。
しかし、石垣部会のメンバーのひとりは・・・


「申請をしたからすぐに許可されて
 壊せるということになるとはとても思えない」
         (奈良大学・千田嘉博教授)

千田教授は、河村市長のやり方は手順が逆だという。


「先に解体するということを文化庁に申請していいか
 議論を全く委員会でしていない。
 市長がまず、名古屋市が組織している
 名古屋城の全体整備検討委員会、
(石垣部会などの)専門委員会に審議をするように諮って、
 その結論を文化庁に申請するのが手順」
          (千田嘉博教授)

この指摘に対し、名古屋市は、
「今後、委員会で審議してもらい合意を得たい」としている。
しかし・・・


「もし仮に議論を尽くした上で、
 今の鉄筋天守の解体はあり得ると思う。
 その場合、木造で天守を復元することとは別。
 解体はしたが、次の木造天守は
 建たないことは大いにあり得ると思う」
           (千田嘉博教授)

河村市長を直撃した。


「もう建物が危ないもんでどうにもならん。
 入場禁止までしとる、5月から」
      (河村たかし市長)

あくまで耐震強度の不足を理由に、解体を急ぐべきだと強調。
文化庁への解体申請は許可されると自信を見せた。
本当に2022年に木造天守閣は完成するのか。


「解体工事を始めて、それをするから
 木造天守計画が予定通りというのは、
 私はどう考えたらそんな風になるのかなと思う」
               (千田嘉博教授) 

Q:2022年の完成は死守する?

「その予定でやっております」
     (河村たかし市長)

名古屋市は来年度予算案に、解体工事の準備費用として
約9億6000万円を計上したが、今後も紆余曲折が予想される。


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