FEAUTURE特 集
ザ特集
ザ・特集 なぜワクチンを"打てない"のか?
19.02.20
豚コレラの感染が相次いだ田原市などからは、
感染拡大を防ぐため、ブタにワクチン接種を
求める声が高まっていますが
国は慎重な姿勢を崩していません。
なぜなのでしょうか?
2日連続のシリーズ1回目の20日は、
「ワクチンのメリット」です。
犬山市のとある山の中。
木をかき分け奥へ進んでいくと・・・
「これがイノシシの足跡」
(猟友会)
ここは、野生のイノシシが出没するという場所。
国からの要請を受け、犬山市の猟友会が行う
野生イノシシの調査捕獲です。
これまでより1割多くのワナを張り、
イノシシ捕獲に力を入れています。
「犬山市内で20頭捕獲して
そのうち9頭が陽性の豚コレラ」
(犬山猟友会 丸山泰裕さん)
捕獲した野生イノシシのうち、
豚コレラに感染していたのは、実に半数!
イノシシは豚コレラ拡大の原因とされますが、
ウイルスは、養豚場の中へ。
2018年9月に岐阜市で発生が確認された豚コレラ。
愛知県から5府県に感染が拡大しています。
先週には、田原市で新たに2件の
養豚場で豚コレラが発生。
現場は、10以上の養豚場が密集する地区で
"養豚団地"と呼ばれています。
「極めて深刻な事態だ
全力で事に当たっていただきたい」
(愛知県 大村秀章知事)
愛知県は、養豚団地で飼育する
約16000頭の豚すべての殺処分を決め、
自衛隊に災害派遣を要請しました。
「昔から豚で恐れられた病気です
かつて人間でばたばた死んでいくコレラという病気があって
(豚コレラの)病原体が分かっていない時代に
豚でばたばた死んでいるだから豚コレラという名前がついた」
(岐阜大学応用生物科学 杉山誠教授)
豚コレラは、豚やイノシシ特有の伝染病で、
人には感染しません。
伝染力が強く、ひとたび感染すれば、
ほぼ全ての豚が死に至ります。
日本で初めての豚コレラ感染が
確認されたのは明治21年。
アメリカから輸入された豚からでした。
「昭和の初めには何万頭も発症という記録が残っている
何千頭レベルでずっと発生が続いていた
豚を飼い始めた時からの悩みの種」
(岐阜大学応用生物科学 杉山誠教授)
1960年代、多いときには、
1年で約2万4千頭も発症しましたが、
1969年を境に発生が激減、
1992年を最後に確認されていませんでした。
一体、何があったのでしょうか?
「撲滅したのはワクチンで間違いない」
(杉山教授)
"豚コレラ"を激減させた鍵は、ワクチン!
豚に接種することで感染を防ぐとされています。
豚コレラの撲滅にともない、
現在までワクチンの使用は中止されていますが、
未だ拡大が続く中、農家からはこんな声も...
「半分諦めている
(豚コレラが)来るのを覚悟している
時間の問題で広がると思う
愛知県と岐阜県はワクチンを打ってほしい」
(養豚農家)
18日には、田原市の市長が、
ワクチン使用を認めるよう
大村知事に要請しました。
しかし...
「ワクチンの使用に関しましては
最終手段だと考えている」
(吉川貴盛農水大臣)
ワクチン接種に国が慎重なのは、
なぜなのか?
21日、その理由が明らかに!