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FEAUTURE特 集

ザ特集

密着!"プロ経営者"のインターン

19.03.27

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欧米などでは一般的な「プロ経営者」。

会社の再建などのため社外から招聘され、
トップに就く人材で、
日産やマクドナルドなどが知られていますが、
そのプロ経営者を
新卒から育てようという
取り組みを名古屋の会社が始めました。

なぜ、今プロ経営者なのか?

初めて行われた
インターンシップに密着しました。


今、この地方のクルマづくりを支える
中小企業の多くが、"ある問題"を抱えています。

内装部品を手掛ける「三井屋工業」は、
その問題を克服できず、会社を売る選択をしました。

その問題とは?

「後継者問題。
 親族の中に後継者候補がいなかった。」
(セレンディップ・コンサルティング
             竹内在 社長)

信用調査会社の帝国データバンクによりますと、
愛知の中小企業で後継者がいない割合は68.3%にのぼり、
後継者不足が、深刻な社会問題となっています。

事業承継を支援する名古屋の
セレンディップ・コンサルティングは、
2018年、冒頭の三井屋工業を買収、
経営に携わる役員を派遣し、経営改革に乗り出しています。

今後の買収に備え、新たな取り組みも・・・。

買収先の企業に送り込む"プロの経営者"を自前で育てようと、
2019年に初めて学生向けのインターンシップを行いました。

参加したのは、名古屋大学大学院の齋藤太志さん。

「たぶんこのままいくと、
 日本のものづくりはどんどん地盤沈下するので、
 僕らの目標としてはそういうのを下支えしたい。
 志は高く。」
(セレンディップ・コンサルティング
               竹内在 社長)

2018年に買収した「三井屋工業」では、
セレンディップによる改革の成果が早くも現れ始めています。

案内役は、セレンディップから専務として派遣された梅下さん。

梅下さんらは、
1つの部品を作るのにかかる時間を工程ごとに見直し、
会社全体で、1日当たり平均17時間の削減に成功したのです。

「誰がどの製品を、
 何秒で作っているかというのが見えるようになった。
 とにかく"見える"ようにすることを一番重視している。
 "見える"ようにしたことで、どういう指導をしたらいいかとか、
 どういうアドバイスをしたらいいかとか、次の行動が"見える"。
 その一番スタートの"見える"化は、一番重要なプロセス。」
(三井屋工業取締役専務執行役員 梅下翔太郎さん)

齋藤さんはなぜ、
このインターンシップに参加しようと考えたのでしょうか?

「今の時代は、インターネットもあって、
 働き方改革も言われ、
 いろんな働き方をみんな"好きなように"じゃないですか。
 だから、(私は)多少むちゃをしてでも
 早く自分の中にものを入れていかないと、
 時代に置いていかれると思ったから。」
(名古屋大学大学院1年 齋藤太志さん)

実は、齋藤さんには今回、課題が与えられていました。

会社全体で、年間40万枚にのぼるというコピーをいかに減らすか、
その対策を考えるよう指示されたのです。

先輩の力も借り、自分なりのアイデアをまとめます。

そして、迎えた発表のとき。

齋藤さん、ずいぶん緊張していますが、それもそのはず!

集まったのは本物の経営陣。

重圧の中、齋藤さん、何とかやり遂げました。

経営陣の反応は?

「今のこの資料の中に
 "金額に換算するといくら"というのがあるとすごく響く。」
(三井屋工業取締役専務執行役員
            梅下翔太郎さん)

「もっと言うと、そこのコピー機のところで
 (順番を)待ってる時間がたくさんある。
 そこの労務費っていうか、人件費削減の視点も必要。」
(三井屋工業 野口明生社長)

予想もしなかった厳しいつっこみでした。

「いや、疲れました。緊張しました。
 コストを考えるのが、どれだけ大変か思い知らされた。」
(名古屋大学大学院1年 齋藤太志さん)

ディレクター:それが経営です。

「学びました、少し。
 ほんのひとかけらですけど。」
(名古屋大学大学院1年齋藤太志さん)

セレンディップ・コンサルティングは、
5年後を目標に、自前のプロ経営者を誕生させる計画です。


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