FEAUTURE特 集

ザ特集

学校に行けない子どもたち

19.03.28

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入管法の改正で在日外国人の
増加が見込まれるなか、
海外から来日した子どもたちが
抱える深刻な悩みがあります。

「学校に行きたくてもいけない」という
子どもたちを取材しました。

2018年10月、一宮市で外国人を対象にした
無料日本語教室が開かれました。

フィリピン人通訳の伊藤クリスティーナさんは
在日外国人の日本語支援をしています。

中村竜二くんは母親がフィリピン人で父親は日本人です。

竜二君は今年17歳。
日本の高校に通いたいと考えています。

「竜二は高校進学を希望しています
 将来はエンジニアになりたいそうです」
(竜二くんの母 タハレさん)

タハレさんは20代のときに興行ビザで来日し
日本人男性との間に竜二くんを授かりました。

日本国籍を持つ竜二くんと一緒なら
日本で仕事につけると聞き、再来日しました。

Q.「フィリピンにはそうやってリクルートする人が?」
A.「いる」

「日系の子どもたちがいるお母さんを
 探す業者がフィリピンにはいるんです。」

竜二くんが生まれたフィリピンダバオ市
市内ある学校を取材しました。

生徒の7割が日系人で、
親が日本に出稼ぎをしている生徒も多く、
ほとんどの子どもが、
いつかは日本に行きたいと考えています。

「両親が日本にいるから日本に行きたいけど
 言葉が難しいので日本語を頑張る。」
(生徒)

ただ問題もあります。

「フィリピンには日本へ行きたい人たちをだます
 悪いコーディネーターもたくさんいます。
 子どもの学校は用意してある 仕事もあると言って
 日本に行ってみたら何もなかったり
 パスポートだけを取られてしまい
 二度と国外へ行けなくなったりした人もいました。」
(アデラィアパナギィトン校長)

竜二くんがやってきたのは教育委員会。
受験できる高校を見つけるためです。

「お母さんがどうしたら良いかわからなくなって
 それを市役所の方に行ってきたんですよ。
 日本語がわからないっていう事で
 日本語教室に行きなさいって言う
 話だったらしいんですね。
 お母さんの解釈としては
 まず日本語を勉強してからでないと
 高校に行かせる事も出来ないって。」
(フィリピン人通訳 伊藤クリスティーナさん)

「日本の学校の中では支援はしているが
 基本的には日本語の授業になりますから
 私たちとのやりとりでも難しいなと言う事であれば
 今すぐでなくても良いのでは?と」
(教育委員会 担当者)

「入り口の段階で先にそれを言われてしまうと悲しい。
 子どもたちは仕事をしてしまうと
 なかなか学校に戻すのが難しい。」
(フィリピン人通訳 伊藤クリスティーナさん)

伊藤さんの助けもあって
日本語が苦手な竜二くんでも
高校を受験できることがわかりました。

竜二君が受験するのは定時制の
県立城北つばさ高校の「ものづくり科」です。

「エンジニアになりたい」という
夢のスタートラインにようやく立てました。

「今まで受験できない事がすごく不安だった。
 最初は待っても待っても
 日本の高校に入る方法がなかった。
 だんだんその方法がハッキリと見えてきて
 とても感謝しています。」
(中村竜二くん)

「日本も外国人を受け入れているのなら
 その環境を含めて体制づくりや
 環境づくりを考えないといけない時代になっている。」
(フィリピン人通訳 伊藤クリスティーナさん)

合格発表の日がやってきました。
はたして竜二くんは高校にいけるのでしょうか?

続きは29日午後3時30分から放送の
「漂流少年~学校に行けない
 外国ルーツの子どもたち~」
でお伝えします。

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