FEAUTURE特 集
金スぺ
南海トラフ巨大地震 "半割れ"に備える
19.04.26
新コーナー「備えるあいち」です。
地震や台風など様々な災害にそなえて
私たちは何をすべきなのか?考えます。
1回目は「南海トラフ巨大地震」。
みなさんは「半割れ」ってご存知でしょうか?
南海トラフ巨大地震。
今後30年以内に、マグニチュード8から9クラスの
地震が発生する確率は70~80%と言われています。
国は、巨大地震につながる可能性がある
「異常な現象」が起きた場合に、
気象庁から「臨時情報」を出します。
「異常な現象」には、「半割れ」と「一部割れ」、
それに「ゆっくりすべり」があります。
「一部割れ」とは想定震源域で
マグニチュード7クラスの地震が発生した場合です。
この段階では大きな被害は想定していませんが、
巨大地震の前にこうした地震が起こるケースもあることから、
国は必要に応じて自主避難するよう住民に呼びかけます。
また「ゆっくりすべり」とは、
地下の岩盤の境目がわずかにずれ動いた場合で、
地震への備えを再確認するよう求めます。
「異常な現象」のうち、
もっとも被害が大きいのが、「半割れ」の場合です。
「半割れ」とは、震源域の東西どちらかで、
マグニチュード8クラスの巨大地震が発生するケースで、
残りの地域でも続けて地震が発生する可能性が
高くなるといわれています。
「例えば昭和の東南海地震と南海地震というのは、
2年の間で地震が起きていますし、
もう1回前の安政の東海地震と
南海地震の時は32時間差。
片側で起きた時には、残りの半分で
地震が起きる可能性が高い。」
(名古屋大学・福和 伸夫 教授)
「半割れ」の場合、
国は、続いて地震が起こると
津波の危険が高い地域の住民に対し、
「1週間の避難」を呼びかけます。
「半割れの状態の時には、既に被災した側は
東日本大震災の被災地よりもひどい状況になっている。
その時、隣のまだ起きていないところでは、
すぐに地震が起きる可能性もある。
けれど、みんなが特別な対応を取りすぎると、
日本全体が止まってしまう。
津波などでどうしても逃げられない人たちは、
少なくとも1週間避難する。
それ以外のところは、命を守る行動のゆとりがあれば、
可能な限り社会機能を維持してもらいたい。」
(名古屋大学・福和 伸夫 教授)
その上で、福和教授は・・・
「昔から自分の命は自分で守るのは当たり前。
危険なところを避けるのは当たり前だった。
家が壊れないようにする。
家具が倒れないようにする。
その上で津波の危険度が高いところは、
揺れたらすぐ避難ができる準備をしておく。
そして避難をする時に、必要なものを
ちゃんと持っていけるようにする、
ということに尽きます。」
(名古屋大学・福和 伸夫 教授)
「半割れ」の際にどの地域に対し
事前の避難を求めるのかについては
今後、自治体が対象地域を
指定することになります。