FEAUTURE特 集

ザ特集

高校生が"完全養殖"に挑戦

19.05.15

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ウナギの稚魚の
天然シラスウナギの不漁が続く中、
ウナギに卵を産ませ育てる「完全養殖」に
蒲郡市の高校生が挑戦しています。

蒲郡市にある愛知県立三谷水産高校。
生徒がバケツから取り出したのは・・・
ウナギ。

生徒たちが取り組んでいるのは、
ウナギの完全養殖です。

養殖ウナギの卵をふ化させ、
稚魚であるシラスウナギまで育てるのが目標です。

取り組むのは海洋資源科3年生の6人。
シラスウナギを育てることができれば
ウナギの完全養殖が可能になります。

「親(ウナギ)から子どもをとって
 子どもをシラスウナギまで
 育てることができれば
 シラスウナギから親にすることは可能
 高校レベルで(シラスウナギ減少の)
 穴埋めができないかと」
(三谷水産高校 小林清和教諭)

全国有数の養殖ウナギの
産地として知られる愛知県。

ところが近年、
シラスウナギが採れる量が減少し、
2018年はついに10トンを切る事態に。

取引価格も1キロ299万円と高騰し、
養殖業者の経営を圧迫しています。

「平成29年(2017年)と比べると
(シラスウナギが)4割から6割減っている
(シラスウナぎが)減ったことが原因で
 養殖業者が非常に苦しんでいる状況」
(愛知県水産試験場内
 水面漁業研究所 鯉江秀亮さん)

シラスウナギの高騰で、
食卓から遠ざかるウナギ。

ウナギの完全養殖の実用化は、
業界の夢でもあります。

実は三谷水産高校は、2018年、
ウナギのふ化には成功しています。

そのときの映像がこちら。

ところがふ化したのはわずか10数匹で
すべて1週間ほどで死んでしまいました。

先輩たちの後を継いだ3年生たち。
目指すのは・・・

「2018年(先輩が)できなかった
 エサを与えるところまで育てたい」

メスのウナギから取り出しているのは卵。

受精できる状態まで成熟しているかどうか
確かめるためです。

「受精可能な卵と精子が
 うまくかみ合わないと受精しない
 良いタイミングで受精させる」
(三谷水産高校 小林清和教諭)

取り出した卵はどんな状態でしょうか。

調べたところ、飼育しているウナギの中に
受精可能な卵が見つかりました。

「きわめて透明感があって
 比較的いい卵だと思う」
(三谷水産高校 小林清和教諭)

産卵を早めるため、排卵誘発剤を注射しようと
するのですが...

「まいったことに(針が)刺さらんな」

「弾力がありすぎて難しい」

ぬるぬるして弾力のあるウナギの体に悪戦苦闘。

あまり時間をかけてしまうとストレスで
産卵に悪影響を与えてしまうそうです。

メス2匹とオス4匹を1つのかごに入れ、
水槽に沈めます。

翌朝。
果たして産卵は成功するのでしょうか?


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