FEAUTURE特 集

ザ特集

高校生が"完全養殖"に挑戦<後編>

19.05.16

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蒲郡市の高校生が挑戦する
うなぎの完全養殖。
第一のハードルは卵のふ化でした。


蒲郡市にある県立三谷水産高校。

この学校の3年生が挑戦しているのは、
うなぎの完全養殖。

養殖ウナギの卵を孵化させ、
稚魚であるシラスウナギに育てようという試みです。

「親(ウナギ)から子どもをとって
 子どもをシラスウナギまで
 育てることができれば
 シラスウナギから親にすることは可能」
(三谷水産高校 小林清和教諭)

養殖に欠かせない稚魚のシラスウナギは、
近年採れる量が激減していて、
2018年は年間10トンを切る事態に。

このため国産のうなぎの価格は高騰。

日本の食卓からウナギが消えるのではとの
声も聞こえています。

この日生徒たちは、
卵を持ったうなぎのメスとオスを
一つのかごに入れ、水槽に沈めました。

自然産卵させるためです。

翌朝。
成功していれば水面に
受精卵が浮いているはずです。

「小林先生 コレ違いますか?」
(生徒)

たしかに水面には、
受精卵らしい白い粒が。

小林先生の考えは・・・

「ただ本来産んでいれば
 (水面に卵が)パーっとたくさんある」
(三谷水産高校 小林清和教諭)

どうやら産卵は失敗したようです。

そこで今度は、メスの卵子を取り出して、
人工授精を行うことにしました。

鳥の羽根を使ってオスから採った
精子と卵子を混ぜあわせます。

人工授精は手作業です。

うまくふ化してくれると良いのですが・・・

卵を入れた水槽に覆いをかぶせます。
ウナギは、光が届かない深い海底で
ふ化するといわれているからです

人工授精から2日後。
果たしてふ化は成功しているのでしょうか。

ふ化した卵は見つかりませんでした。
原因は、卵が育ちすぎていたからでした。

「(授精させるのが)遅すぎた
 若干(大きさが)オーバーしていた」

「卵の状態が良くなかったから
 ウナギの場合は非常にシビア 厳しい
 1個でも2個でも悪い卵があると
 他の卵まで悪くなる
 毎週産卵ができるように
 良い親をどう作るか 調べてください」
(三谷水産高校 小林清和教諭)

「ずっとがっかりしても仕方ないので
 次も同じ失敗をしないように頑張りたいです」
(生徒)

「もっとウナギの生態とかを勉強して、
 さらなるレベルアップとか、
 成功に近づきたいなと思っています」
(生徒)

生徒たちの挑戦は、まだ始まったばかりです

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