FEAUTURE特 集

ザ特集

<半日運動会>背景に"大人の"事情が!?

19.05.23

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名古屋の小学校を中心に、
運動会を午前中で終わらせる
「半日運動会」が増えていますが、
その背景には「大人の事情」がありました。


18日、熱田区の
高蔵小学校で行われた「半日運動会」。

12の種目を午前9時から正午までの3時間で
消化しないといけません。

5、6年生の短距離走が終わり...

次は1、2年生の「表現運動」。
ボールや棒を使って踊ります。

急いで道具を運んで
準備に取り掛かったのですが・・・

あれ、こちらの子、棒がありません。

「棒がない!棒」
(先生)

急がないと、
どんどん時間が過ぎていきます。
先生も大慌てです。

教員の動きは、
まさに「秒刻み」で決まっています。

「(時間が)いい感じだね」
(先生)

先生たちの頑張りで運動会の進行も順調です。
しかし、大変なのは本番当日だけではありません。
事前の準備もあるんです。

「親子競技で使っていた二人三脚のヒモ
 器具の用意、数の確認や手配もある
 そういったことも悪く言えば教職員の負担になる」
(名古屋市立高蔵小学校 森 雅広校長)

これは名古屋市内の、ある小学校の教員の1日です。
ご覧のとおり朝からスケジュールがびっしり。

これに運動会の準備などが入ると
労働時間はさらに増えます。

愛知県教育委員会の調べでは、
1割以上の小学校教諭は、
月の残業時間が過労死ラインの
80時間を超えているといいます。

教育現場の労働問題に詳しい
名古屋大学大学院の
内田良准教授に話を聞きました。

「運動会も子どものためという意味では
 たくさんやることも大事だが
 結局それだと先生方が毎年倒れていく
 これまで中学校の部活動が
 長時間労働解消の目玉となってたが
 もう一つ大きいものは学校の行事
 行事もやりすぎているし練習でも時間を使う
 ということでいかに学校行事を削減していくか
 全国各地で起きている」
(名古屋大学大学院 内田良准教授)

これは名古屋市教育委員会が
各学校に配布した文書です。

内容は
「教職員の働き方改革の推進について」。

業務改善の項目には、
「行事などの抜本的な見直しが必要」と
書かれています。

そして2019年、名古屋市の小学校261校の
6割以上にあたる164校で
運動会が半日になりました。

最後の種目は「大玉送り」。
運動会は問題なく午前中に
すべての種目を終えることができました。

保護者の感想は?

「最初は"えっ?"と思ったが
 きれいにまとめてもらい良かった」
「あっけなく終わった 半日なんで・・・」
「お弁当がなくて楽なのはすごく助かった」
「お弁当を作る手間がなく
 楽しさはそのままというのがいい」
(保護者)
「もっとやりたかった」
(児童)

半日運動会に賛成か反対か
運動会に来ていた
保護者100人に聞いたところ、
半数の50人が「賛成」と回答しました。

賛成の理由としては、弁当を作らずに済む、
短い時間で集中できる、といった意見がありました。

逆に、弁当の時間が楽しみだったので「反対」
という意見もありました。

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