FEAUTURE特 集

ザ特集

環境を破壊 どうする?"困った植物"

19.06.19

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碧南市で、
川の環境を破壊するある植物が
問題になっていて、
ついに市が本格的に
その駆除に乗り出しました。

それは一体どんな植物なのか?
地元の人に話を聞きました。

「わからない」
「ちょっとわからないですけど...」

地元の住民でも知っているのはごくわずか。
その植物は衣浦港につながる
堀川の河口近くの川岸に自生しているといいます。

現場に向かいました。


「びっしりと生えています。
 橋の奥のあたりまで
 100mにわたって生えています。」
           (石垣記者)

名前は
「スパルティナ・アングリカ」
イギリスで自生していた
イネ科の植物の雑種を起源とする植物で、
特定外来生物に指定されています。
一体どんな被害があるのか?
スパルティナ・アングリカの
駆除について研究している
花井隆晃さんに話を聞きました。

自生している一本を抜いてみると...。

「結局こういう所に根っこも含めて泥を引っかけていく。
 どんどん泥が周りにたまっていく現象が起きる」
(日本スパルティナ防除ネットワーク
              花井 隆晃 事務局長)

花井さんによりますと、
水分を多く含んだ湿地に
スパルティナ・アングリカが生えると
網の目のように張った根の上に
泥がたまっていきます。
たまった泥が乾いて固まり
生物が住めない環境に変わってしまいます。

花井さんたちは4月、
国や県、それに市の職員らとともに
除去作業を行いました。
生い茂るスパルティナ・アングリカは
一掃されたかと思いきや...


「ここが4月除去したところです。
 向こうまでずっと復活してますね。
 大きいので40センチくらいありそう」
       (花井 隆晃 事務局長)

恐るべき繁殖力です。


18日碧南市議会で、
市はスパルティナ・アングリカの
除去作業の費用として
540万円を盛り込んだ
補正予算案を提出しました。


「すでに堀川の河川内部にも
 分布をしていることがわかり
 人力では(除去が)難しいので
 今回補正で委託料をあげた」
     (碧南市建設部長)

市によりますと、重機を使って
スパルティナ・アングリカを
砂ごと根こそぎとって
別の砂を埋め戻す計画です。

しかしなぜ、この場所に生えたのか?

専門家も謎が多いとしながらも
被害が拡大している中国から
「種」が持ち込まれた
可能性があると話しています。


「種で増えるというのが実は非常に怖くて
 渡り鳥の脚に付いて泥が運ばれる危険もある。
 種だと5ミリか6ミリくらい脚の間に
 泥がたまった所に混じって入り込んだ可能性はある」
        (愛知教育大学・芹沢俊介名誉教授)


放置すれば近隣のほかの干潟にも
被害が広がりかねないと
花井さんも危機感を募らせます。


「早く対策しないと
 もう抑えきれなくなってしまうので
 早く対策が必要だと思う。
 外来種の防除は早期発見、
 早期対策が一番効果的」
 (花井 隆晃 事務局長)

碧南市は補正予算案が可決されれば
この秋にも除去作業に着手し、
2019年11月までに一掃したいとしています。


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