FEAUTURE特 集

ザ特集

1年生だけの高校野球部

19.07.01

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参加数全国一の188校が
しのぎを削る高校野球愛知大会。
2019年、この激戦区に
1年生ばかりのチームが
挑みます。

2019年、新たに誕生した高校野球チーム。
チームメイトは全員、1年生だ。

愛知県立新城有教館(しんしろゆうきょうかん)高校。

新城高校と、新城東高校を統合し、
2019年4月に開校した新設校で、
生徒は1年生だけだ。

新城東高校は現在の2年生が卒業する
2021年までは存続するので、
今は同じ校舎に2つの学校が同居している。

新城有教館の野球部は部員11人。
紅白戦もできないほどのぎりぎりの人数だ。

そんな新しいチームを任されたのが
杉浦聡(すぎうら・さとし)監督。

杉浦監督は同じ東三河の国府(こう)高校野球部出身。
今回初めて硬式野球部の監督を任された。

1年生だけの野球部のために、
監督が重視したのは体力づくり。
練習にも走るメニューを多く取り入れて、
長期計画でチームを作っている。

「体もまだできてませんし、ケガのないように、
 夏の大会は全員ケガなしで向かうのを
 目標としてやっています。
 まだまだ技術的にはこれから3年間かけて
 しっかり作っていく
 1年生らしくはつらつとしたプレーを目標に
 うまいへたは関係なく、
 まずは思いきり野球を楽しむ
 1球を追いかける楽しさを味わって欲しい」
(新城有教館 杉浦聡監督)

「お願いしまっす!」
キャプテンの山本峻作(しゅんさく)くん。

同じ1年生のチームメイトから
推されて主将になった。

「今は1年生だけなので、
 1年生らしく全力であきらめずに
 最後まで戦う姿勢を
 貫いてやっていきたい」
(キャプテン 山本峻作くん)

グラウンドには、青いユニホームを着たチームも。

校舎が同じ新城有教館と、新城東の野球部は、
グラウンドと野球場を交替で使っている。

新城東はかつて県大会ベスト8まで進んだこともあり、
野球を続けたくて進学してくる生徒も多い。
2、3年生だけのチームは21人。
高校野球連盟には、新城有教館とは別のチームでの
登録のため、一緒に練習はできない。

部員の1人、3年生の山本耕作(こうさく)くん。
有教館の山本キャプテンの兄だ。

「(弟と)野球を一緒にやりたかったが
 新しいチームで(弟が)キャプテンとして頑張ってる姿を
 見るのがうれしい気持ちもあるので」。
(新城東3年 山本耕作くん)

弟がまとめるチームは未知数。
ただ、消えていく自分たちのチームの歴史と伝統は
受け継いでくれると話す、兄の耕作くん。

「新城東自体が野球部が
 学校の中心であり続けた部活だった
 有教館でもあいさつや返事の仕方や
 立ち居振るまいを伝えるようにしている」
(新城東3年 山本耕作くん)

別チームの両校だが、
唯一、一緒に行う日課がある。

歌うのは新城東の校歌だ。
新城有教館の校歌でもある。
県大会で勝てば、兄弟一緒に歌うことができる。


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