FEAUTURE特 集
ザ特集
桜花学園"常勝チーム"の作り方
19.09.02
8月行われた高校総体の
女子バスケットボールで
24回目の優勝を果たしたのが
名古屋の桜花学園高校です。
30年以上にわたって
指揮をとってきた名監督に聞きました。
「常勝チームの作り方」とは?
8月、行われたインターハイ
=全国高校総合体育大会で桜花学園は、
24回目の優勝を果たしました。
チームを指揮するのは、
72歳の井上眞一監督
名古屋短期大学付属高校時代を含めると、
全国制覇の回数は65回に上る
女子高校バスケット界の名将だ。
「日本一になりたいという(自分の)気持ちと
選手たちもうちへ入学するときに
桜花で日本一をとりたいという気持ちで入学してくる
そういう気持ちが一致したときには
(チームの)強い力になると思う」
(桜花学園バスケットボール部
井上眞一監督)
桜花学園には、全国から優秀な選手が集まってくる。
それでも、井上監督はバスケットの基礎から教える。
「もっとしっかり指をかけて手首を下に向けて
ボールの回転を速くしろ、弱い!回転!!」
(桜花学園バスケットボール部
井上眞一監督)
神奈川県出身の朝比奈あずさ選手。
身長はチーム2番目の182センチ、
「未来の大器」として期待される1年生だが、
課題はシュートの確実性。
シュート力向上へ井上監督はこうした基本練習を徹底し、
体に覚えこませるのだ。
「自分に必要なことをアドバイスしてくれるので
先生が言っていることを
もっと自分ができるようになって
ステップアップできるようにしたい」
(朝比奈あずさ選手)
体育館の壁には、こんな張り紙がある。
井上監督から指摘された言葉を、
選手が記したものだ。
そこには"BOXOUT"とある。
ボックスアウトとは、
相手チームにリバウンドで競り負けないよう、
相手よりリング寄りの好位置を取ること。
相手の動きを封じ、
そこから反撃に転じるというのが井上監督の考えだ。
「ボックスアウトを続けてろ」
(桜花学園バスケットボール部
井上眞一監督)
「青く塗ったとこ、あそこの中に入ってくる
プレイヤーをいかに止めるか
落ちたボールを絶対に自分のものにするということで
セカンドショットを打たせないという意味では
ボックスアウトは重要である。」
(桜花学園バスケットボール部
井上眞一監督)
「体の向きとかこういう角度で守れとか
他のチームとやっていてもそんな細かいところまで
注意してやっているチームはないと思う」
(平下愛佳主将)
練習を終えた選手たちは、学校の一角にある寮に向かう。
26人の部員全員がここで寮生活を送っている。
井上監督は選手たちのいわば親代わり。
勉強の指導や進路相談などを親身に行っている。
記者:「練習の先生とは全然違う?」
選手:「全然ちがいますね
切り替えてくれるから、バスケはバスケ」
選手たちとの年齢差は50歳以上。
井上監督が教えるのは孫の世代だ。
「親元を離れてきていますので
全員が家族のような雰囲気で
生活できるといいなと思っている
コミュニケーションを上級生とも
下級生ともとれるという意味では
すごく(試合でも)有効なんじゃないですか」
(桜花学園バスケットボール部
井上眞一監督)
井上監督の34年間変わらぬ
「基本をしっかり教える」という方針。
これこそが桜花学園が
全国屈指の強豪であり続ける理由だ。