FEAUTURE特 集

ザ特集

母子手帳も"電子化!?"

19.11.19

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妊娠、出産の際に
支給される母子手帳。

しかし今や大切な育児の記録は
スマホで管理する時代です。


「電子母子手帳アプリ、いかがですか?」

11月14日に名古屋市内で開かれた
子育てイベントで紹介されたのは、「電子母子手帳」。

子育ての記録を電子データにし、
スマートフォンでみることができるアプリだ。

「育児日記や健康診断の記録を電子化することで
 簡単に管理することができるアプリです」
(スタッフ)

妊娠した女性に自治体が交付する「母子手帳」。

日本では、約70年前から始まった制度で、
妊婦健診や分娩時のデータ、
生後に受けた予防接種の内容などを記入する。

しかし手帳そのものをなくしてしまうと、
その大切な育児の記録をすべて失ってしまうという
問題もあった。

電子母子手帳は、
育児のデータをクラウド上に保存。

必要な情報は、スマートフォンのアプリで
すぐに確認できる。

体重の変化などはグラフになっていてわかりやすい。

また、かさばる母子手帳を持ち歩かなくてすむのも
メリットの一つ。

すでにアプリを利用しているという人は・・・

「アプリを開いて自分の子はどうかなって見たりします」
(利用者)

こちらの女性も興味があるようだ。

「(バッグには)おしり拭きやオムツとか
 かさばる物がいっぱい入っているから
 少しでも(荷物を)減らしたいから
 アプリは助かるかもしれない」

一方でこんな意見も

Q「母子手帳アプリを使いますか?」

A「使わないです
  自分で子どもの成長を手で書き込みたい
 あたたかみもあると思ってます」

電子データ化された母子手帳は、
医療現場でもすでに活用され始めている。

「つわりは?」
(医師)

「たまに気持ち悪くて吐いちゃったりしてる」
(妊婦)

名古屋第二赤十字病院には、
救急外来の妊婦も多く搬送される。

患者のかかりつけの産婦人科での通院記録や
胎児の状況はすべて母子手帳に記録されている。

ところが...

「緊急の時によく忘れてくるんですね
 連携先(ほかのクリニック)に
 かかっていた期間の情報がわからない
 紙で運用しているものは患者さんが
 持ってこないと伝わらない不便さを感じていた」
(名古屋第二赤十字病院 加藤紀子産婦人科医)

そこで、この病院では2019年9月から、
患者の健診データを電子化し、
県内16の連携病院と共有する、
「周産期WEB」システムの運用を始めた。

「子宮収縮が頻繁にあると赤ちゃんが
 (早く)生まれちゃう可能性があるので
 患者さんから"お腹が張ります"て
 電話があったとき
 パソコンを開いて"子宮収縮があり"に
 多くチェックがついていれば
 すぐに当院に来てくださいって話します」
(名古屋第二赤十字病院 加藤紀子産婦人科医)

このシステムを使えば、
リスクの高い救急の妊婦の治療を
第二赤十字病院が引き受け、
リスクが低い妊婦の定期健診は
連携病院が担当するなど、
地域医療の役割分担が可能になる。

「患者さんを上手に開業医さんと基幹病院と分けながら
 情報を上手に共有したいと思って始めたシステムです」
(名古屋第二赤十字病院 加藤紀子産婦人科医)

システムを開発した会社も、
電子母子手帳の利用を、
さらに広げていきたい考えだ。

「緊急時にしっかりと医師に
 連絡がとれる仕組みを構築していきたい
 より子供が安全に生まれてくるように
 世の中に対して貢献したい」
(日通システム 加村建史ヘルスライフ本部長)

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